続編(シリーズ)もの

 映画では大ヒットした作品がシリーズ化されてパート2やパート3といった続編が制作されることが多々あります。これは、映画の企画自体が不足しているということにも原因があるかと思いますが、何よりも前作の成績を元にして、興行成績の見通しが立てやすい上に、収益も見込めるということでしょう。つまり、全く新しいオリジナル企画よりも、安定性に増すところが、続編制作の最大の理由となります。1作目を観たひとのうち、大半のひとは続きが気になって確実に続編を観るでしょうから、続編制作は、戦略的に非常に合理的と言え、また安易な方法かもしれません。
 ただ続編制作においては様々な問題が起こることが多々あります。例えば、主演の俳優が、続編出演を了承しない、あるいは監督が続編を降板してしまうといったものはその代表例ですね。時代設定や、根本的な設定が違うというものでない限りは、やはりファン心理としては主要キャスト&スタッフは前作と全く同じで続編も制作して欲しいと思うところですが、それは必ずしも叶うとは限りません。

 最悪の場合、主人公のキャストが変更されるなんてこともありますし、違う監督が続編を撮ることに到っては結構良くあることです。まあ、世界観だとかストーリーだとかがしっかり継承されていて、なおかつ面白いのであれば結果OKなのですが、前作より良くなるどころか、むしろ酷くなってしまうことも少なくありませんからね。

 続編というよりはシリーズという概念ですが、「007シリーズ」などは、監督もボンド役もかなり変わっていますが成功しています。同様に「ジャック・ライアン・シリーズ」も、監督もライアン役も変わっていますが成功例といえると思います。
 また最近はあまりそういう例を聞かないですが、昔は制作スタジオ自体が変わってしまうこともありました。そういう場合には、続編なのに違う映画会社が配給することになるので、当然ビデオの発売・販売元も変わってしまい、結構奇妙な感じがしたものです。「ターミネ-ター・シリーズ」の場合などは、1作目がこの通りでした。

 以前は大ヒットしたから続編制作を検討するというパターンが非常に多かったのですが、最近では映画制作当初からある程度の長期シリーズ化(3作目ぐらいまで?)を見越しているものもあります。「ハリー・ポッター・シリーズ」、「ロード・オブ・ザ・リング・シリーズ」などがその代表例で、これらは最低でも3作目までの制作は既に決定しています。やはり共に人気のある原作ありきということなんでしょうね。

 これらのように毎年、シリーズ最新作が公開されれば、劇場とビデオ&DVDとの間の連動(新作公開の少し前<半年~数ヶ月前>にビデオ&DVDが発売)が非常に良い形で相乗効果をもたらすので、シリーズトータルで考えるとかなりのビッグビジネスになり、もはや一大プロジェクトと言っても良いかもしれませんね。
 今年は続編の当たり年です。これだけ続編、それもビッグタイトルが集中した年も珍しいです。夏以降は続編ラッシュで東宝東和としては待望の『ターミネ-ター3』と『トゥームレイダー2』、他社では『マトリックス・リローデッド』&『マトリックス・レボリュ-ション』が連続公開され、『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』や、邦画では『踊る大捜査線2』がいよいよ公開されるといった状況で、続編だけで大混戦となっています。いずれも大ヒットが予想されるタイトルばかりですから、期待外れはないと思われます。

 シリーズ第2弾『ハリー・ポッターと秘密の部屋』が大ヒットしておりますが、シリーズものの中から今年のNo.1ヒット作品が生まれそうな予感もあります。年間トップ10は間違いなくこれらシリーズ作品で占められるのではないでしょうか? さてどうなるのか、皆さんもいまからご期待下さい。『ターミネ-ター3』は個人的にも大期待しています!
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