TEXT BY 尾崎佳加

 実子?養子? ハリウッドのベビーブーム

ジュリア・ロバーツ、グウィネス・パルトロウ、リース・ウィザースプーン、そしてブリトニー・スピアーズ。昨年から今年にかけて新ママとなったハリウッドセレブの名前だ。戦後のベビーブームで誕生した団塊の世代が第2の人生を迎えつつある中、海の向こうのハリウッドでは、続々と報じられる赤ちゃん誕生のニュースに沸いている。
 7月、コメディー俳優ベン・スティラーと、彼のおバカ映画におしどり共演する妻クリスティン・テイラーとの間に第2子が誕生した。オスカー俳優キューバ・グッディング・ジュニアも同月、妻との間に3人目の子どもが誕生。スーパーモデルのハイジ・クラムは先月英国のシンガー、シールとの間に初の子を出産したばかり。そして、嬉しめでたいニューボーンの話題に沸く今、ハリウッドが最も注目する赤ちゃんといえば、ブリトニー・スピアーズの息子ショーン・プレストン君である。
 さすがは何かとお騒がせの全米No.1アイドルの息子。ショーン・プレストン君は誕生するなりハリウッドのトップストーリーを飾るスーパーベビーとして君臨してしまった。ブリトニーの友人であるマドンナは、親友のベルサーチにオリジナルベビー服をデザインするよう依頼し、ショーン・プレストン君にプレゼントした。また、ブリトニーの幼なじみで、犬猿の仲とも言われるクリスティーナ・アギレラは「ブリトニーに子どもだなんてクレイジー。最高じゃない!」とライバルらしい祝いの言葉を寄せた。各ゴシップ誌はスーパーアイドルの愛息子を真っ先にスクープしようと競争し、『OK!マガジン』がその権利を勝ち取った。彼の初仕事のギャラは150万ドル(約1億5千万円)である…。
雑誌「Celebrity Living」のブリトニー特集記事
 また、異なる視点で注目されるのが、「ピアノ・レッスン」のアカデミー賞女優ホリー・ハンターの妊娠だ。47歳で初産、おまけに子どもは双子だという。高齢出産のセーフ年齢は35歳頃までというから、それを10歳以上も上回る彼女のリスクはただでさえ大きい。そこに初産&双子というダブルの不安要因を背負ってまでの出産である。
 やはり女性は自分のお腹を痛めて産みたいものなのか。ところがハリウッドの夫妻の大半はその問いに「No」と答えている。養子を迎える夫妻が非常に多いのだ。
 先日ケイティー・ホームズとの婚約が明らかになったトム・クルーズは、前妻ニコール・キッドマンとの間に2人の養子を持ち、離婚した今も養育権を共有している。7月エチオピアから2人目の養女を迎えたアンジェリーナ・ジョリーは、シングルマザーにして二児の母になった。アイドル夫妻のジェシカ・シンプソン&ニック・ラーチーも「将来はゼッタイ養子をとりたい」という妻の意向で養子派になると思われる。
 何故セレブたちは養子を好むのか。妊娠期間、仕事ができないことで映画製作社との契約にひっかかるのだろうか。それとも単に、妊娠によりボディーラインが崩れてしまうことを恐れているだけなのか。考えたくない線だが、金銭面での選択という可能性もありえる。アメリカの養子は実子とは異なり、両親の財産を相続する権利を一切持たないという。
 子どもや家庭づくりの見解の不一致で破局したと噂される夫婦は少なくない。今後結婚を控えたハリウッドカップルは、実子、養子、どちらを選択するのだろうか?
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