ポール・トーマス・アンダーソン Paul Thomas Anderson
 新進気鋭の監督、ポール・トーマス・アンダーソンの魅力に迫る!
 若くして才能を開花させた気鋭の監督、ポール・トーマス・アンダーソン。スタイリッシュな映像感覚、個性あふれる巧みなドラマ作りが非常に注目されている監督です。でも一体どんな人なのでしょうか? このコーナーでPTA監督の素顔に迫ります!
 1970年1月1日、カリフォルニア州生まれ。父は声優のアーニー・アンダーソン。L.A.とN.Y.でミュージック・ビデオの製作アシスタントとしてキャリアを積んだ後、短編映画『Cigarettes And Coffee』の脚本・監督を担当、この作品は1993年サンダンス映画祭の短編部門で初お目見えした。これを元に初長編映画『ハードエイト』('96・未)を監督し、1996年サンダンス映画祭とカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映されました。
(C)2002 REVOLUTION STUDIOS DISTRIBUTION COMPANY, LLC
 翌年、ジョアン・セラーと共に製作会社グラーディ・フィルムを設立。一方で、ニューライン・シネマの『ブギーナイツ』('97)を監督。これが大きな話題を呼び、アカデミー賞脚本賞他3部門にノミネートされるなど大絶賛されました。続いて監督した『マグノリア』('99)はベルリン国際映画祭金熊賞に輝き、再びアカデミー賞でも脚本賞、助演男優賞、オリジナル歌曲賞3部門でノミネートされた他、トム・クルーズにゴールデン・グローブ賞最優秀助演男優賞をもたらしています。

 また、一流の記者が集う国際プレス協会(FIPRESCI)ベスト・フィルム・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、さらに、エイミー・マンのサウンドトラックはグラミー賞3部門、アカデミー賞最優秀主題歌賞にノミネートされるなど、賞賛を集めました。新作はアダム・サンドラー主演の『パンチドランク・ラブ』。シンガーソングライターのフィオナ・アップルと交際中です。


■監督作品で、PTAの魅力をチェック!

PTA監督の才能を、演出した作品で確認してみましょう!


■『ハードエイト』('96)
 母親の葬儀代を稼ぐため、ラスベガスに乗り込み文無しとなったジョン(ジョン・C・ライリー)は、初老の賭博師シドニー(フィリップ・ベイカー・ホール)に拾われ、一人前のギャンブラーに育てられる。生活を立て直したジョンは、シドニーのおかげで片思いだった魅力的なウエイトレス、クレメンタイン(グウィネス・パルトロウ)と結ばれる。そんなある日、クレメンタインが抱える「秘密」がきっかけで窮地に追いこまれたジョンとクレメンタインを救うため、シドニーはまたも一肌脱ぐことに。シドニーはなぜ息子のようにジョンを愛するのか? そしてクレメンタインの抱える秘密とは…?

発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
\3,800(税抜)


■『ブギーナイツ』('89)
 1977年。ディスコでアルバイトをしているエディ・アダムス(マーク・ウォルバーグ)は、その巨大な男性自身からポルノ映画監督のジャック・ホーナー(バート・レイノルズ)にスカウトされる。そこは麻薬に溺れて息子の親権を手放したポルノ・クイーン(ジュリアン・ムーア)や、色魔の妻の浮気に悩まされるマネージャー、ゲイの男など、さまざまな人間が存在していた。やがて芸名をダーク・ディグラーとしたエディは次々と主演作をヒットさせ、あっという間にポルノ界のスーパー・ヒーローになっていくが…。本作はアカデミー賞3部門にノミネートされたほか、数々の賞に輝いている。

発売元:アスミック
発売元:東芝デジタルフロンティア
\3,800(税抜)


■『マグノリア』('99)
 死期を迎えた大物プロデューサー、彼と確執のある息子、プロデューサーの妻とその看護人、ガンを宣告されたTV人気司会者、彼に恨みを持つ娘、娘に恋する警官、過去の栄光にすがる元天才少年など、ロサンゼルス郊外、サンフェルナンドバレーに住む人間たちの24時間を描く。偶然、巡り合わせ、人間的な行動、共通の媒介物、過去、神の仲介などの共謀によって、一見何の繋がりもない彼らが互いの人生に絡み、また逸れていく。第50回ベルリン国際映画祭金熊賞、99年度ゴールデングローブ助演男優賞(トム・クルーズ)を受賞。

販売元:ポニーキャニオン
\5,800(税抜)


■今後の新作は? PTAの新作に迫る!

 新世代を代表する監督として、その地位を確立させたPTA。彼の新作は、一味もふた味もクセのあるラブストーリー『パンチドランク・ラブ』。ストーリーをちょっぴり紹介しましょう。
 バリー・イーガン(アダム・サンドラー)はLA北部、サン・フェルナンド・バレーの倉庫街で、相棒のランス(ルイス・ガスマン)と、トイレの詰まりを取るための吸盤棒をホテル向けに販売している。ある日、レナ・リナード(エミリー・ワトソン)という女性がやってきて、バリーに「8時に修理屋さんが開いたら車を修理に出して欲しい」と頼む。彼女はバリーの姉が見せてくれたイーガン家の家族写真を見て、バリーに一目ぼれしたのだ。仕事に関しては真面目だが、食品会社のマイレージ宣伝の応募要綱のスキをつき、プリンを大量買いして一生無料で飛行機旅行を企てる、かんしゃく持ちの変わった男と、離婚歴のあるキャリア・ウーマン。果たしてふたりの恋のゆくえは…?
(C)2002 REVOLUTION STUDIOS DISTRIBUTION COMPANY, LLC
 群像劇が得意なPTA監督。『パンチドランク・ラブ』も、毎回PTA作品に参加しているフィリップ・シーモア・ホフマンを始め、様々な人々が入れ替わり立ち代り圧倒的な存在感で登場。ジェレミ―・ブレイクのアートワークもお洒落にあしらわれています。

 ハリウッド映画にありがちなヒーローやヒロインものには興味がないというPTA監督。多くの人生模様が交錯する『マグノリア』の脚本は、複雑なドラマにも関わらず「パズルのピースがうまくかみ合って、信じられないほどスラスラ書けた」そう。そんなわけで、PTA監督の作品はリピーターも多いのです。今後もどんな作品を演出していくのか、目が離せませんね!
<<戻る


東宝東和株式会社