DVDソフトに価格差があるわけ

 映画のビデオはレンタルされる方がほとんどだと思いますが、購入しようと思えば各メーカーの相場として概ね16,000円ぐらいがその定価として決まっています。また音楽CDもアルバムであれば、3,000円ぐらいが定価として決まっているのは皆さんご存知だと思います。
 しかし、最近になって登場してきた新しいメディアであるDVDの映画ソフトに関して言えば、これは各メーカーで全くバラバラであり、現在新作ソフトの価格帯も2,500円~6,000円とかなりの幅になっています。これに期間限定キャンペーンでの1,500円のもの(ワーナー・ホーム・ビデオ)や、限定発売の豪華BOX仕様(10,000円以上から100,000円ぐらいまでの価格)のものを入れると、それこそ多種多様な価格が存在するということになります。
 まあ、豪華BOX仕様のものに関しては、フィギュアや解説本などのおまけが付いていたりするものや、過去のTVシリーズ全話が全てセットになっているなどという非常にマニア指向の強いものになりますので、例え価格が非常に高かったとしても主に限定生産ということもあってか、希少性や思い入れがあれば妥当な価格と言えるのかもしれません。

 ただ、新作に関していえば、やはり2,500円から6,000円までもの幅があるというのは、購入する立場にとって見れば混乱を招くと思います。ちなみにご存知かもしれませんが、最安値はワーナー・ホーム・ビデオ発売のDVD、最高値は東宝発売のDVDの価格になります。つまり、平均の標準価格は約4,000円ぐらいになるでしょうか。当然、皆さんにしてみれば何故ここまで価格に幅が出てしまうのか?ということを疑問に思われるはずです(ちなみにアメリカ国内でのDVDソフトの平均価格は、日本円で2,500円~3,000円ぐらいになります)。
 これには、大きな理由があります。何故なら、アメリカほか世界に支社を持つような世界展開が可能なメジャー系メーカーの日本支社と、日本国内に向けてしか発売を行わないインディペント系の日本メーカーでは、当然DVDの生産規模から始まって発売戦略も大きく異なってきますので、価格も異なってきます。

 つまりメジャー系メーカーは安い価格設定が可能になるますが(そうはいっても現在はまだ新作ではワーナーぐらいしか顕著な例がないのですが)、インディペント系メーカーでは同様の価格設定では、収益を上げることが不可能になってしまうという訳なのです。
 ただそういう中でも、対極にある東宝の6,000円という価格設定に対して、よくネットで見かけるように疑問の声が多いのは事実です。6,000円だからといって魅力あるDVDであれば、決して売れないということは無いのですが、やはり一方でその半額ぐらいでDVDが発売されていれば、そちらの方が売れるのは必然的な流れになるでしょうね。

 現在ではビデオとDVDソフトの出荷比率が逆転したりと、明らかにDVDソフトが各メーカーの主要アイテムとなってきていますが、まだ肝心なDVDハードがビデオデッキのように各家庭に1台というレベルまでは到達していません。しかし何にしてもそうですが、良いソフトが沢山あれば必ずハードが引っ張られていきますので、近年の大ヒット映画のDVD化などが、ハード購入を促進させるという好循環を生み出しているようです。
 またハード自体も単体のDVDプレーヤーだけでなく、PS2やX-BOXなどのゲーム機、そしてPCでも再生可能と、DVDを観賞出来る環境が確実に増加してきていますので、今以上にDVDソフトが売れることになれば、インディペント系メーカーでも若干の価格の引き下げが可能になるかもしれません。

 少し前までは、DVDソフトのケースには大きく分けて、トール・ケースとジュエル・ケース(CDと同じ透明ケース)の二つタイプがありましたが、現在では、ジュエル・ケースは非常に少数派となり、今ではDVDと言えばトール・ケースという感じで圧倒的なものになりました。これにはユーザーの意見やお店の意見も大きく働いたとのことですので、同様に数年後には(もっと早いかもしれませんが)、各メーカー若干のバラツキがあるにせよ、概ね3,500円ぐらいが平均価格となるような状況に日本もなっていくのではないでしょうか?いちユーザーとしてもそのようになって欲しいものです。

(※文中の価格は全て税抜きのものになります)
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