SAMUEL L JACKSON
 圧倒的な個性でハリウッドに君臨する男

 一度見たら決して忘れることが出来ない個性を放つ男、それがサミュエル・L・ジャクソンだ。ハリウッドではなかなかメジャー進出できないブラック系アクターの中で、随一の出演作品数を誇るサミュエルの魅力に迫ります!

 1948年12月21日、ワシントンD.C.に生まれ、テネシー州チャタヌガで母方の祖父母の元で育つ。本名はSamuel Leroy Jackson。アトランタのモアハウス・カレッジで演劇を学んだ後、76年にニューヨークへ進出。二グロ・アンサンブル・カンパニーに所属し、オフ・ブロードウェイやシェークスピア・フェスティバルで数々の舞台を踏み実績をつんでいく。
 映画デビュー作は、カレッジ在学中に出演した『Together for Dayz』('87)。その後、スパイク・リー監督の初期作品『スクール・デイズ』('88)、『ドゥー・ザ・ライト・シング』('89)、『モー・ベター・ブルース』('90)に出演し、徐々にその印象的なルックスと演技を映画界に定着させていく。一時アルコールと麻薬に溺れそうになるが、見事に立ち直り、クリーンになった状態で、91年スパイク・リー監督の『ジャングル・フィーバー』の麻薬中毒者役を演じる。この役でカンヌ映画祭とニューヨーク映画批評家賞の助演男優賞を受賞。それをきっかけに一躍メジャー映画に進出することになる。
 94年には、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』で、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされ、ベルリン映画祭で銀熊賞を受け、その個性派俳優としての地位を確立。

 しかしなんといっても彼にとっての一番のメジャー出演作は『スターウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 』('99)と『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)。ともにジェダイ評議会の重鎮でジェダイ・マスターのメイス・ウインドゥを演じ、映画マニアから子供たちにいたるまで、ファン層を一気に拡大させた。キング・オブ・クールの異名を持つサミュエルの人気は、とどまるところを知らないといった様子である。


■出演作に観るサミュエル七変化



■アンブレイカブル(00)
 現在公開中の『サイン』(02)が大ヒットで、続編が噂にのぼっているほど監督M・ナイト・シャマラン監督の思い入れが深いSFサスペンス・スリラー。ある日、列車事故に遭い無傷でたった1人助かったデヴィッド(ブルース・ウィリス)の元へ、「これまでの人生で、病気になったことは?」という奇妙なメッセージが届く。送り主はコミックス・コレクター・ギャラリーのオーナー、イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)。彼は生来の難病で脆い骨を持ちながら生き長らえ、自分の対極には不滅の肉体を持つアンブレイカブルな人物がいるはずだという理論を持っていた。イライジャに「不死身」だといわれ、デヴィッドははじめは否定するが、やがて本当の自分の力に気がつき・・・。

 これぞというくらいサミュエルは強烈な個性を発揮。コミック・アートに思い入れ、不死身の男を探し出すという執念が、爆発するヘアスタイルに象徴されているかのようだ。

発売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
販売元:ポニーキャニオン
価格:\3,800(税抜)


■◆英雄の条件 (00)<2002年10月31日までの期間限定生産>
 中東イエメンで起こったアメリカ大使館包囲事件。アメリカ政府の要請で大使館員救出に向かったチルダース大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いる海兵隊は、暴徒と化した民衆に向かって銃撃を決断。83名の一般市民が殺害され、100名以上にも及ぶ一般市民に負傷者を出す結果になった。一般市民に銃を向けたチルダース大佐は、殺人者として軍法会議にかけられる。彼の弁護を引き受けるたのは28年前、ベトナム戦争でチルダース大佐に救われた戦友のホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)だった。ところが、チルダースの無実を証明できるはずのビデオ・テープは隠滅され、アメリカ政府の威信を失墜させたこの事件の裁判は、孤立無援の2人にとって、あまりにも過酷な戦いとなる。
 サミュエルはすっきりクルーカット、愛国心と忠誠心で突っ走るアメリカ軍人を迫真の演技で熱演し、ドゥーヴィル映画祭特別功労賞を受賞。サミュエルとトミー・リーが殴り合いの大喧嘩のあと、笑いながら肩を叩き合う男と男のお決まり友情シーンも、ある意味みどころ。

発・販売元:SPE
価格:\2,500(税抜)


■シャフト (00)<期間限定生産>
 ブラックス・プロイテーションの名作を、アカデミー賞最年少ノミネート監督ジョン・シングルトンが現代風にリメイク。麻薬に汚染され、警察組織にも腐敗がはびこる街ニューヨーク。刑事ジョン・シャフト(サミュエル・L・ジャクソン)は、黒人学生殺害の容疑でウォルターを逮捕する。しかし、ウォルターの父親は有名な不動産王で金の力で保釈、そのまま海外逃亡してしまう。それから2年、ウォルターが極秘に帰国してきたところを再逮捕することに成功したシャフトだったが、またしても保釈が成立。金に動く司法制度に絶望したシャフトはついに、組織を離れ孤独な戦いを開始するのだった。

 数ある出演作の中でも『シャフト』はサミュエルのニックネーム、キング・オブ・クールに一番ふさわしい作品だ。スキンへッズとヒゲが決め手。

発売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
価格:\2500(税抜) 


■交渉人('98) 特別版
 ミュージック・ビデオ界の気鋭F・ゲイリー・グレイ監督による、緊迫感溢れるサスペンス。ダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)は、シカゴ警察東地区で抜群の腕を持つ人質事件の交渉人。だが年金にからむ汚職と同僚殺人の濡れ衣を着せられたローマンは、内務捜査局のオフィスに乗り込んだ挙句、捜査局員を人質に篭城してしまう。これまでの経験から人質篭城に関してノウハウを知っているローマンは内部の人間に疑いを持ち、西地区の凄腕交渉人クリス・セイビアン(ケヴィン・スペイシー)を交渉人に指名。セイビアンに真犯人を探し出すことを要求する。

 テンポよく繰り広げられるストーリー展開とカメラ・ワークは、ミュージッククリップでならしたF・ゲイリー・グレイ監督の手腕。サミュエルとケヴィン・スペイシーのうまさも際立っている。サミュエルの髪がなんだかちょっと赤いぞ。

発・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
価格:\2,000


■スフィア('98)
 ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、リーヴ・シュレイバー、サミュエル・L・ジャクソン豪華キャストで繰り広げられるマイケル・クライトンの原作の海洋SFサスペンス。心理学者ノーマン・グッドマン博士(ダスティン・ホフマン)は、政府からの緊急要請を受け、太平洋上のある現場へと急行する。太平洋の海底で、数百年前に地球外から飛来したと見られる謎の物体が発見されたのだ。彼らが出遭ったのは、銀色に輝く巨大な球体、“スフィア”であった。そして、スフィア調査を続ける彼らに次々と信じがたい恐怖が襲いかかる。果たして人類が出会ったのは未知なる生物なのか・・・。

 サミュエルは、怪しい坊主頭でイカ恐怖症の天才数学者ハリー・アダムスを不気味に怪演。

発・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
価格:\2,000(税抜)


■ジャッキー・ブラウン('97)
 クエンティン・タランティーノ監督が、ブラックス・プロイテーション・ムービーの女王、パム・グリアへ捧げたともいうべきクライム・サスペンス・ロマンス。ジャッキー・ブラウン(パム・グリア)は、メキシコの航空会社に勤務する安サラリーのスチュワーデス。彼女は武器密売人オデール・ロビー(サミュエル・L・ジャクソン)の売った銃の金を国内に運ぶサイドビジネスを請け負っている。ある日、ジャッキーは捜査官に、オデールの金と身に覚えのない麻薬を発見され、逮捕されてしまう。保釈されたジャッキーを出迎えたのは、オデールから依頼を受けたマックス(ロバート・フォスター)だった。足がつかないように口封じをしようとするオデールと捜査官の両方を出し抜いて大金を手に入れようと、ジャッキーは一計を案じ、そしてそのパートナーにマックスを選ぶ・・・。
 かなり切れ気味のギャング、オデールを落ち武者ヘアスタイルで演じたサミュエルは、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、ベルリン映画祭最優秀コメディ俳優部門で銀熊賞を受賞。

発売元:東芝デジタルフロンティア
販売元:アミューズソフト販売
価格:\2,980(税抜) 


■パルプ・フィクション('94) <期間限定生産>
 タランティーノ監督が2作目にしてカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞し、アカデミーとゴールデン・グローブの脚本賞にも輝いた異色のバイオレンス・アクションだ。強盗の計画を立てているカップル、盗まれたトランクを取り戻そうとする二人組のギャング、ボクシングの八百長試合で金を受け取るボクサーと非情なギャングのボス・マーセルス、そしてさみしがり屋のボスの妻ら個性的な登場人物が、交錯しながらストーリーが展開する。ストーリーを彩るジョークに満ちたセリフと強烈なバイオレンスは、まさしくタランティーノならではのスーパー・エンタテイメント。

 サミュエルは、二人組みギャングの片割れで、哲学者肌の殺し屋ジュールズをアフロでクールにキメて、アカデミー賞助演男優賞にノミネート。

発売元:東芝デジタルフロンティア
販売元:アミューズソフト販売
価格:\2,980(税抜) 


■新作でチェック!サミュエルの魅力

 全米2週連続トップの大ヒットを記録したスパイ・アクション『トリプルX』で凄腕エージェント、アウグストス・ギボンズ捜査官を演じているサミュエル・L・ジャクソン。監督ロブ・コーエンは、企画当初から、ギボンズ役にいきいきと命を吹き込んでくれる俳優がサミュエルであると考えていた。「サミュエルは、最高にかっこいい俳優だよ」とコーエン監督は断言。

 また共演のヴィン・ディーゼルは「昔から大好きな俳優だったんだ。サミュエルと共演できるなんて、まさに夢みたいだよ」と語っている。ヴィンとサミュエルは、以前から一緒に仕事のできる、いい作品を探していたという。
 サミュエルが当時を振り返りながら話す「おたがい何年前にロンドンで会ったんだよ。ヴィンは『プライベート・ライアン』を撮ってて、僕は『スターウォーズ/エピソード1』の撮影をやってた。寿司バーでばったり会って、一緒に食事をしたんだよ。話が合ったから仲良くなって、一緒に仕事をしたいなって言い続けてたのさ」。
 この映画と役柄については「ストーリーがおもしろくて、とても惹かれた。役柄の印象も強烈だった。ロブは、役作りをうんと自由にやらせてくれた。ギボンズが過去の任務で、ひどい傷を負ったという過去を持たせたかったんだ。おかげで、その傷を見るたびに、自分の育った国、自分の存在意義、国のために払った犠牲、仕事に対する誇りなんかを再確認するっていう道具立てができた」とサミュエルは語っている。『トリプルX』で、脇役ながらまたしても存在感のある役どころを演じたサミュエル。もちろん『トリプルX2』への出演もすでに決定している。
■『トリプルX』公式サイトはこちら> http://www.xxx-triplex.com/index.html
 そのほか日本で公開される新作は、ベン・アフレックと共演した『チェンジング・レーン』、全米ではサスペンス・スリラー『Fomula51』が公開中のほか、来年はジョン・マクティアナン監督の『Basic』(03)が控えている。


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