TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)


いつもは閉館しているヴォーグ劇場も会場の一つとなった
 10月19日から26日の1週間にわたり、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)の映画祭が今年もハリウッド地区の劇場を主会場に開かれた。第14回目を迎えたこの映画祭は、東京国際映画祭のように、上映作品の国籍は世界各国とワールドワイドだ。アメリカをはじめ、イギリス、カナダ、ロシア、イタリア、イランなどの作品に混ざって、日本映画も『御法度』('99)や『天空の城ラピュタ』('86)、『スプリガン』('98)、『Gaea Girls』('00/イギリス合作)の4本が上映された。

 オープニングを飾ったのは、コーエン兄弟(ジョエル・コーエン、イーサン・コーエンの兄弟で、兄のジョエルが監督、イーサンが製作、脚本は共同というパターンで数々の映画を生み出す。『ファーゴ』('96)でアカデミー賞脚本賞を受賞)の新作『O Brother, Where Art Thou?』('00)。アメリカでもプレミアとなったこの上映に、主演のジョージ・クルーニーも現れ、会場は大騒ぎとなった。映画は、クラシック映画の雰囲気をふんだんに取り入れ、ドタバタ喜劇とハチャメチャな展開で進む。時折クラーク・ゲーブルに見えるクルーニーが、ドジな色男を演じ、歌まで披露するというオイシイ作品。


『Quills』の上映に現れた
フィリップ・カウフマンは『ライトスタッフ』('83)の
監督でもある

『Quills』の脚本を書いたダグ・ライトと
奥さんで同映画のプロデューサー、
ジュリア・チャズマン

 クロージングはSMの原点サド侯爵の数奇な人生を描いた『Quills』('00)が上映された。こちらもプレミアだったが、同日ロンドンでのプレミアが重なり、メインキャストは現れず、監督のフィリップ・カウフマンや脚本を書いたダグ・ライトがレッドカーペットを歩いただけだった。映画のストーリーは次のようなもの。18世紀後半、幽閉されたフランスの作家マルキ・ド・サドは、作家活動を禁じられてもSM小説を書き続ける。しかし、それは、自らと小間使いのマデリーン、友人のアベに悲劇をもたらすことになる……。サド役を『シャイン』('95)のジェフリー・ラッシュがスッポンポンで熱演、ロリコンのSMオヤジ役には『サイダーハウス・ルール』('99)のマイケル・ケイン、『タイタニック』('97)のケイト・ウィンスレット、『グラディエーター』('00)で悪役を好演したホアキン・フェニックス(リバー・フェニックスの弟)らが脇を固める。SMという眉をひそめがちなネタを、「純愛」と「好奇心」をテーマに描き、印象深い映画に仕上げている。

 映画祭の最終日には出品作品の審査結果が発表され、審査員特別賞にイタリア・イラン合作映画『Blackboards』('00)が選ばれたほか、作品賞にメキシコ映画『Love's A Bitch』('00)、ドキュメンタリー作品賞にはアメリカ映画『Homeland』('99)が選ばれた。




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