DVDの“~エディション”

 最近発売されるDVDには作品名の後ろに“スペシャル・エディション”(特別編も同じ意味)、“コレクターズ・エディション”、“プレミアム・エディション”などと銘打たれていることが多いと思います。

 確かにこれは“普通のもの”と比べれば、“スペシャル”であり“プレミアム”のものであるのですが、何をもって“普通のもの”とするかの考え方によって結構微妙なものであるとも言えるのです。

 つまり、もしDVDに本編映像(複数音声付)と予告編程度の特典映像しかついていないシンプルなものを“普通のもの”と考えるのであれば、現在発売されているDVDは、ほとんど全てが特に“~エディション”と銘打っていなくても、“スペシャル”なものだとすることが出来ると思います。何故なら現在では監督などによる音声解説や、各メイキング&未公開シーンなどのDVDでしか見られない特典映像が収録されているのが当たり前になっているからです。会社によっては特典映像の収録時間が1時間以上のものに関して初めて“スペシャル・エディション”など銘打つようですが、その辺りの定義は恐らく各社バラバラだと思われますので結構一般の方は困惑されてしまうかもしれません(立派なアウターケース<外箱>が付いていることが“スペシャル”という場合もあると思いますので)。

 特に“プレミアム・エディション”などと銘打たれているものに関しては、プレミアムというぐらいだから数量限定のものに違いないといった困惑を生んでしまっている可能性は充分あると思われます(現在は元々の意味を少し離れて、結構“プレミアム”という言葉が普通に使われていますからね)。確かに我々が“プレミアム・エディション”などと銘打つ場合、ある意味では数量限定という認識は正しいのですが、それは初回限定生産という意味あいが非常に強く、その製造される枚数は数十万枚には及ぶことが多いので一般の方が購入出来なかったということはまず無いと思います。といいますのも、本当に稀少価値のあるものはもっと生産数の少ない、例えば1万枚、あるいはそれ以下の枚数の<完全限定生産>と銘打つことが多く、購入にちょっと躊躇するような高額の場合がほとんどだからです(もちろん、こういったタイトルにはマニア心をくすぐる特典やグッズが付くことも多くなります)。
 もちろん、さすがに売れ筋の作品であれば、半年後ぐらいまでには完全に店頭からも無くなってしまうかもしれませんが、ちなみにそういった場合には、あらためて銘打たないですが“通常版”的な内容のものが発売されることになります。それは例えばアウターケースが無かったり、封入特典が無かったり、2枚組が1枚仕様になったりと悪く言えばスケールダウンすることがほとんどだと思いますので、思い入れのある好きな作品のDVDを買おうと思っている方で、もし“初回限定の~エディション”といったものが発売されるのであれば、発売後遅くとも1~2ヵ月後ぐらいまでには購入をされておいた方が無難だと思います。CDでもDVDでもそうですが、初回限定(生産)などとして+αの“おまけ”を付けるのは、メーカーサイドとしても初動での購入の勢いをつけてもらう為な訳ですから。

 前述の通り、DVDにおける“~エディション”という表記は基本的に本編映像に関しては何も変わってはおらず、特典映像にボリュームがあったり、封入特典やアウターケースなどが豪華仕様になっている等においてのものです。本編映像が劇場公開版より長く収録されているといったような場合には皆様ご存知の“ディレクターズ・カット版”などといった表記になりますので、お間違い無いようお気をつけ下さい。ちなみに『ターミネーター2』においては劇場公開版DVDの他に“特別編”といったものが発売されましたが、これはまず本編の内容において特別編集(公開版より長くなっている)されたものであり、更に特典映像も収録されていたので本編と特典二つの意味で“特別編”と銘打たれていた数少ないものだと思われます(更にその後、アルティミット版というものも発売されましたが)。

 尚、待望の『ターミネーター3』DVDは本編に変わりはありませんが、2枚組で特典映像は2時間を越えるボリューム、プラス豪華アウターケースが付く為に『ターミネーター3』DVDプレミアム・エディション<初回限定生産>となっておりますので、ご期待下さい(ちょっと宣伝させて下さい)。
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