TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 21世紀版「映画の都」誕生!! その1:完成直前レポート Part 1

 去年の7月13日号でご紹介した、21世紀版「映画の都ハリウッド」がいよいよ完成する。今号から2回にわたって、その全貌をご紹介しよう。
 去年の7月以降、ハリウッドへ行くたびにチェックを入れていた「ハリウッド/ハイランド再開発計画」。当初は、「本当にできるのか?」と不安になるほど、地下鉄駅以外は何もなかった。やがて、骨組みの鉄筋が組まれ、ホテルの壁が修復されても、完成予想図にはほど遠い外観だった。

 ところが夏のある日、日本から来た友人を案内していた時、「あっ! バビロンの門だ! 象もできてる~」と私は叫んでしまった。そう、数週間前までは工事用ネットで隠され、道路側のむき出しになった鉄筋しか見えなかったのが、ネットがはずされいよいよバビロン門がお目見えしたのである。

 それからはあっという間だった。コダック劇場や免税店、ブティックなどの外観が次々と整い、チャイニーズ・シアターも「マンズ」から元の名称「グローマンズ」に変わることが発表されると、外観も建設当時の「グローマンズ・チャイニーズ・シアター」にするため改装工事が始まった。

 当初、グランドオープニングにはさまざまな催しがあるとお伝えしたが、残念ながらテロの影響ですべてが縮小。式典の日程や内容を知らされていないマスコミも多かった。コダック劇場では、ハリウッドのミュージカル映画メドレーのステージやクリスティナ・アギレラのコンサートも予定されていたのだが、すべて延期かキャンセル。セレブが出席するパーティーは「未定」という状況になっている。

 そんな中、グランドオープニング式典を1週間後に控えた11月1日(木)、「ハリウッド&ハイランド」に名称を変えた「ハリウッド/ハイランド再開発計画」を仕切るトライザックハーンの広報、ブライアン・チュアンさんが特別に工事中のプレスツアーに案内してくれた。

 工事用の安全ヘルメットをかぶりながら、写真を撮って回ったのでご紹介しよう。

写真1:
全米から集まった836人の作業員が約3年がかりで建設したこの「ハリウッド&ハイランド」。
追い込みのこの時期には、24間体制でまさに突貫工事を行っている。図のような、一大エンターテインメント&ショッピングセンターが完成する。
写真2:
あと7日後には完成していなくてはならないが、「大丈夫?」と不安にならざるをえないほど、未完成の箇所が目立つ現場
(写真は、バビロンコートのエントランス)
写真3:
映画『イントレランス』('16)に登場したバビロンの門からハリウッド・ブルバードを臨むと…。地上の人々と比べるとそのスケールの大きさが分かる。とにかくデカイ!
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写真4:
ちなみに、ハリウッド通りからはこの写真のように見える(10月28日撮影)。バビロンの門越しにハリウッドのサインが見える
写真5:
特別に見せてもらった象の後ろ姿。一般の人は屋上には上がれない。残念!
写真6:
ハリウッド&ハイランドの横を通るハイランド・アベニューに新しく設置された信号機と道路サイン。ハリウッド&ハイランドの巨大地下駐車場の入り口になる
 ハリウッド&ハイランドを開発した会社トライザックハーンの広報、ブライアンさん。

 「ハリウッド&ハイランドは、ハリウッドのルネッサンスにさまざまな働きかけをするでしょう。そして、もちろんこの場所はロサンゼルスの新たな観光名所となることは間違いないと思います。エンターティンメントの首都にふさわしいこのハリウッド&ハイランドに、ぜひ日本からも遊びに来てください」というコメントをくれた。

*原稿はすべて、11月1日現在の情報

次回は、いよいよコダック劇場をご案内します!


文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/ Cinema Navigator


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