今回は総合ポータルサイト「@ woman」の人気コンテンツである「サリュー・シネマ」の編集を担当されている、株式会社サイバーエージェントのシニアディレクター高柳克洋さんにお話をうかがいました。


■このコンテンツがスタートしたのはいつ頃ですか?
高柳「もともと「サリュー・シネマ」はHTMLのメールマガジンとして、単独で2001年の4月にスタートしました。その当時はHTMLメール自体が珍しく、先駆け的なものとして配信していたんですね。昨年の7月に弊社が女性系サイトの「@ woman」を運営することになったときに、「@woman」でも情報の一つとして映画を取り上げたいという意向がありまして。じゃあ「サリュー・シネマ」としてメール配信している映画情報を、「@woman」上で展開させようという話になり、昨年の11月から現在のようなスタイルになったんです。メールとして配信していたときから女性をメインとした多くの読者がいましたので、現在ではマガジン時代からの読者の方々に加えて、既存の「@ woman」の読者の方々にも楽しんでいただいているという感じです」


■紹介されている作品のラインナップや特集などを見ても、女性向け一般誌で見られる映画の取り上げ方になっていますね。
高柳「そうですね。僕は「サリュー・シネマ」に携わる前に映画専門誌の編集をしていたことがあるんですが、「サリュー・シネマ」ではそういった専門誌や映画専門サイトで見られるようなマニアックな映画の紹介の仕方は行っていません。映画好きな方ももちろんなんですが、映画以外の情報を得るために「@ woman」に訪れるユーザーの方にも、できるだけ「サリュー・シネマ」を知って楽しんでいただきたいですからね。だから、映画をファッションやコスメ、美容などの一般情報のひとつとして捉え、「サリュー・シネマ」ならではの紹介の仕方を考えるようにしています」


■メインユーザーはやはり女性ですよね。
高柳「HTMLメールだった頃は女性6割、男性4割という割合でした。このスタイルになってからは既存の「@woman」の読者が加わり、女性が圧倒的に多いですね。「@ woman」自体、9割が女性ユーザーですし。年齢的には30代の女性がメインになっています」


■人気コーナーは?
高柳「「ウンチクCafe」は人気が高いですね。僕らが取材先などで仕入れたウンチクを紹介するコーナーなんですが、マガジンでこのコーナーが始まった直後にテレビで「トリビアの泉」が始まって。だから、「こっちの方が早かったのに!」って(笑)。作品レビューはいろいろなサイトに溢れているので、そうじゃない媒体独自のサービスを目指したんです。そんなにマニアックなウンチクではないんですが、映画を観る前に知っていると楽しいかな、という使える情報を掲載しています」


■ブログもありますよね。
高柳「ユーザーとの距離感を考え、毎回こちらからお題を提案する形で書き込みをしていただいています。常連の方も増えてきてますね。今後はもっと盛り上げていく予定です。弊社も “アメーバ・ブログ”というサービスも持っていますので、それと絡ませることで、どんどん拡大させていきたいですね。また、配給会社の方とも今以上にコミュニケーションをはかり、ブログを使った企画やイベントなども展開していければと思います」


■高柳さんご自身、「サリュー・シネマ」をご担当されてから印象的だったことは何ですか?
高柳「自分が前に映画雑誌の編集をやっていた分、最初は「映画雑誌を越えてやる」とか「映画雑誌の読者をWebに引っ張ってくる」と考えていたんですが、しばらくすると、WebにはWebの考え方、見せ方があるし、ユーザーの反応も雑誌とはまったく違うということが分かりました。Webでは反応や結果がすぐ返ってきますから、ユーザーとの距離感についても雑誌の読者の場合とは違ってくるし。それを実感できたことがおもしろかった。自分のなかの価値観が変わったと思います」


■なるほど。それでは最後に今後の展望を聞かせてください。
高柳「サリュー・シネマ」は「@ woman」内の一般情報のひとつとして映画を扱い、オススメ作品を紹介しています。映画専門サイトとは違い、全ての映画情報を網羅しているわけではありませんが、例えば「週末に何か映画でも観ようかな」という方の背中を軽く押してあげられる、そんなサイトを目指しています。ぜひ一度、アクセスしてみてください」
「サリュー・シネマ」:http://www.woman.co.jp/cinema/index.shtml

●高柳克洋さんプロフィール
雑誌『SCREEN』編集部、DVD業界誌の編集を経てサイバーエージェントに転職。「サリュー・シネマ」、「@woman」他、web媒体の制作、ライティングなどを手がける。
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