BILLY CRYSTAL
 俳優・脚本家・監督など、多才な芸歴を持つビリー・クリスタルの魅力に迫る!
 アカデミー賞の司会者としてお馴染みのビリー・クリスタル。コメディアンとして皆を笑わせる一方で、俳優や監督も行い、また脚本も製作もするという多才な芸歴をもつビリーの魅力に迫ります!

 1948年3月14日、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市、ロング・ビーチ生まれ。ジャズ・レーベルの名門、コモドール・レーベルとデッカ・レコードの創設者を叔父に持つ。父は音楽プロデューサーで、ビリー・ホリデイなどの偉大なジャズ奏者たちと頻繁に交流があった。家族がそのレーベルとレコード店を引き継いで経営していたので、音楽に囲まれた環境で育った。
 現在もニューヨーク・ヤンキースの大ファンとして有名だが、幼い頃から野球が好きだったビリーはメジャー・リーグを目指していた。大学に進学しても野球を続けていたが、小柄な体格のため、野球を職業とすることは無理と分かり夢を断念。転校し、演劇を専攻、ニューヨーク大学でマーティン・スコセッシの講義を受講した後、69年に友人達とコメディ・グループを結成。この頃からビリーはスタンダップ・コメディアンとしての才能を発揮しだす。やがて、ソロ活動も行うようになり、モノマネや風刺の上手なコメディアンとして認知されるようになった。77年に人気テレビ・シリーズ『Soap』のレギュラー出演が決まり、徐々に俳優としての才覚もみせ始める。その番組での役柄は同性愛の青年だったのだが、TVシリーズにいまだかつて同性愛者という役の設定がなかったので、これが一気に話題を呼ぶ。このTV出演を機会にビリーの評判は上がり、82年には自身のTVショー番組を持つようになる。その後、伝説的な深夜番組『サタデー・ナイト・ライブ』で、お得意のモノマネや風刺を披露し、全米で成功を収めた。
 ビリーはまた、アカデミー賞の授賞式の司会者を7回も経験しており、オープニングで歌って踊るパフォーマンスはアカデミー賞の代名詞とも言えるほど。また、グラミー賞でも3回と、ここでもエンタテイナーとしてのビリーの才能が遺憾なく発揮されている。

 私生活では、69年に結婚し2人の娘をもうける。長女のジェニファー・クリスタルは現在ハリウッドで女優として活動しており、いくつかの作品では父ビリーと共演もしている。


■VIDEO&DVDでチェック!ビリー・クリスタルの演技&演出力
コメディならおまかせ!ビリー・クリスタルの演出を作品でチェック!!
演技だって面白いが、脚本・監督だってユニークなビリーの演技&演出の魅力に迫ります!


■『アナライズ・ミー』('99)
 ノイローゼになったマフィアのボスが精神科医にかかるという痛快コメディ。ビリーは出演と製作総指揮を兼任。ニューヨークで絶大な権力を持つマフィアのボス、ポール(ロバート・デ・ニーロ)は、ストレス性発作に悩まされ、精神科医のベン(ビリー)のもとを訪れる。やむなくベンはポールの治療に当たるが、ポールに押しかけられたり、FBIには捜査協力を強要されたりと迷惑なことばかり。しかし、父を殺害されたことが、彼のトラウマになっていると分かり、ポールに同情を感じはじめる。そしていつしか2人の間には友情めいたものが芽生え…。ロバート・デ・ニーロとは初共演のビリーだが、2人のやりとりは息もぴったり。それぞれが心の奥にある傷を癒していく姿は、心温まるハートフル・コメディともいえる。

販売元:ビクターエンタテインメント
DVD価格:\4,700(税抜)orレンタル


■『彼と彼女の第2章』('95)
 ある男女の出会いから結婚生活までをコミカルに描いたラブ・コメディ。『恋人たちの予感』の2人のその後を描きたいと思っていたビリーは、愛し合いながらも、すれ違ってばかりのカップルをテンポよく小粋に演出。物語は、主人公の友人(ジョー・マンテーニャ)がフィアンセにあるカップルの話を回想して聞かせるという設定ではじまる。やがて仲間も加わって、どんどん話は膨らみ盛り上がりをみせる。NBAの審判をしているミッキー(ビリー)とフランスの航空会社のキャリア・ウーマン、エレン(デブラ・ウィンガー)は、偶然出会い瞬く間に結婚する。しかし、新婚生活は巧く噛み合わずトラブルばかり。果たして2人は真実の愛をつかむことができるのだろうか…。主人公を演じるビリーの審判服姿が妙に似合っていて、それだけで可笑しい。

販売元:アスミック
VHS価格:\14,800(税抜)orレンタル


■『シティ・スリッカーズ』('91)
 『トレマーズ』('89)のロン・アンダーウッド監督による現代風西部劇。人生に疲れた都会の男3人が、“カウボーイ体験ツアー”に参加し、本当の自分を見つけていく姿を描く。ビリーは出演のほか、製作総指揮も行う。40を目前に控えた都会に暮らすミッチ(ビリー)、フィル(ダニエル・スターン)、エド(ブルーノ・カービー)の男3人は、ストレス解消のため有給休暇をとってカウボーイ体験ツアーに参加するためニューメキシコへ。大自然での冒険のなかで、3人はアイデンティティーについて考えはじめる。そして最後にミッチがだした結論とは…。都会の悩める一人のビジネスマンを演じるビリー。はじめは浮かない感じだが、乗馬の上達とともに、いきいきとした表情に。見ているこちらもスッキリする作品。

販売元:ポニーキャニオン
VHS価格:\3,689(税抜)orレンタル(店頭在庫のみ)


■『恋人たちの予感』('89)
 『スタンド・バイ・ミー』('86)『ミザリー』('90)のロブ・ライナー監督による男女間の感情の変化をユーモラスに綴ったラブ・コメディ。“男女の間に友情は成立するか”をテーマに、2人の男女が延々と議論を繰り広げ、男の本音と女の本音が暴かれていく様は愉快そのもの。初対面で最悪の印象を互いに持ったハリー(ビリー)とサリー(メグ・ライアン)は、男女間の友情について、意見を対立させる。11年後、偶然2人は再会し親しくなっていく。恋か友情かで再び苦悩する2人が選んだ道は…。メグ・ライアンの出世作ともなった本作で、相手役を務めるビリー。気のきいた会話を随所に散りばめ、シニカルな演技を見せる。ビリーが言う最後のセリフは有名で、流行語にもなった。

発売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント
DVD価格:\3,980(税抜)orレンタル


■その他のVIDEO&DVD作品
『プリンセス・ブライド・ストーリー』 ('87)『シティ・スリッカーズ2』 ('94・製作・脚本)『地球は女で回ってる』('97)『ファーザーズ・デイ』('97)『マイ・ジャイアント』('98・製作・原案・出演)


■ビリー・クリスタルの新作は、ハリウッドの内幕を描いたロマンティック・ラブ・コメディー!

 ビリーの最新作は、ジュリア・ロバーツ主演のシンデレラ・ストーリー『アメリカン・スウィートハート』。ハリウッドのスター女優の付き人をしている主人公が、愛する気持ちをバネに、次第に美しく洗練されていく姿を描く。劇中では、スターの私生活やゴシップなど、ハリウッド・ビジネスの舞台裏も描かれている。
 主人公のキキ(ジュリア・ロバーツ)は、人気女優で姉のグウェン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)の付き人。美しく華やかな姉に対して、妹のキキは地味で目立たない存在。そんなキキにも、実は密かに恋心を抱いている人がいた。それは、グウェンの別居中の夫で売れっ子俳優のエディ・トーマス(ジョン・キューザック)。切ない想いを胸に仕事に打ち込むキキのもとに、映画会社のやり手宣伝マンのリー(ビリー)から電話が入る。エディとグウェンの最後の共演作のプレス・ジャンケットに、グウェンを出席するよう説得してほしいというのだ。姉グウェンと片思いのエディの間で揺れ動くキキの恋心の行方は…?

 映画会社のやり手宣伝マン役として出演しているビリー。実は脚本も担当しているのだ。物語は、スターの付き人を主人公にした恋愛モノだが、嘘やゴシップがいっぱいのハリウッド・スターの私生活が垣間見られるという興味深い一面も持っている。
 映画のなかで中心となってくる“ジャンケット”。これは、ジャーナリストをホテル等に集めて行うプロモーションのこと。“ジャンケット”でプレスの気を引けば、のちに宣伝に活かせると、、映画会社は世界中からプレスを招き、高級リゾートホテルや大規模なイベントなど、手を変え品を変え、驚くような仕掛けをしてくるのだ。パブリシティの大量露出ができるからという理由らしいが、ハリウッドではこれが常識!?らしい。映画のなかでビリー扮する映画会社の宣伝マンも「余興ぜめにして王様気分にさせてやる」と“ジャンケット”に対する意気込みをみせる。ロケがで行われたのは、ラスベガスから車で40分のハイアット・リージェンシー・レイク・ラスベガス・リゾート。煌びやかなハリウッドの日常が見られるのも、この映画のお楽しみの一つ。セレブになったつもりで見ると楽しさは2倍に!
 最新作は他に、ディズニーのファンタジー・アニメ『モンスターズ・インク』(01)にボイスキャストとして参加。日本公開は今年3月の予定。そして、99年の『アナライズ・ミー』の続編にあたる『ANALYZE THAT』(02)では再びロバート・デ・ニーロと共演することが決まっている。


■ここもチェック!? ビリー・クリスタルのあれこれ
永遠のエンタテイナー、ビリー・クリスタルの才能とは?
 ビリー・クリスタルは色々な顔を持っている。あるときはコメディアン、またあるときは俳優、そして、脚本家に製作者、監督などなど、様々な分野で活躍している。とりわけ、ビリーがはじめて成功を収めたコメディアンとしての活躍は、全米において確固たる地位を築いた。人を笑わせることがとっても上手なビリーの才能をコメントでチェック!

 大学時代からスタンダップ・コメディに興味を持ちコメディアンになることを夢見たビリーは、今ではアカデミー賞受賞式の司会もこなすほどのスターである。皮肉たっぷりのジョークや、モノマネに風刺など、彼に笑わせられた事のある方も多いだろう。ビリー独自のスタイルは多くのファンを呼び、それがきっかけとなって俳優業も。映画の世界でも、持ち前のユニークさは健在、多才さを証明した。
 ビリーは、97年の『地球は女で回ってる』に出演した際、ビリーが最も尊敬する映画監督、ウディ・アレンからオファーがあったことについてこう語る。「アレンが僕の役の台本と手紙を一緒に送ってくれた。手紙には、僕がこの映画に出演するのが好きだ、と書いてあって、まるで映画出演召集礼状みたいなユーモアのあるオファーに、もちろんYESと言ったよ」 また、ビリーは1970年くらいからコメディアンとして活動を始めたのだが、そのころ目指すものが2つあったという。1つ目は、ジョニー・カーソンがホストを務めるTVコメディ『Tonight Show』('62~'92)に出演することで、2つ目は、ウディの映画に出演すること。「台本を読んだとき、面白くて大笑いだったよ。それに、アレンの作品に出られるって大興奮してた。目標の一つを達成させる為に、25年もかかってしまったよ」と笑うビリーは、俳優以外でも、数多くのコメディ映画を監督・製作し、脚本もこなしている。
 その他にもビリーは、人権活動家として定評がある。全米ホームレスの窮状を紹介するTV特番『Comic Relief』('85~)で、ウーピー・ゴールドパーグやロビン・ウィリアムスとともにホストを務め、過去8回の間に、4,000万ドル以上の寄付を集めている。また、昨年のNYテロ事件後行われたテロ追悼コンサートにポール・マッカートニーらと出演、“New York State of Mind”を歌って皆を勇気付けた。辛いときでも、多くの人を笑いの渦に巻き込んでハッピーにしてくれるビリー。そんな永遠のエンタテイナー、ビリー・クリスタルの今後に期待しよう!

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