TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 映画『ボルケーノ』('97)で溶岩が流れていったウィルシャー大通りを挟んで、ロサンゼルス郡美術館の向かいに、車の博物館「ピーターセン自動車博物館」がある。今、この博物館では、映画の中に登場したり、映画スターが愛用していた車の展示「HollywoodStarCars」が開催されている。まずは、映画で活躍した車を紹介しよう。

 バットモービルは、66年に公開された『バットマン オリジナル・ムービー』と89年、92年、97年の近作のものを合わせて3台と、サイドカー付きオートバイ1台。最近リメイクがアメリカでも公開された『60セカンズ』は、オリジナルの『バニシングIN60”』('74)から71年フォード・ムスタング・マッハ1“エレノア”と、映画で使われた小道具。今年公開の映画からは67年シェルビー・ムスタングが展示されている。(劇中、ニック兄ことニコラス・ケイジはこの車のことを「エレノア」と呼んでいたけど、車の本名はシェルビー・ムスタングだったんですね…)。

 アメ車はとにかくデカイというイメージだが、やっぱりそう感じたのは、ダスティン・ホフマン&トム・クルーズ主演の感動作『レインマン』('88)の49年ビューイック・ロードマスターコンバーティブルと、スーザン・サランドン&ジーナ・デイビス主演のロードムービー『テルマ&ルイーズ』('91)の66年フォード・サンダーバード・コンバーティブル。だって、どんなに後ろに下がっても、カメラに収まりきれなかったんだもん…。


シートはサーフボードで、内装は・・・
遊び心いっぱいの車だ
 オモシロ系では、今夏リメイク作も公開された『フリントストーン モダン石器時代』('94)のフリントモービル、『グレートレース』('65)のハンニバル8、『スペースボール』('87)の宇宙で使うホバークラフト、『007/私を愛したスパイ』('77)でロジャー・ムーアが運転した水陸両用車ロータス・エスプリット、日本未公開のエルビス・プレスリー主演作『Easy Come,EasyGo』('67)のために作られた、シートがサーフボードのマングレルTカスタム・ロードスターなどがある。
 スターが持っていた車としては、グレタ・ガルボの25年リンカーン、スティーブ・マックィーンの56年ジャガー・XKSSなどが展示されている。また、20年代、車に乗っているシーンの撮影に大活躍した、後部座席だけの車や、つい最近まで現役で使用されていた、カメラ及びカメラマンと監督が一緒に乗って撮影できるサイドカー、クライスラー・インペリアル・カメラーカー(50年)などもある。


グレタ・ガルボが愛用していたリンカーン

撮影の時にはスタッフが揺らして、
車に乗っている雰囲気を出したそうだ

 私のように車のことはチンプンカンプンでも存分に楽しめるこの展示、車&映画好きならもっともっと魅力的なはず。9月24日までだけど、今からでも遅くはない。夏休み第二弾を取って、ぜひ訪れてみよう。

Petersen Automotive Museum

6060 Wilshire Blvd., Los Angeles,CA 90036
Tel:323-930-2277
Fax:323-930-6642
開館時間:火~日曜午前10~午後6時
     月曜休
入館料:大人7ドル、学生・シニア5ドル、5~12歳3ドル、4歳以下無料
駐車場:4.50ドル
http://www.petersen.org

<<戻る


東宝東和株式会社