映画とパチンコ

 (パチンコに全く興味のない方には、今回のテーマはいまいち分かりづらいかもしれませんが、ご容赦下さい)そもそも映画とパチンコというものは、一見して何の関わりも無いものに思われることと思います。しかし、パチンコを打ったことがある、あるいはパチンコ店に入ったことがあるという方ならご存知かもしれませんが、ここ最近この両者の間に関係が見られるようになってきました。

 そもそも現在のパチンコ機種は、ワイドな液晶画面を搭載してその美麗な画面上にて大当たりの演出を行なうというのは当たり前で、更に盤面上に連動演出する“ギミック”を搭載したりと、年々多彩で派手なものになってきています。
 そんな中、実際にパチンコを打つ主要ターゲットである30代男性を意識して、近年では主にキャラクターとのタイアップ台というのが盛んに発売されていたのですが、これはほとんどが少し古めのアニメや漫画のものであり(天才バカボン、ルパン三世などが人気の出た台の代表例で、あとはピンキリ)最近ではそれらもほぼ出尽くしてきた感があります。そんな中、パチンコ業界はあらたなタイアップ先として“映画”に興味を示すようになってきているのです。

 それは、アニメや漫画同様に映画というジャンルとタイアップすることで話題を作り(作品的には知名度があればあるほど良い)、更にはパチンコにあまり興味のないような人達にも興味をもたせようという狙いによるところが大きいと思われます。このタイアップが従来の映画のタイアップと大きく異なるのは、映画会社から仕掛けるものではなく、向こうから仕掛けてくるものであるといことにあります。

 つまり、映画の公開時期に併せて台を発売するという訳ではないので、映画会社には宣伝の為のメリットは全くありません。そもそもパチンコ台は、“保通協”と呼ばれる団体の審査&検定を通過しなかれば発売できないシステムなので、狙ったタイミングでタイムリーなネタを活かすのが昔から難しいと言われています(例:冬季オリンピックが終了したのに、冬季オリンピックモチーフの台が出る等)。ですから、どうしても新作ではなく、過去の話題作などとタイアップして台を発売するということになってくるのです(注:パチスロでも映画タイアップとして『007』『ターミネーター』なんていうものが過去ありましたが、当時はいずれもほとんど名前を冠しただけのものでした)。
 昨年後半より、既に映画タイアップ台としては「CR ジュラシックパーク」「CR E.T.」(いずれもUNIVERSAL映画)が発売されており,実際に映画の一部の映像が使用されたりしています(映画ではなくアメコミとのタイアップということであれば『バットマン』『スパイダーマン』もあり)。勿論『ジュラッシックパーク』や『E.T.』などは、恐らくはかなりのロイヤリティをUNIVERSALに支払うことで許諾を得ているのだと思いますが、それでも映画の映像を一部といえ使っているのは凄いことと思います。

 それでもやはり全て実写を使用することなどはさすがにNGのようで、演出上の多くは漫画チックにキャラクター等をデフォルメされて、著作権者への配慮がなされていることが多いように思われます(肖像権の問題がありますから、日本国内のものでも実写は使わず、同様なデフォルメ処理がとられることが結構あります<タレント起用ものなど>)。

 今後も話に聞く限りでは、少なくとも今年ぐらいには『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパチンコ台は出るらしいですし、その後も映画とタイアップして、キャラクターやストーリーなどをモチーフにしたものが出てくる可能性は高いですね。結構、意外な映画がパチンコ台になって登場するなんてこともあるかもしれませんよ!
<<戻る


東宝東和株式会社