TEXT BY 尾崎佳加

 傑作パロディー! 英国版『ドーン・オブ・ザ・デッド』?!

 今春、日本にも恐怖の感染をはびこらせたホラー大作『ドーン・オブ・ザ・デッド』。本作がもたらした脅威が今、新たに英国で再発してしまった! ただし、今度は恐怖ではなく、爆笑の嵐をひきつれて…。
 英国UIPが提供するホラーコメディー、『ショーン・オブ・ザ・デッド』。どこかで聞いたタイトルだと思ったら、やはりあの『ドーン・オブ・ザ・デッド』(78, 04)のパロディーだという。英国のコメディーといってもピンとこない方もいるだろうが、あなどるなかれ。全米公開の8月24日から、公開劇場は600館と少ないながらすでに400万ドルを記録している話題作なのだ。
 飲食店に勤めるさえない男ショーン。毎日ビデオゲームばかりしている友人エドとつるみ、向上心を持つことなく毎日を無駄に生きている。あまりにずぼらでなまけ者のためガールフレンドにも愛想をつかされ、人生お先真っ暗のショーン。だが、そんな彼に恐怖は突然訪れた…。住み慣れた町の様子は一夜にして一変し、路駐車は無残に壊され、町には死者がのし歩く…。恐怖はそれにとどまらず、ショーンとエドの住む家には奇妙な瞳の光を放つ見知らぬ女が…!そして、ショーンたちがとった行動は ― 。

 “めずらしいお客サン”との記念撮影。生き血を求めて噛みつこうとする女ゾンビに“セマられている”と勘違い、照れ笑いを浮かべるショーン。町でどんな惨事が起ころうと、日頃から全く町の動きに興味のなかったショーンたちがその変化に気づくよしもなかった…。
 スタートから勢いのいい笑いをとばして展開するストーリーは、パロディー元『ドーン~』よりかなりコミカルにアレンジされている。家にめぼしい武器を見つけられなかったショーンたちは、たまたま目に付いたレコードを投げてゾンビと戦おうとするが(でもお気に入りのレコードはよけておく)、日頃のシューティングゲームの成果むなしく全く命中しない。いつの間にか道に溢れ返っているゾンビに攻撃されないよう、自分たちもゾンビのふりをして歩くなど、安易な方法でしか戦うことができないマヌケさがドツボにはまっておかしいのだ。

 切れのよい展開とテンポのいいギャグはまぎれもなく現代版『ドーン~』(04)を意識したもの。だが、コアなホラー映画ファンならこの作品がジョージ・A・ロメロ監督の『ドーン~』('78:邦題『ゾンビ』)にも大きくインスパイアされていることに気づくだろう。本家本元『ドーン~』の作風を真似た血みどろのシーンもおしみなく盛り込まれ、死者も走ることなくのそのそ歩く。ちなみに主人公一行がショッピングモールに逃げ込むというプロットの部分は、パブになっていた。危険が迫っても楽することしか考えないショーンたちにお似合いな展開である。

 この爆笑をぜひみなさんに伝えたい。『ショーン・オブ・ザ・デッド』、ぜひ日本でも公開上陸してほしい作品だ。パロディー元の『ドーン・オブ・ザ・デッド』は11月よりDVD&VIDEOが発売開始。機会があれば見比べてみてはどうでしょう?

『ドーン・オブ・ザ・デッド』DVD情報
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