TEXT BY 尾崎佳加

 ストラマ沖津波災害 セレブたちが差し伸べた大きな手

 昨年12月26日に発生したスマトラ沖地震による津波災害。20万人を超える死者数が予測される大惨事に南アジアは今、世界の大きな援助を必要としている。その叫びを聞いて立ち上がったのがハリウッドスターたち。自分たちの行いが被災地の人々を勇気付けることを願い、セレブたちは救援活動に乗りだしている。
 まず寄付を申し出たのはスティーブン・スピルバーグ監督。「私の行動が、みなの一歩を踏み出す動機になればいい」と、特に被災のひどい地域を中心に援助を行う慈善団体“Save the Children (セーブ ザ チルドレン)”“Care (ケア)”“Oxfam (オックスファム)”に多額の援助金(総額1.5ミリオンドル=約1億5000万円)を寄付した。同じく、ジェイ・レノのトークショーに出演して救援活動に参加する意思を伝えたのはニコール・キッドマン。「今月末に姉とインドネシアを訪問する予定です」と、直接現地に乗り込む事を発表した。“UNICEF (ユニセフ)”の親善大使に選ばれた昨年のオスカー女優が救助に立ち上がれば、世界の人々に与える影響はかなり大きい。
 レオナルド・ディカプリオも事態を知ってすぐに行動を起こしたスターのうちの1人だ。2000年、主演作『ビーチ』を収録した舞台となったタイランドが被害にあったと知り、黙っていられなかった彼は、金額は明かされていないがかなりの巨額を援助活動のために贈ったと伝えられている。また、サンドラ・ブロックがスピルバーグと同額の1ミリオンドルを寄付していたことがアメリカ赤十字によって明らかにされている。サンドラは2001年の同時多発テロ時にも同額の寄付をしたことで有名だ。
 この大惨事に支援を表明した国は40カ国以上。28日当初、アメリカが提示した支援総額は3500万ドルだったが、この大国と張り合う巨額を1人で申し出た著名人がいる。ドイツ人のF1レーサー、ミヒャエル・シューマッハが申し出た寄付額はなんと1000万ドル。ミヒャエルのボディーガードが家族と休暇旅行中のタイで被害にあい、帰らぬ人となったことに心をいためたという背景を知ってもまだ多額だといえる。
 また、寄付という形だけでなく、行動をもって支援する意思を見せるセレブも少なくない。ジョージ・クルーニーは今月15日に緊急放送が決定したNBCの特別番組にチャリティー出演することを承諾した。著名人がたくさん出演することで被害の悲惨さをより多くの人に伝えたい、と番組のリーダー役を買って出た。彼の呼びかけで出演契約に署名したスターに、クリスティーナ・アギレラシェリル・クロウティム・マッグロウなどがいる。
 ハリケーン、地震、台風。世界規模でみても昨年は大規模な自然災害に見舞われる災難の年だった。実は今、この記事を執筆中のカリフォルニア州南部でもここ2週間豪雨が続き、土砂崩れで数名の死者が確認されたばかりだ。地球はそろそろ本格的にガタがきているのか? ハリウッドスターたちの援助が、一人でも多くの被災者たちの支えになるよう祈りたい。
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