TEXT BY 尾崎佳加

 お気に入り映画の撮影スポットに行ってみよう! 
 ロケーションめぐり in ロングビーチ

 毎年数百という作品が製作される映画の産地、ロサンゼルス。毎日、街のどこかしらで映画の撮影が行われている。ハリウッド映画でロサンゼルスの街角が登場しない作品を探すのは殆ど不可能だ。ロスの人々にはもうおなじみの撮影スポットは数え切れないほどたくさんある。今回はその現場の中から、ロサンゼルス南の港町、ロングビーチをのぞいてみよう。


■クイーン・メリー号
 まず、数々のハリウッド映画に登場してきたロングビーチの豪華客船、クイーン・メリー号。長年の就航の疲れを癒すように、引退した今は静かにロングビーチに停泊しているが、古くは『ポセイドン・アドベンチャー』('72)、『死の航海』('74)、『誰かに見られてる』('87)などの名場面にその雄姿をのぞかせた。最近では、『パール・ハーバー』(01)で、主人公が小船で夜のニューヨーク港をさ迷う途中、クイーン・メリーに出くわすというシーンが一番新しい出演となっている。

 クイーン・メリーは現在、船内を改造したホテルやレストランなどがあり、一般の人が見学に訪れるなど観光地としても人気を集めている。
ロングビーチのNO.1観光スポットでもある、クイーンメリー号


■ビンセント・トーマス・ブリッジ
 アクション作品の撮影スポットとしてこちらもかなり有名なのが、ロングビーチとお隣りのサンペドロ港を結ぶ橋、ビンセント・トーマス・ブリッジ(Vincent Thomas Bridge)だ。
 85年、ウィリアム・デフォー主演の『To Live & Die in L.A.』をはじめ、TVドラマでもカーチェイスシーンなどが行われたこの橋。短い距離だがカーブや急な坂があり、普通にドライブしていてちょっと楽しい。港に停泊する船を眺めていたと思えば、急に現れるビーチリゾート。景色がコロコロと変わり、ちょっとしたジェットコースター気分が味わえる。この橋は『チャーリーズ・エンジェル』(00)や『60セカンズ』(00)にもでてくるが、もしかすると現場監督もここのドライブにハマってロケ地にしたとか?
ビンセント・トーマス・ブリッジ。この橋から、何人の悪役が飛び降りたことか?
 『チャーリーズ・エンジェル』には、この橋以外にもロングビーチの風景がたくさん登場する。映画冒頭のシーンで、エンジェルたちがさっそうとクルーザーに乗って現れるビーチもここだ。このシーンで、海の後ろの港沿いに高層ビルが立ち並んでいるのが見えるが、このオフィス街も何度か映画の舞台になっているのだそう。
チャーリーズエンジェル冒頭シーンに登場する、LA ハーバー


■カントリークラブ通り
 映画の中に登場する家も、ロングビーチのものがたくさん登場する。広い公園を横にたたずむ平穏な住宅街、カントリークラブ通り(Country Club Dr.)。一見ありふれた住宅街だが、ホラーからコメディーまで、ありとあらゆるジャンルに登場するハリウッド御用達の住宅街だ。

 まず、爆笑青春コメディー『アメリカン・パイ』('99)で、主人公の学生たちが暮らす家はカントリークラブ通りにある。映画の中でも、友達同士が隣近所に住んでいる設定だが、ロケーションに使われた3つの家も歩いていけるほどのご近所さんだ。

 『ドニー・ダーコ』(01)の主人公の青年が住んでいた家もこのエリア。マシュー・ブロデリック主演のコメディー、『フェリスはある朝突然に』('87)や、『アメリカン・パイ』やほかのティーン映画をパロディーにした『Not Another Teen Movie』(01)で登場人物の少年が親の居ぬ間に友達を招き、ドンチャン騒ぎのパーティーを開いた家もこの近く。
 まさに平和の象徴といった家ばかりが並んでいるのだが、中には『羊たちの沈黙』以来シリーズ化しつつあるサイコスリラー傑作『レッド・ドラゴン』(02)で恐怖の館と変貌した家もあったりする。

 レクター博士を敬愛する主人公のシリアル・キラー、その生け贄となった家族が殺害前幸せにくらしていた家も、ここカントリークラブ通り沿いの邸宅。ところがここ、『Not Another~』の少年の家と同じものなのだ。片方は明るいコメディー、もう片方は陰惨な殺人事件の舞台、同じ家でも映画によってこうも違って見えるものかと感じ入ってしまう。
『レッド・ドラゴン』、『Not Another Teen Movie』に登場する、カントリークラブ通り沿いの家。一体どんな人が住んでいるんだろう?
 こんなふうに、ロサンゼルスのロケ現場は同じ場所が何度も使われることが多い。ロスって意外に小さい街なのか、それとも映画の数が多すぎるのか?

 それにしても、カントリークラブ通りは本当に普通の住宅街なのだろうか?立派な家もけっこうたくさんあるし、映画関係にお勤めの、えら~い人が住んでいたりして。

 ロスの撮影現場を上げれば、本当にきりがない。この続きはまた今度!!

ロングビーチへの行き方
ロサンゼルスのダウンタウンから出ているメトロ(ロスの交通機関)のブルーラインを利用して終点、ロングビーチ駅へ。車の方はダウンタウンから、フリーウェイ110を南へ。終点より2つ前の出口、「ビンセント・トーマス・ブリッジ」を出る。
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