MONICA POTTER
 美貌と演技力で着実に女優の地位を築き上げているモニカ

 12才の時からモデルとしてCMに出演し、芸能界でのキャリアを確実に積み重ねてきたモニカ・ポッター。美貌と演技力で、着実に女優の地位を築き上げているモニカの魅力に迫ります。

 
 71年6月30日、クリーブランドのオハイオでカソリック教徒の家庭に生まれる。父は発明家、母は秘書で家計を支えていた。モニカは4人姉妹の上から2番目。12歳で子供劇団に入団し、雑誌や新聞、ローカル番組のCMのモデルを経験し、芸能界入りの地盤を固める。

 その後カソリック系の学校へ入学した彼女は、14歳の頃、修道女になることを考えたこともあったという。しかし結局は女優としての道を歩む決心を固め、ハイスクール卒業後、シカゴとマイアミでモデル・デージェントと契約。93年には女優としてのキャリアを目指して、ハリウッドへ移り住む。
 「93年にハリウッドに来たとき、子供が一人いた上、二人目を身ごもっていた。そのときありついた仕事といえば、リュック・べッソンが撮影するチューインガムのCMだけ。一年間のうちにたったそれだけが女優としての仕事だった。でもリュック・べッソンはとても親切で、女優になりたいっていったらエージェンシーを紹介してくれたの」

 ある意味とても幸運な彼女だが、それ以外ではバーガーキングでフライを揚げたりしながら、女優の道を模索したという。
 「その頃は本当にお金がなくて、1セントにも困る状態だった。実際所持金が39セントになってしまったとき、オハイオの実家に帰ろうと思った。でも父が許してくれなかったの。父は私がハリウッドで成功すると信じて、毎週$100の仕送りをしてくれたのよ。うちは決して裕福な家庭ではなく、仕送りは決して簡単なことではなかったのに」
 ハリウッドに来て、たった4年という歳月で主役をつかみ、あたかもラッキーこの上ないキャリアを歩んできたかのように見える彼女。しかし御多分に洩れず苦労話があるのだ。決してそのブロンドと美貌のみでチャンスをつかんだわけではない。

 父親のサポートによりハリウッドに留まった彼女は、95年、連続TVドラマ『The Young and the Restless』に出演。その後何本かのB級映画の出演を経て、『コン・エアー』('97)で二コラス・ケイジと、また『パッチ・アダムス』('98)でロビン・ウィリアムスと共演。メジャー映画での主役の座を立て続けに掴み、一気にスターダムを駆け上がる。
 モニカは、女優としての成功が家族によって支えられたものだという。家族が才能を信じてサポートしてくれたこそ今の自分があるのだと。そんな彼女は今、慎重に作品を選びながら、着実にハリウッド界での地位を定着させつつある。


■出演作でチェック!モニカの美貌と演技力

 ブロンド美人、モデル出身だけど、可憐で清楚な魅力が持ち味のモニカ。そんな彼女の魅力を出演作のラインアップから探ります。

□『恋にあこがれて in N.Y. 』(01/未)

メトロポリタン美術館で仕事をするアマンダ(モニカ・ポッター)は、いつも男に振られっぱなし。同棲中の男の浮気現場を目撃して飛び出した彼女の引越し先は、4人のモデルたちがゴージャスに暮らすアパートの衣裳部屋。向かいに住むモデル・エージェンシーのジム(フレディ・プリンゼ・Jr.)に一目ぼれしたアマンダは、夜毎4人のモデルたちと彼を偵察。パーティに侵入して、ついにデートにまでこぎつける。しかしある夜、偵察中にジムの部屋で起こったことを目撃してしまったアマンダは・・・。モニカ・ポッターが、サスペンス仕立てに味付けされたギャグ満載のラブ・コメディに挑戦。

販売元:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
DVD価格:¥3,800(税抜)

□『パッチ・アダムス』('98)

ロビン・ウィリアムズが、実在の医師に扮した感動ドラマ。患者との心の交流やユーモアによる治療が重要という説を実践し、従来の医学の常識を覆した医学生パッチ・アダムスの半生を描く。自殺未遂を繰り返していた彼が、精神科に入院して医者としての使命に目覚め、医学部に入学。ガチガチに凝り固まった従来の医学に反して、人間味溢れる治療を目指す。規則に背いては患者をユーモアで楽しませていた彼に、学部長やクラスメイトは冷ややかな視線を向けるが、やがて彼の元に集まった仲間たちや恋人カリン(モニカ・ポッター)とともに、夢に見ていた無料治療院を開設。すべてが順調にみえたのだが、ある日パッチに悲劇が訪れる・・・。この映画では、男嫌いでお高い医学生カリンを演じたモニカ。ウィリアムズは本当に素晴らしい人で、パッチそのものだと彼女は語っている。

販売元:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
DVD価格:¥2,500(税抜)
〈コレクターズ・エディション 2002年7月31日間迄の期間限定価格〉
□『コン・エアー』('97)

『ザ・ロック』のプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーが、再びニコラス・ケイジを主演に迎えたサスペンス・アクション。ハイジャックされた囚人輸送機で起こる、囚人対囚人の闘いをスピーディーな展開で描く。サイモン・ウェスト監督、ジョン・キューザック、ジョン・マルコビッチ、スティーヴ・ブシェーミ共演。8年の刑期を終えて出所した元軍人のキャメロン。彼は一刻も早く愛する妻子の顔が見たいと、連邦保安局の空輸機に乗り込んだ。だが、その空輸機は凶悪犯サイラスが率いる囚人グループにハイジャックされてしまう。 モニカ・ポッターは、二コラス・ケイジ演じるキャメロンの妻役に抜擢。この映画でスターの座を獲得した。

発売元:パイオニアLDC
DVD価格:\4,700(税抜)


■最新映画でチェック! 本格サスペンスに挑戦したモニカ

 現在日本で公開中の本格的サスペンス・スリラー『スパイダー』(01)に出演しているモニカ・ポッター。ベストセラー“犯罪心理捜査官アレックス・クロス”シリーズ最高傑作『スパイダー』は、全米で公開するや、並みいる超大作を押しのけて8週連続TOP-10をキープ。7500万ドルの興行収入を叩き出す大ヒットを記録した。彼女はこの映画で新境地を切り開いたといわれている。
 モニカ・ポッターが演じるジェジー・フラニガンは、自分が監視している傍で起きた誘拐事件への後ろめたさからクロスの応援を買って出る。モニカにとって、この役はタフな警察アクションと心理的な駆け引きの織り混ざった新境地への挑戦で、やりがいのある仕事だった。複雑なこの女性キャラクターの役について、彼女はこう語っている。

 「これまでこういう役を演じたこと経験がなかったので、どれくらい自分を出せばいいのか、どれくらい抑えればいいのかが、とても難しかったわ。演技の中に演技がある感じだった」
 今までとはまったく異なる役柄である『スパイダー』への出演を最初躊躇していたモニカだったが、モーガン・フリーマンと共演することが彼女の心を決意させたという。

 「モーガンと仕事をするのはとても光栄だったわ。彼は非凡な存在よ。とてもやさしくて心が広く、そしておもしろいの。モーガン・フリーマンは、今まで共演した中で最高の俳優だと思うわ。まるでパートナーのように、同等に扱って下さったの」と彼女は息もつかずに熱弁をふるう。
 また『スパイダー』は、モニカにとって初のサスペンス・スリラー。シークレットエージェンシーの役柄は、拳銃を扱うことも必要条件だった。

 「拳銃を撃つのはまったくはじめての経験だったので、とてもナーバスになったわ。そのために特別な訓練を数週間受けるたりして、肉体的にもとてもハードな撮影だった。緊張とワークアウトのため、この撮影中かなり体重が落ちたのよ」

 しかしながらラブシーンについては何の心配もしなかった。原作ではアレックス・クロスとジェジーの関係がサブ・プロットになっているが、映画ではその筋立てはなくなっている。アレックス・クロスとの安易な恋愛関係がない脚本で良かったとモニカはいう。

 今後の全米公開予定作品では、『I'm with Lucy 』(02) が控えている。モニカお得意のラブ・コメディなので、こちらも楽しみだ。


■これもチェック!モニカ・ポッターのあれこれ

 家族を何よりも大切にしているモニカだが、特に父親との絆は強い。男の子を期待していた父とは、子供の頃良く釣りに行ったりキャッチボールをして遊んでいたという。そんな父親が、美しく成長していくモニカの芸能界入りを後押しをしたのは、彼女がハリウッドに来てからではなかった。

 「子供の頃は、父がわたしのマネージャーだった。彼がモデル・エージェンシーへわたしの写真を送って、オーディションや仕事の時は、いつも車で送り迎えしてくれたの。わたしの一番のファンは父なの」
 現在11歳と7歳の息子の母親であるモニカは、彼らを何よりも大切にしている。子供たちを良い環境で育てるため、5年間住んだLAを離れ、現在クリーブランド州オハイオに住みながら女優として仕事をこなしている。華やかなハリウッド界と一線を引いているのはそのせいなのかもしれない。

 「子供達は私が女優だってことを、とても楽しんでるわ。彼らは旅行が大好きで、仕事のときはいつも一緒についてくるのよ。だからイタリアかどこかエキゾチックな場所で撮影がある仕事をみつけろって私にいうの」というモニカ。仕事をするのも子供優先のようだ。

 そんな彼女のお気にいりの映画は『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(98)。公開当時4回も観たという程の熱のいれようだ。次なる挑戦は、イタリアを舞台にしたホラー映画で、チャッキーと夢の共演かもしれない・・・。


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