TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 『ファイナルファンタジー』インタビュー <その3 最終回>

 『ファイナルファンタジー』のインタビュー最終回は、ミン・ナ、ペリー・ギルピン、ドナルド・サザーランドの出演者3人と、アニメーターのロイ・佐藤氏のインタビューです。


■ヒロインのアキ・ロス担当アニメーター:ロイ・佐藤
Q1:スクウェア・スタジオに入ったいきさつは?

ロイ・佐藤(以下R):日本からハワイに移住した両親のもと、ホノルルで生まれ育ったぼくは、とにかく日本のアニメが大好きだった。ハワイ大学を卒業するころ、代々木アニメーション学院の存在を知って入学(留学?)した。

 そこを卒業して、日本にあるディズニーアニメの工房に就職して、セル画を描くアニメーターの仕事を始めたけど、父の病気をきっかけにハワイに帰り、小さなデザイン会社に転職した。そこで初めてCGを経験したよ。でもやっぱりアニメの仕事がしたいと思っていた矢先、ホノルルにスクウェアがスタジオを作ることを聞いて速攻応募したら採用されたんだ。嬉しかったよ。
佐藤さんは日本語も英語もペラペラの
陽気なアニメーター(ロスのプレミアにて)
Q2:バイリンガルの日系アメリカ人ということで、スタジオ内で重宝されたのでは?

R:そうだけど、それよりも両方の文化を知っているから、板挟みになることの方が多かった。両方の言い分が分かるからね。アメリカ人は、「もっとオーバーアクションにしろ」といい、監督をはじめ日本人は「そんなの激しすぎる」でしょ。何とか折衝点を探して、キャラクターに動きをつけていったよ。

Q3:アキの動きの中で、自分らしさが出ているところはどこ?

R:ぼくは男でアキは女だし、性格も違うからあまりぼくらしいところはないけど、ぼくは人の目を見るのが好きなので、アキにもそうさせた。だから目の動きには力を入れたよ。くるくる動かしたりして、目の部分で感情や考えていることが表現できるようにした。

Q4:難しかったのはどのシーン?

R:キスシーンだね。通常、キャラクターごとに動きをつけるアニメーターがいるから、あのシーンは、ぼくがアキの動きをつけて、相手役のグレイは別のアニメーターがつけて、重ねて動かしてみた。でも、どうしてもしっくりこなかった。おまけに、「もっと激しく」と「もっとおしとやかに」の同時リクエストもあったからね。だからあのシーンはぼくがアキとグレイの両方に動きをつけた。1週間もかかったよ。でも、一番好きなシーンだね。


■ミン・ナ(主人公アキ・ロス役)
Q1:この映画の仕事依頼が来た時、どう思いましたか?

ミン・ナ(以下M):『スター・ウォーズ』シリーズに出たいとジョージ・ルーカスにラブコールを送っているほどのSF映画ファンなので、超嬉しかった。それに、誰も作ったことのないスーパーリアルCGアニメーション映画でしょ。パイオニア的映画に出演できてとても光栄に思っているわ。

Q2:レコーディングのエピソードを教えてください

M:最初は台本しか情報がないような状態でレコーディングしたんだけど、録り直しに行くとアニメーションができていたりして、それを見せてもらってまた録音したわ。3年間で20回くらい通ったかしらね。相手役のアレック・ボールドウィンは、キスシーンもあるのに一度も会ってないのよ。完成したものを観て、自分じゃないけど自分で、妙にリアルだったからとても変な感じだった。まさにバーチャルリアリティね。MTVムービー・アワードのベストキス賞に選ばれたいわ(笑)。
悪役の将軍を演じたジェイムズ・ウッズと
アキ役のミン・ナ(ロスのプレミアにて)


■ドナルド・サザーランド(シド博士役)
Q1:「ファイナルファンタジー」のゲームを知っていましたか?

ドナルド・サザーランド(以下D):テレビゲーム自体をやったことがないので、申し訳ないが、「ファイナルファンタジー」のことも知らなかったよ。

Q2:テーマについてどう思いますか?

D:この映画のメッセージはとても好きだ。人類は地球をとてもおろそかにしている。そうした人類のおごりに警鐘を鳴らすような映画だからね。母なる星地球をもっと大切にすべきだよ。
迫力のドナルド・サザーランド(ロスのプレミアにて)


■ペリー・ギルピン(女戦士ジェイン役)
Q1:戦士役の役作りはどうしましたか?

ペリー・ギルピン(以下P):実際に軍隊に体験入隊まではしなかったけど、想像力を働かせて軍人らしい振る舞いを声で表現したわ。マシンガンを持ったり、ジャンプしたりする時は実際にそのふりをして声を出したのよ。
Q2:ジェインは自分に似ていると思いますか?

P:顔や体つきはまったく違うし、ちっとも似てないと思っていたの。でも、一緒に試写を観ていた夫は、何だか私っぽいって言うのよ。どうかしら?

Q3:ゲームはやったことありました?

P:まったくやったことなかったから、家族や親戚に「ファイナルファンタジー」のことを聞いたの。そしたら、弟といとこと甥が大ファンだって事が分かって、いろいろな情報を私に教えてくれた。「お礼は、試写に呼んでくれるだけでいいから」ってね。その熱心さにとても驚いたわ。これだけ人を魅了する作品に携われてとても嬉しいと思った。
キャスト3人で、ハイ!ポーズ
(ロスのプレミアにて)
Q4:映画の中に出てくる「ガイア」とは何だと思いますか?

P:心であり、魂でもあり……とても美しいアイデアだと思うわ。みんながガイアを持っていて、お互いにコネクトしていて、地球にもコネクトしている。コンピュータ世代の人たちには、特に考えてほしい観念だし、この映画はいい布石になったと思うわ。

「FF」のTシャツを着てプレミアに出席した
ペリーはとっても気さくで、ウィンクしてくれた
目の表情に注目?!

文&写真:シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Cinema Navigator Izumi Hasegawa


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