海賊版(3)

 海賊版に関してはこのコラムの中でも過去2回取り扱ってきましたが、ここに来てまた海賊版が新たな展開を見せているので、再度海賊版の現状についてお話ししたいと思います。
 つい先日、大ヒット公開中の「ハウルの動く城」の海賊版DVDが大胆にも露天で売買されていたと騒がれてもいましたが、最近になり、繁華街などで露天商が違法な海賊版DVDを堂々と販売している場面をよく目にするようになってきました。大体は正式なDVD商品発売前の作品などや発売中の作品などを1500円程度という非常に安い値段で販売しているようですが、ネットでの取引でもなければ裏道などでもない人通りの多いところで堂々と販売しているその大胆さには、ただただ呆れるばかりです。これらは組織立って行なわれており、このような露天商は全国的に暗躍しているそうです(下記に出てくるJVAの報告によれば、彼らは単なる“売り子”なだけらしいとのこと)。
 これらの海賊版DVDは、劇場にカメラを持ち込んで映像を収録するという非常に古典的な方法で制作されたものが主流のようですが、デジカメやPC・DVDレコーダーといったデジタル機器の普及によって以前よりはそれでも良いものになっているようです。そうなると劇場側でもそれこそライブ会場などの入場時同様にカメラチェックを行なうぐらいの対策をしない限りは(現実的にはそこまでは無理でしょう)、今後も劇場公開中の新作映画のDVDが販売されるということは無くならないのかもしれません。
また、これらの海賊版DVDも「需要」が無ければ、本来普及はしなかったと思います。しかしそういった商品を違法なものとして認識せず(?)ただ単に安いからと、気楽に買ってしまう人達がいることにも問題があると思います。これは偽ブランド商品なんかよりも、違法性が非常にはっきりしているものですから、そのような露天商を発見したら、本来は一般の方でも警察に通報をしてしまって良いのです。事実そういう形で一般の方のご協力を得て、警察などに摘発してシラミつぶしにしていかなければ、根絶させることは難しいと思います。それなのに、そのような商品を違法なものと知った上で(中には知らない人もいるかもしれませんが、よく考えれば分かるはず)安易に購入までしてしまう人が少なからずいるわけですから、そのような行為には十分に注意して欲しいと思います。何度も言うようですが間接的に著作権侵害に加担することになってしまいます。
 尚、これらの露天商だけではなく、ネットなどを通じても海賊版は出回っておりますので、「社団法人日本映像ソフト協会」<JVA>(ほぼ全映像メーカーが加入しているといって良いと思います)というところが主体となってその摘発など撲滅に向けた活動を行なってくれています(件の露天商などの摘発や実態調査などはJVAが警察と協力して行なっています)。一般の方の著作権といったものへの考え方がどうしても甘いのは明確なガイドラインのようなものが誰もが分かる形では提示されてはいないからではないかと思います。それ故に仕方ないところもあると思いますが、我々だけではカバー出来ない部分もかなりあるので、皆様の著作権に対する意識もあらためて今回の話をきっかけに考えて頂ければと思います(なんかいつも同じことを言っていますが啓発という意味もあるので)。
 最後にご参考までにJVAのホームページをご紹介しておきますので、お時間ある時にでも覗いてみて下さい。上記に挙げた著作権に関するガイドライン的な事柄も掲載されておりますので、きっと何かと役に立つと思います。
■社団法人日本映像ソフト協会(JVA)>> http://www.jva-net.or.jp/
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