前売り券について

 以前の豆知識で、前売り券についてその意味というものを説明させて頂きましたが、現在は当時と比べていろんな意味で前売り券が変化しつつあるので、あらためて前売り券というものをとりあげたいと思います。
 そもそも前売り券の意義とは、その売れ行き具合によって宣伝の浸透度などを測るというものであることは以前お伝えした通りです。しかし以前では、当日一般1800円が300円引きの1500円で購入できるというだけでしたので(勿論劇場窓口で販促グッズを付けたりすることはありましたが)、わざわざ劇場窓口まで行って購入するということ自体は結構なハードルだったと思います。また学生にとっては金額的には何のメリットも無かったので尚更、前売り券は売れにくかったと思われます。

 しかしこの1~2年で、一般的な前売り券の場合、最安値金額は1300円と当日料金から考えれば500円も安く入場できることになるので、これはわざわざ出向いてでも購入する価値がでてきたと思います。もちろんすべての作品が一律に1300円な訳ではなく従来通り1500円の作品もあります。でも大作や話題作は、ほぼ確実に前売りと当日の料金の差が大きくなっています。
 更に従来もあった前売り券に付けるグッズというものも、当初の販促目的のみだけでなく、話題作りの一環として提供されています。たとえば『ターミネ-ター3』では、昨年夏の第1弾では、限定20000セットのプレミアDVD付き前売り券、そして今年元旦の第2弾は、『ターミネーター』&『ターミネーター2』特製メモリアル・グラフィック付き前売り券が、限定2003セットで発売されました。いずれもセットで1300円で、プレミア性の高いものです。

 前売り券だけで1300円なのに、グッズがついても同金額な訳ですから、これは明らかに“お得なもの”になっていました。この前売り企画単体で考えれば、間違いなく採算割れですが、これを『ターミネ-ター3』大ヒットへ向けた大規模な宣伝プロモーションの一環と考えれば、十分に話題にもなっているので、ペイできていると言えるのではないでしょうか。
 また前売り券の発売方法に関しては、劇場窓口に足を運ばなくても購入できる『ターミネ-ター3』や『マトリックス・リローデッド』で行なわれた“ネット予約発売”という新たな手法がようやく実施され始めました。ネットがこれだけ普及してきたのに、いまいち不便さを感じていた方達にとっては、これは朗報ではないでしょうか?勿論すべての作品がこのような“ネット予約発売”を行なうようになるのは、まだもう少し先になるでしょうが、何かプレミア性があるような特典がつくであろう話題作などは、今後実施していく可能性は非常に高いと思います。

 また現在東宝では、ぴあと提携して今まで劇場窓口でしか購入出来なかった『指定席』まで、ネット等で予約して、ぴあ及びコンビニで発券・受け取りOK!といったサービスを行なっています。「ぴあシネマリザーブシートプラス」といって、従来からあった「ぴあシネマリザーブシート」の豪華版ですが、これもネットの利便性を生かした新たな“前売り券”ですよね。

 以前からも電話予約は受け付けていたのですが、発券&受け取りは窓口でしか駄目だったので、急いでいる時などは不便でした。まあ、飛行機や列車ではネットで席座を予約するというのは、最早当たり前になりつつある感じなので、映画館ではようやく(それも一部で)始まったというところでしょう。いまの映画館の指定席は一部だけですから、本当にこれからだと思います。

 いずれにせよ、今後はお得&快適に映画を観賞する為にも、映画の“前売り券”に注目しておいた方が良さそうですね。
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