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　KIM BASINGER

　トップモデルから演技派へ…オスカー女優、キム・ベイシンガーの魅力を徹底チェック！

　ミラ・ジョヴォヴィッチ、ユマ・サーマンなど、トップモデルから女優へ転向したスターはたくさんいますが、その中で演技もルックスも申し分無いのがキム・ベイシンガー。オスカーを獲得した『L.A.コンフィデンシャル』('97)などで見応えのある演技を披露しています。そんな彼女の隠れた魅力を、このコーナーで徹底分析してしまいましょう。

　キムは1953年12月８日、アメリカ、ジョージア州アセンズ生まれ。スウェーデン、ドイツ、チェロキー・インディアンを先祖に持ち、結婚前はバンド・ミュージシャン、今は金融関係の仕事をしている父ダン、モデルをしていた母アンのもと、５人兄妹の３番目に生まれました。ミック、スキップという兄、アシュレイ、バーバラという妹がいます。子供の頃から引っ込み思案な性格だったため、それを直すようにと３歳から10代前半までバレエを習っていました。“アゴラフォビア(広場恐怖症)”で半年ほど外に出られない時期もあったといいます。

　しかし病気を克服して、16歳の時に地元アセンズのミス・コンテストに出場、“ミス・ジョージア・ジュニア”を獲得し、“全米ジュニア・ミス・コンテスト”に出場するためニューヨークへ渡ります。そこでフォードという大きなモデル・エージェンシーと契約しました。20歳の頃は１日１回のモデル料約1,000ドル(約15万円)を稼いでいたといいます。その後はショーや雑誌などで評判の売れっ子モデルに。しかし彼女は女優を目指していたため、名門ネイバーフッド・プレイハウスで演技の勉強を積んで、76年にロサンゼルスに移ります。『キングコング』('76)のスクリーン・テストで落ちたりもしていましたが、TV番組やＢ級映画などで地道に出演を重ね、007映画『ネバーセイ・ネバーアゲイン』('83)のボンド・ガールに抜擢。ミッキー・ロークと共演した『ナインハーフ』('85)で女優としての人気を確立します。

　80年にメーキャップ・アーティストのロン・ブリトンと結婚しましたが、89年に離婚します。さらに、ジェニファー・リンチ監督の『ボクシング・ヘレナ』('92)の出演キャンセルで訴訟になり、740万ドル支払えずに破産宣告してしまいます。しかし、『あなたに恋のリフレイン』('91)で共演したアレック・ボールドウィンと結婚し、『ゲッタウェイ』('94)でも共演しておしどり夫婦であることを証明しました。他にも、『バットマン』('89)、『愛という名の疑惑』('92)、『プレタポルテ』('94)などに出演し、『L.A.コンフィデンシャル』では念願のアカデミー助演女優賞を獲得。共演のラッセル・クロウ、ガイ・ピアースらと共に演技派スターとしての地位を不動のものにしています。

　アレックとの間にはアイルランド・エリーゼという娘がいますが、ふたりは2001年１月に離婚しました。しかし、復縁して養子をもらうなどといった噂もあります。キムはベジタリアンで、動物愛護運動家としても有名です。

■VIDEO＆DVDでチェック！　キム・ベイシンガーの演技力

セクシー＆演技派スターとして活躍！　キム・ベイシンガーの出演作をチェック

　モデルをしながら女優を目指していたキム。今までにどんな演技を披露してくれているのでしょうか？　出演代表作を見て行きましょう！

■『永遠のアフリカ』(00・未)

イタリアの上流階級で優雅な生活を送っていたクーキー・ゴールマン(キム)。交通事故で九死に一生を得たクーキーは、新しい人生を生きたいと事故が縁で親しくなったパウロ(ヴァンサン・ペレーズ)と愛する息子エマニュエル(リーアム・エイケン)とともにアフリカ行きを決意する。広大なケニアの大地と自然に彼女は夢中になっていく。しかし、その生活は想像以上に困難を極め、厳しい現実と哀しい出来事が彼女を待ちうけていた…。実在の動物愛護者クーキー・ゴールマンの人生をキムが丁寧になぞる。

発売・販売元：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
DVD価格：￥3,800(税抜)or レンタル

■『L.A.コンフィデンシャル』('97)

ジェイムズ・エルロイの同名小説の映画化で、アカデミー脚色賞、助演女優賞(キム)ほか各映画賞を総なめにしたフィルム・ノワールの傑作。50年代のロサンゼルス。街のコーヒーショップで元刑事を含む６人の男女が惨殺される事件が発生した。死んだ刑事の相棒だったバド(ラッセル・クロウ)は殺された女と一緒にいた高級娼婦リン(キム)に近づく。同じ頃、バドとは別にベテラン刑事のジャック(ケビン・スペイシー)も事件を追っていた。野心家の若手刑事エド(ガイ・ピアース)も同じ事件を追いかけ、容疑者を射殺する。事件は一旦解決したかに見えたが…。

販売元：ポニーキャニオン
DVD価格：￥4,700(税抜)or レンタル

■『プレタポルテ』('94)

パリ・コレクションに纏わる人間模様を鬼才ロバート・アルトマン監督が10年の構想を経て描いた内幕もの。パリのプレタポルテ協会会長オリヴィエ(ジャン＝ピエール・カッセル)は、郵便で派手なネクタイを受け取る。メモには“それを身に着けて出掛けてほしい”という一文が。空港にやって来たオリヴィエは、同じ柄のネクタイをしているセルゲイ(マルチェロ・マストロヤンニ)を見つける。２人はリムジンに乗り込むが、オリヴィエは何と車の中で突然息を引き取ってしまう…！　キムは美人レポーターのキティ・ポッター役を演じている。

発売・販売元：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
DVD価格：￥4,700(税抜)or レンタル

■『ゲッタウェイ』('94)

キムとアレック夫妻の共演２作目で、72年のスティーヴ・マックイーン、アリ・マッグローによる同名映画をリメイク。依頼人にはめられ服役中のドク・マッコイ(アレック・ボールドウィン)は、妻キャロル(キム)に、ドッグレース場の売上金強奪を条件に、組織のボス、ベニヨン(ジェームズ・ウッズ)に釈放を頼むように言付ける。約束通りドクの襲撃は成功したが、釈放をベニヨンに持ちかけた際、キャロルが彼と関係を持ったのを知る。キャロルはベニヨンを射殺、ドクとふたりで金を奪って逃走する。しかし、かつてドクを裏切ったルディ(マイケル・マドセン)たちが追跡を開始していた…。

発売元：CIC・ビクタービデオ
ビデオ価格：￥2,983(税抜)or レンタル

■『花嫁はエイリアン』('88)

宇宙工学研究所に勤める科学者スティーブ(ダン・エイクロイド)は５年前に妻を亡くしてやもめ暮らし。ある日、彼は地球外生物の存在を証明するため、電波の実験中に誤って遠くはなれた惑星に強力な電磁波ビームを照射してしまう。92光年を隔てて絶滅の危機を迎えたその惑星は、地球に異星探検隊長セレスタ(キム)を派遣、スティーブに修復の電磁波を再度発射してもらおうとするが…。キムはセクシーなエージェント、セレスタ役をコミカルに演じている。

発売・販売元：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
DVD価格：￥3,800(税抜)or レンタル

■その他のVIDEO＆DVD

『ウェインズ・ワールド２』(93・未)、『ブロンディー／女銀行強盗』('93)、『愛という名の疑惑』('92)、『あなたに恋のリフレイン』('91)、『バットマン』('89)、『消えたセクシー・ショット』('87)、『ブラインド・デート』('87)、『ノー・マーシイ／非情の愛』('86)、『ナインハーフ』('85)、『ナチュラル』('84)、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』('83)

■最新映画でチェック！　キムの新境地

キムがオスカー受賞後に挑んだ新作は、ニュータイプのオカルト・サスペンス！

　『L.A.コンフィデンシャル』でオスカー受賞後に彼女が出演を決めた作品は、新しいタイプのオカルト・スリラー『ブレス・ザ・チャイルド』(01)です。

　“ブレス・ザ・チャイルド”とは、“子を称えよ”の意味。復活祭を目前にしたニューヨークで少年少女の連続誘拐殺人事件が多発しますが、姿を消した子供たちには奇妙な共通点がありました。12月16日に生まれた６歳の子供ばかりが狙われているのです。繰り返される恐怖のあとに待ちうけるのは、絶望か、奇蹟か…。キムは、妹の子供を育てている独身の看護婦マギー役を熱演しています。また、共演には『スリーピー・ホロウ』('99)のクリスティーナ・リッチ、『ロック・ユー！』(01)のルーファス・シーウェル、『ミリオンダラー・ホテル』(01)のジミー・スミッツなどが脇を固めています。

　この他の新作に、ティア・レオーニ、アル・パチーノ主演のロマンティック・コメディ『People I Know』(01)の公開が待たれています。

■ここもチェック！？　キムのあれこれ

作品やコメントに見る、キムの女優人生とは？

　小さい頃から恥ずかしがり屋で、学校であてられたりしてもなかなか喋ることが出来なかったというキム。そんな彼女がシャイな性格も“広場恐怖症”も克服して目指したのが、何と“女優”という仕事でした。その後の彼女はいったいどうなったでしょうか？

　最初はなかなか目が出なかったけれど、まずはお金を稼いで女優になる準備をします。モデルをしてお金を稼ぎながら演技学校に通って自らを鍛錬していたのです。それが、“ネイバーフッド・プレイハウス”という学校で、ここはダイアン・キートン、トム・クルーズ、ロバート・デュバル、マイケル・ダグラスといった名優を輩出している伝統ある演技学校です。ここで力をつけた彼女は単身、ロサンゼルスに移りますが、始めはなかなか良い作品にめぐり合えませんでした。

　しかし、TV番組やＢ級作品で足ならしをした彼女はようやくチャンスを掴みます。それが、ショーン・コネリー主演の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のボンド・ガール“ドミノ”役でした。その後の彼女はセクシー路線で注目されるようになり、女優としての地位を確立していきます。しかし、私生活ではまだまだ困難の連続でした。最初の離婚があったり、裁判が起こってせっかく購入した故郷ジョージアの小さな町も手放す羽目に陥ったのです。94年に俳優のアレック・ボールドウィンと結婚しましたが、2001年１月には離婚してしまいました。

　問題は多々ありましたが、95年に愛娘が生まれてからの彼女は、母として、また女優としていっそう強くなったようにも見えます。その現れが97年の『L.A.コンフィデンシャル』です。子供が出来てから３年余り女優の仕事をストップしていた彼女がこの映画に出演を決めたのは賢明と言えるでしょう。高級娼婦という汚れ役でしたが、事件の鍵を握り、また反目しあう刑事たちの二面性を浮き彫りにする重要なキャラクターを演じて見事アカデミー賞を獲得しました。オスカー受賞は、かつて幼い頃にシャイな一面を克服し、人生を転化させた彼女の努力の結晶と言えるのではないでしょうか。

　彼女はまた、動物擁護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)で、パメラ・アンダーソンやドリュー・バリモア、アリシア・シルヴァーストーンらとともに活動しており、これが『永遠のアフリカ』でも生かされています。演技の世界で、キムのますますの活躍を期待したいですね！

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