映画配給会社のお仕事

 唐突ではありますが、皆さんは映画配給会社の仕事とというものに関してどのようなイメージをもたれているでしょうか? なかには非常に華やかなイメージをもたれている方もいるでしょうし、まったくイメージが浮かばないという方も多いのではないか? と思います。

 ここ最近でこそ、映画というものが再び脚光を浴びてきた感がありますが、実際に映画業界で働くものとしては非常に地味で地道な業務がほとんどであると私は思っています。これまでこの豆知識を読んで頂いている方であれば、映画配給会社が行なっている仕事の全体像というものが、おおまかであれご理解して頂けているのではないでしょうか。
 我々は自分たちで映画を製作する訳ではなく、既に出来ている、あるいはこれから製作される作品を日本で配給・公開することが仕事であり、その中に買い付け業務(主に独立系配給会社ですね。メジャー系は買い付けの必要はありませんので)があり、その映画を広く一般に知らしめる宣伝業務があり(一番華やかに見える?)、実際に上映してもらう映画館を確保する営業(ブッキング)業務、と大体はこの3本柱をメインとして映画(配給)会社は業務を行なっている訳です。

 ただご存知の通り、劇場公開だけで収益が大幅にプラスになる! という作品は年間に公開される作品の中でも一握りですから、劇場公開後の権利運用ビジネスの為にビデオ&DVDなどのパッケージ部門や、BS・CS・地上波TVなどでの放送媒体との契約をとりまとめるテレビ部門などもまた、映画配給会社には存在しています。

 そもそも何故、今回このような総まとめ的な話をさせて頂いたかというと、もうご存知の方もいらっしゃるかと思うのですが、今年(2003年)4月からのフジテレビの新ドラマで、遂にというかとうとうというか、題材として“映画配給会社”が取り上げられることになったからです。それも「東京ラブ・シネマ」というタイトルでいわゆる月9枠でオンエアされるドラマです。
 勿論、映画配給会社というのはあくまでドラマの設定であり背景であると思っていますので、どこまで映画配給会社の実情が描かれているのかは疑問ですが(買い付けの部分がメインのようですね。そしてロマンチック・コメディーらしいです)、これまで映画配給会社そして映画業界を舞台にしたドラマなど存在していませんでしたし、題材になるとも思っていませんでしたので個人的に“ドラマの題材になるんだ~!”と結構驚いているのと同時に、非常に内容に興味を持っているからです。

 映画配給会社の舞台裏を描くという点では、この豆知識的な要素もありますから、いつも豆知識を読んで頂いている方にも興味深いかもしれません。ちなみに私はフジテレビの回し者ではありません。しかし、フジテレビの月9ドラマですから、それ程悪くない視聴率になるはずですし、そうなれば某ドラマで航空業界が注目された程とは行かないまでも、映画業界も注目を浴びることになるのではないかと思います。それによって少しでも映画配給会社の仕事というものに興味をもっていただければ、ドラマと現実という違いはあれど、映画に対する見方もまた変わってくるかもしれませんね。

 実際は、どんなに良い映画だからといって必ず報われる(ヒットする)訳ではない、という苦労を理解して頂ければ、我々の努力も少しは報われるというものです(理解して頂けるような内容なのか? は分からないのですが…)。とにかく私も、一ドラマファンとして興味深く見てみようと思っています。
 「東京ラブ・シネマ」フジテレビ内情報ページ(公式サイトはこれからオープンのようです)は下記をクリックして御覧下さい。
■フジテレビ「東京ラブ・シネマ」> http://www.fujitv.co.jp/jp/tokuhen/03spr_new/loverevi/index.html
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