TEXT BY 尾崎佳加

 シネマ、CINEMA、シネマ! 秋のハリウッドは映画祭づくし!

 ハリウッドは「映画の秋」の真っ只中。9月より始まった映画祭シーズンのピークを迎え、映画三昧の贅沢な秋を満喫中です!
 毎週街のどこかで必ず見かけるフィルムフェスティバルの広告。ロサンゼルスダウンタウン近郊のシルバーレイクセンチュリーシティーに、サンディエゴなどといった地域密着型のローカル映画祭から、セレブが集う大型イベントまで、この時期は映画祭のスケジュールがぎっしり詰まっている。
 先月、最も盛大に行われた映画祭は「HOLLYWOOD FILM FESTIVAL(ハリウッド・フィルム・フェスティバル)」。ジョニー・デップの最新作「FINDING NEVERLAND(原題)」センチュリーシティー。ジョニー・デップの最新作「FINDING NEVERLAND(原題)」のプレミア上映が行われたオープニングセレモニーでは、ジョン・トラボルタ、レオナルド・ディカプリオといった豪華な顔ぶれが集まり、盛大さを極めた夜となった。「HFF」はまた、「HOLLYWOOD MOVIE AWARDS(ハリウッド・ムービー・アワード)」の授賞式も同時に開催する盛りだくさんなイベント。まるで映画の万博のよう。「Yahoo! ムービー」と「エンターテイメント・トゥナイト」上のオンライン投票で今年一番の作品や俳優を一般人が選び出す。ちなみに今年の最優秀作品賞には、マイケル・ムーアの「華氏911」が輝いた。
 「HFF」の余韻も覚めやらぬうち、今月は、「AFM / AMERICAN FILM MARKET(アメリカン・フィルム・マーケット)」が開催された。こちらは映画祭ではなく作品を売買するための見本市で、今年の参加者は7000人。作品を買い付けにやってきたバイヤーも去年より2%増しの1459人を記録した。年々注目度が高まっている「AFM」に出品される作品は、ハリウッドのブロックバスターを約束されたと言っても過言ではない。出品者の気合も相当なものだ。
 通年どおりなら春に開催されているはずの「AFM」だが、今年からスケジュールを変更した。映画祭シーズンをもっと盛り上げようと、「AFI / LOS ANGELES INTERNATIONAL FILM FESTIVAL(ロサンゼルス国際映画祭)」と提携を結び、開催日も秋にお引っ越し。映画祭と見本市を同時期に開催することでハリウッドのさらなる活性化を図るもくろみらしい。
 この「AFI」もハリウッドで最も注目を浴びる映画祭のひとつだ。ケビン・スペイシーの新作、「BEYOND THE SEA(原題)」で開幕した今年の「AFI」。話は逸れるが、この映画ではケヴィン・スペイシーが初めてミュージカル調の演技を試みた。ファンの方は必見である。アメリカン・フィルム・インスティテュートが主催するこの映画祭は各国から集めたインディペンデント系作品を紹介する、いわば映画の展覧会。出展作品のスクリーニングだけに限らず、ドキュメンタリー、ドラマなどジャンルにわかれたコンペティションを設けるなど、新しい試みも色々見られた。
 今後もまだまだ続くハリウッドの映画祭。来年冬のオスカーナイトに向けて、シネマフィーバーはさらに加速し続ける様子だ。
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