映画とパチンコ(2) 最新状況

 以前の項目(第80回)の中で、映画とパチンコの間に最近非常に接点が生まれてきており、これからもどんどん出てくるだろうとのことをお伝えしました。確かにあの後『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の台は実際に出てきたのですが、やはり実写はほとんど使用することが出来なかったようで(部分的には若干使用していたようです)、キャラクターもデフォルメされたオリジナルアニメ調のものでしたので、名前は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でしたが、映画とのタイアップという意味ではやはりいまひとつでした。

 しかしながら、公開時期との兼ね合いも考えて映画の宣伝的にも、遂に完全タイアップとも言えるものがこの程登場することになったのです。それも誰もが知るビッグタイトルで。パチンコ雑誌などにはもう当然の如く取り上げられているのですが、何と『ロード・オブ・ザ・リング』の台が2月の完結編「王の帰還」の公開に併せてもうすぐの2月に出るのです。これの凄いところは2つあり、まずは最新作の公開に併せて出るという点と、各キャラクターや実写をほとんど手を加えずに採用しているという点になります(詳しくは下記の公式HPをご覧下さい)。
 パチンコ台は台を開発してから、設置されるまでに厳正な検定&審査を通過しなくてはならないらしく、それを通過するまでに非常に時間がかかってしまうために、メーカーの狙い通りのタイミングで設置することが非常に難しいらしいのです。しかしながら、今回のこの『ロード・オブ・ザ・リング』の台は映画が3部作ということもあってか、恐らくは1作目の時点から準備をしていただろう故に、うまく完結編のタイミングに設置を併せることが出来たのだと思います。これは効果の程(パチンコファンと映画ファンはイコールではないので)はともかくとしても、間違いなく映画との初の“宣伝的”なタイアップといえます。

 そして絵柄やリーチなどにほぼ完全に実写を使用しているのも、間違いなく初めてです。ここまでであれば、過去のものとは比較にならない本当の意味での“映画の台”と言えますし、何と最新作「王の帰還」のシーンも入っているとも聞いているので、映画業界の人間としては“よくここまでやったな!”というのが正直な感想です(恐らくパチンコメーカーは相当高額なライセンスフィーを支払っているのではないかと思います)。
 これならば、今までパチンコを打ったことが無いという人でも、特に映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファンの人であれば打ってみたいと思うのではないでしょうか? またパチンコ好きの人がこの台を打ったからといって、「王の帰還」に足を運ぶかどうかは疑問ですが、間違いなく「ロード・オブ・ザ・リング」という映画シリーズに多少なりとも興味は持つのではないかと思うので、長い目で考えれば(ビデオ&DVD等)メリットはあっても、デメリットはないのかもしれませんね。

 今回この台を出すSANKYOというメーカーはパチンコ業界でも老舗でありながら、常に新しい試みをしていく業界のリーディングカンパニーなので実現出来たのかもしれません。しかしこれまでのような中途半端な映画とのタイアップは逆効果になってしまうと思うので、今後は実写などを多用した完全映画タイアップ台が多数出てくることになるのではないでしょうか。今回のようなシリーズ映画であれば、宣伝面を含めたタイアップの可能性も今後高そうですね(まったくの最新作などはさすがに宣伝面を含めては難しいでしょうが)。いずれは弊社でも公開する(した)映画の台が完全映画タイアップで出る日が来るかもしれません。
■SANKYO公式HP> http://www.sankyo-fever.co.jp/
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