LL COOL J
 ハリウッドとHip-Hop界を凌駕するトップスター
 音楽シーンとハリウッドをまたにかけ、他の誰にも追随を許さず成功している全米エンターテインメント界最強の男、LLクールJ。優れた才能を持ち、若干16歳でレコードデビュー、HIP-HOP界で大成功を収めた後ハリウッドへ進出。スクリーンの上でもスターの座を獲得したLLクールJの魅力を探ります。

 1968年1月14日、NYロングアイランドに生まれ、クイーンズに育ったジェームズ・トッド・スミスは、家庭的に恵まれず不遇な少年時代を過す。暴力的な父親を持ち、また母親のボーイフレンドからも暴力を受けて育った彼は、自身も荒んだいじめっ子だった。しかし9才のときに出会ったラップ・ミュージックが、ジェームズ・トッド・スミスの人生を大きく変えた。
 すでに11才の時には、祖父に買ってもらったDJ機材で作詞作曲、オリジナル・ラップ・ミュージックを製作するようになっていたジェームズ。ラッパーとしてのキャリアをスタートさせた彼は、15才の時からステージネームを使うようになる。"Ladies Love Cool James(レディ達はクールなジェームスがお好き)=LLクールJ"の誕生である。

 15才の時に作った曲が、Def Jamレコードの創設者リック・ルービンとラッセル・シモンズの耳にとまり、ミュージック・シーンにデビュー。10代にしてラップ黄金期の立役者となり、"I Need Love"と"Mama Said Knock You Out"で2度のグラミー賞を受賞。アルバムからカットされたシングルはすべてプラチナ・セールスを記録するという快挙を成し遂げた。
 俳優としてのキャリアは、85年『Krush Groove』のカメオ出演でスタート。その後もロビン・ウィリアムズと共演した『トイズ』('92)ほか何本かの映画をこなしたが、ミュージック・シーンにおけるLLの知名度には及ばなかった。

 しかしながら95-99年にかけて放映されたNBCテレビのシットコム『In The House』で大ブレーク。スピリチュアルで菜食主義者の元花形アメフト選手というキャラクターは、LLの俳優としての人気を全米的に定着させ、映画界からのオファーを数多く受けるようになった。


■出演作でチェック!多才なLLの魅力

■『Kingdom Come 』 (01/未)

 ウーピー・ゴールドバーグ、LLクールJ、ジェイダ・ピンケット=スミス、トニ・ブラクストン、ヴィヴィカ・A・フォックスらブラック系オールスター・キャストでおくる涙あり笑いありのファミリー・ドラマ。お葬式のために集まったファミリー・メンバーが繰り広げるドタバタ劇は、どこにでもいそうなキャラクターで構成されている。アフリカンアメリカン・ファミリーのセルフパロディ劇ともいわれるこの映画の中で、LLは無茶苦茶なファミリーをまとめるまじめな長男役を演じた。監督はダグ・マックヘンリー。
■『チャーリーズ・エンジェル』(00)

 70年代後半に人気を誇ったTVシリーズのリメイク版にして、全米大ヒット娯楽映画の決定版『チャーリーズ・エンジェル』。LLが登場する導入部のビックリ演出に、してやられたと思った人も多いのでは? それにしても、ビッグ・スター、LLクールJをカメオ出演ならともかく、この程度のちょい役に起用したのは贅沢なのかケチなのか・・・。LLがキャメロン・ディアス、ドリュ―・バリモア、ルーシー・リュ―ら3人のエンジェルとともに戦うシーンを期待して観た人はちょっぴり残念かも。
発売販売元:ソニー・ピクチャーズ・
エンタテイメント
価格¥3,800(税抜)
■『エニイ・ギブン・サンデー』('99)

 アメリカン・フットボールに生きる男たちを、オリバー・ストーン監督がパワフルに描いた感動スポーツ人間ドラマ巨編。主演はアル・パチーノ、そのほかのメインキャストは、キャメロン・ディアス、ジェイミー・フォックス、デニス・クエイドら。大御所チャールトン・へストン、アン=マーグレットらも脇固めで出演。またプロ・フットボール史に名を残す伝説的プレイヤーたちも大挙出演していて、まさにオールスター夢の共演作だ。LLはスタイリッシュで野心家のフットボール・プレイヤー、ジュリアンを演じた。アメフトにすべてをかける男たちの姿を、最初は淡々と観ていても、ついにはどっぷり感情移入させられ、オリバー・ストーン監督の思惑にまんまとはめられてしまう。超ストレートなスポーツ魂映画だ。LLも参加したサントラは、全米サントラ部門の売上げ初登場1位を記録。
発売元:日本ビクター
販売元:ビクターエンタテインメント
価格¥4,700(税抜)

(C)1999 Warner Bros.All Rights Reserved.
■『In Too Deep』('99/未)

 "ゴッド"というニックネーム持つ麻薬界の大ボスを演じたLLクールJ。シンシナティのドラッグ市場を牛耳るゴッドのアンダーグラウンド帝国を潰すため、新人特別捜査官ジェフリー(オマー・エップス)が危険な侵入捜査で乗り込む。しかしやがてゴッドのクルーとして仕事をすることになったジェフリーは、どっぷりと麻薬シンジケイトの世界に侵食され自分自身を失っていく。果たしてジェフリーは特別捜査官としての使命を果せるのか・・・。あのパム・グリアも女刑事役で登場。実話を元にしたという触れ込みのこの映画、泥沼なアメリカのギャングスタ・ワールドを覗き見ることが出来るだろう。
■『ディープ・ブルー』('99)

 太平洋上に建造された巨大な海洋医学研究施設では、凶暴なサメの脳組織から新薬を製造する研究が進められていた。だが研究を急ぐあまりDNAを操作した結果、高度な知能を持つ巨大サメが誕生する。そこへ嵐が来襲し、トラブルが重なって半ば水没した施設内に、凶暴な殺戮マシーンと化した巨大サメが侵入! 

 かつては、ブラック系アクターが映画に出演するチャンスがあったとしても、真っ先に死んでしまう役柄しかもらえないといわれてきたが、LLは台詞でそのことを皮肉っている。まさにLLの出現で時代は変わったのだ。
発売販売元:ワーナー・ホーム・
ビデオ
価格:¥2,500(税抜) 


■最新映画でチェック!

 ジョン・マクティアナン監督の衝撃バイオレンス・アクション『ローラーボール』(02)でチームのキャプテン、マーカス・リドリーを演じるLLクールJ。『エニイ・ギブン・サンデー』でもアメフトを経験してスポーツはお手のものと思いきや、オートバイを乗りこなすのにかなりてこずったという。
「優秀なコーチにつきっきりで、オフ・ロードのトレイル・バイクのレッスンを受けた。自分の家の裏庭で丘を登ったり下ったりした後、ニューヨークに行って山にこもったんだ。1ヶ月間、バイクで鹿をよけたり、森の中や丸太の上を走って特訓をしたよ。快適な運転をするにはダイエットも必要だったので、1日5キロのランニングも欠かさなかった。その上でライディングのテクニックをマスターしたんだ。単にバイクを運転するのと、撮影現場でプロのライダーを演じるのはレベルが全然違うからね。現場ではスケートを履いたクリスを引っ張るぐらいのスピードとテクニックが必要だったんだ。バイクを乗りこなすのは、役を演じるための課題だった」
 彼自信が胸を張って語るほど、LLクールJは役に徹し映画の中で見事なライディングを披露した。

 そのほかの最新作では『ディープ・ブルー』のレニー・ハーリン監督のアクション・スリラー『 Mindhunters 』に出演。この映画はFBIの心理犯罪セクションに所属する5人のエージェントの活躍を描くもので、そのメンバーのひとりをLLが演じている。またTVドラマ『In The House』でタッグを組んだゲリー・ハードウィック監督/脚本家の新作ラブコメディ『Deliver Us from Eva 』(02)の全米公開が待たれている。またこの5月、98年度作品の『ハロウィンH20』が日本で初公開となる。


■これもチェック!LLクールJのあれこれ

 84年に弱冠16才でデビューして以来、Def Jamレーベルの看板を背負い、シーンのトップを走り続け、常に時代のメインストリームを築き上げてきたLLクールJ。アルバム全てがミリオン・セラーを達成するという、ヒップホップ界では類をみない記録を誇る彼は、99年には自身のレーベルROCK THE BELLSを設立。新人アーティストの発掘にも余念がない。
また子供たちが学校をやめないように、"クール・スクール・ビデオ・プログラム"を実施したり、レーガン元大統領婦人主宰の"Just Say No"キャンペーン・コンサートに招待されるなど、.様々なベネフィット活動にも力を注いでいる。コミュニティや社会に貢献する彼は、NAACP(全国黒人地位向上協会)イメージ・アワードを授賞している。

 幅広い才能を発揮し続ける彼は、97年に自伝「I Make My Own Rules」を執筆。「自分のルールは自分で作る」という彼の生き様が反響を呼ぶ。
 LLクールJのカリスマ性を語るには枚挙にいとまがない。不遇な子供時代を過しながら、その才能と努力でエンタテイメント界トップの座を築き、文字通り女たちから愛されるクールな男。それでいて長年連れ添ったガールフレンドと95年結婚し、男の子1人と女の子3人の子供たちを大切にして良き家庭人でもある彼は、同じゲト―に生まれ育つ若者たちの憧れであり手本でもあるのだ。16才の時からトップ・スターの座に輝き、現在まで常にその座を維持し続けているLLクールJ。エンタテイメント界を動かすキーパーソンでもある彼の今後の動向を見守りたい。


<<戻る


東宝東和株式会社