TEXT BY 伊藤秀隆(監督/プロデュース/脚本)

 ついに始まった! 2003年夏休み映画大特集!

 さて、今年も夏がやってきた! え? まだ、早いって? アメリカでは早いところでは5月から夏休みになってしまうのだ。日本では7月に入ってから夏休み映画が本格的に公開され始めるが、アメリカの夏休み映画は今が真っ盛り。大勢の子供達が映画館に押しかけ、多くの公開作品の明暗がはっきりし始めている。
 今年の夏休み映画の特徴は、「シリーズもの」が多いこと。『Xメン2』『マトリックス・リローデッド』『ターミネーター3』『ワイルド・スピードX2』『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』『ダム&ダマー(『ジム・キャリーはMr.ダマー』の前編にあたる)』など、続編ばかり。これは、「ハリーポッター」シリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどを公開した昨年の冬と同じような傾向。つねに新しい物語を見たい僕としては、あまり歓迎したくない感じだ。しかし、すでに公開された作品の興行成績を見てみると、軒並み好成績を上げている。ハリウッドのスタジオとしては「シリーズもの」は失敗のない安全パイらしい。
キアヌ:『マトリックス』がまたしても大ヒット! この分だと3作目も心配なさそう……。
 ハリウッドにおいて、「大ヒット」と呼ばれる作品は1億ドル以上の興行収入を上げたものである。もちろん、制作費によって多少の差はあるものの、ほとんどの映画が1億ドル以下で製作されているからなのだろう。そして、2億ドルを超える興行収入を得る作品ともなれば、その年のヒットランキングに入るほどの「メガヒット」となる。そんな「メガヒット映画」がこの夏はすでに4本出現している。

 『Xメン2』『マトリックス・リローデッド』『Bruce Almighty』(ジム・キャリー主演)、『ファインディング・ニモ』がそうだ。最初の2本は先ほど述べた「シリーズもの」、次が久々のヒットとなったジム・キャリー主演映画。ここのところ、ずーっと演技派路線を歩んできて、ファンとしてはもうそろそろいつものお馬鹿キャラを演じて欲しかったところに登場した作品だ。ちなみに、この作品の潜入レポートを「連載136」で書いているので読んでほしい。
 『ファインディング・ニモ』は『トイ・ストーリー』を製作したピクサーの新作3Dアニメ映画。これがすばらしい。内容は2匹の親子魚が主人公の海底アドベンチャー。『バグズライフ』では虫の世界を、『モンスターズ・インク』ではおもちゃの世界を素晴らしい表現力で描いてきたピクサーだが、今回の作品が僕としては最高だ。

 すばらしく綺麗な水中の描写と、個性豊かな魚たちが織りなすスリリングな冒険物語に子供はもちろん、大人でも十分楽しめること間違いなし。ぜひビデオでなく映画館で堪能してほしい。
デミ・ムーア:撮影中、チャーリーズエンジェル3人を苛めたという噂が飛交っていたが……。まあスターにつきものの下らないゴシップだったようです。
 この他にも、2億ドルには到達していないものの、『ワイルド・スピードX2』も改造車のブームまで起こすほどの人気を集め、興行収入も1億ドルを突破している。ただし、この映画の真似をした少年達による事故が多発するなど社会問題も起きている。実際、映画をまねた車で高速道路を暴走している若者達をしょっちゅう見かける。日本の良い子たちはまねしたりしないように。

 それ以外にも、アメコミが原作のアン・リー監督作品『ハルク』が公開3日間で6千万ドルを突破。6月公開作品のオープニングとしては歴代1位を記録しており、2億ドル突破も確実だ。来週には『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』、続いてお待ちかね『ターミネーター3』が公開となるなど、話題作が続々登場。果たして、この夏一番稼ぐ映画はどれか? 一番面白い映画はなにか? あなたにとって最高の映画に出会えるかどうか、期待していてほしい。
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