DVDの用語 (2)

 前回DVDで使用される用語として音声部分で分かりにくいものを紹介致しましたが、今回は画面に関して分かりづらいと思われるものを紹介しましょう。
 画面に関しては「16:9スクイーズ収録」という表現が多く見られます。これは横長の映像を縦長に圧縮(スクイーズ)し、通常のテレビサイズ(4:3/フルスクリーン・サイズ)で収録しておき、テレビ画面で表示する時には左右を伸ばしてオリジナルサイズに戻すという収録方式のこと。つまりスクイーズ収録されていれば、最近の主流である16:9のワイドテレビだと、画面一杯に引き伸ばされた映像で観ることが出来る訳です。

 また大抵の場合には「16:9LB(レターボックス)」という表記がされていますが、これは通常テレビ(4:3)で再生した場合、画面上下に黒味が入るレターボックスサイズで表示されるということを示しています。つまり16:9スクイーズ収録されていると、オリジナル映像の画面をトリミング(映像の左右を画面に収まるようにカットしてしまう)することなく、忠実に再生することが出来るんですね。トリミングされてしまうと、オリジナル映像の左右端に本来映っているはずの人物や物が見えなくってしまうという訳です。
 最後に音声でも画面でもなく、聞き慣れない用語として「片面一層」や「片面二層」などがあるかと思います。これはDVDの特徴でもあるデータ収録のタイプを表しており、片面一層であれば映像として133分、片面二層であれば242分までの映像を基本的に収録することができるのです。もちろん「両面一層」や「両面二層」もありますが、映像としてはほとんど使用しません。

 本編以外に特典映像が60分あるものは、片面二層でなければ収録できません。また特典があまりないものであれば、片面一層でも十分収録出来てしまう訳です。ただこれは基本的なものであって、音声データにDTSが収録された場合など、かなりの容量を取るので、片面二層でもギリギリになることがあります。ギリギリで収録するとDVDは動作が不安定になることがあるので、無理に収録することはあまりありません。データが多い時には、むしろ2枚組ということで考える方が安全なのです。
 ちなみに一層から二層に移行する時には“切替”が内部的に行なわれるので、ソフトによってはその切替タイミングで一瞬映像が止まるなどの症状が出るものもあります。その辺を考慮して、なるべくストーリーを妨げないようなシーン(暗いシーン、場面が丁度切り替わるシーン)を切替タイミングにするように基本的にはしています。これはソフトの不具合ではなく、構造上仕方が無いので知っておけば慌てることも無いかと思います。

 先頃、早くも次世代DVDとして「Blu-ray Disc」(ブルーレイ・ディスク)が統一規格として決定しました。これは現行DVDの5~6倍もの大容量を持つものになるそうです。今後現行DVDが幅広く浸透するかどうかというタイミングで、一般に出回ってくることになりそうですね。この次世代DVDが、今のDVDに取って代わることになるのかはまだ分かりません。少なくとも今まで5~6枚組で発売していたTVシリーズなどが、単純に言えば1枚になる可能性があり、このメリットは大きそうです。次世代DVD「Blu-ray Disc」(ブルーレイ・ディスク)が出回ったら、また新しい用語が当たり前のように使われるなんてこともあるのかも知れませんね。
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