エミリー・ワトソン Emily Watson
 デビュー作でアカデミー主演女優賞ノミネート、難易度の高い役を演じる実力派女優、エミリー・ワトソンの魅力

 若い頃から舞台で活躍してきたエミリー・ワトソン。その確かな演技力が認められ、映画デビュー作で数々の賞にノミネートされるなど、今では演技派女優としてその評判を定着させています。そんな彼女の軌跡をこのコーナーでたどってみましょう。
 本名、Emily Anita Watson。1967年1月14日生まれ。父親は建築家、母親は教師。ブリストル大学で英文学を専攻、大学院で演技を学ぶ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属し、王立劇場や地方の舞台で活躍ラース・フォン・トリアー監督の『奇跡の海』('96)で衝撃的な映画デビューを飾りました。悲しいほどに純粋な愛を貫き通す女性を演じて絶賛され、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞ノミネート、N.Y.映画批評家協会賞最優秀女優賞などを受賞。
C)2002 REVOLUTION STUDIOS DISTRIBUTION COMPANY, LLC
 また、ミリオン・セラーとなったフランク・マコートの自伝的小説の映画化、アラン・パーカー監督『アンジェラの灰』('99)でイギリス・アカデミー賞のほか、『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』('98)ではアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、映画俳優組合賞などにノミネートされた。その他の出演作は『ボクサー』('97)、『クレイドル・ウィル・ロック』('99)、『愛のエチュード』(00)、『ゴスフォード・パーク』(01)、『レッド・ドラゴン』(02)などがあります。新作はポール・トーマス・アンダーソン監督の『パンチドランク・ラブ』。


■代表的な出演作で、エミリーの演技力をチェック!

 出演作でエミリーの演技をチェックしてみましょう!
『奇跡の海』('96)
 プロテスタントの信仰篤い、70年代のスコットランドのある村。ベス(エミリー・ワトソン)は、油田工場で働くヤン(ステラン・スカルスガルド)と結婚した。仕事のために家に戻れないヤンを愛するあまり、早く帰ってくるよう神に祈るべス。するとヤンは工場で事故に会い半身不随のうえ性的不能になっていた。やがてヤンは、妻を愛する気持ちから他の男と寝るよう勧め、ベスもまた、夫を愛するがゆえに男たちを誘惑してゆくが…。

発売元:アミューズビデオ、東芝デジタルフロンティア
販売元:アミューズソフト販売
\5,800(税抜)


『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ デラックス版』('98)
 20世紀最高のチェリストと謳われた、ジャクリーヌ・デュ・プレの生涯の映画化。28歳の頂点の時に不治の病、多発性硬化症に倒れた伝説のチェリスト、ジャクリーヌ(エミリー・ワトソン)。だが彼女は、平凡な生活を選んだ姉に羨望と嫉妬を抱いていた。ジャクリーヌはやがてピアニストのダニエル・バレンボイムと出会い、演奏は輝きを増して全世界の賞賛を手中にするが…。

発売元:日本ヘラルド映画
販売元:パイオニアLDC
\5,300(税抜)


『アンジェラの灰 特別版』(01)
 ピューリッツァー賞を受賞したフランク・マコート自伝の映画化。大恐慌に陥った1930年代。アイルランドからニューヨークに渡ったマラキ(ロバート・カーライル)とアンジェラ(エミリー・ワトソン)はそこで出会い結婚する。やがてふたりは5人の子どもに恵まれるが、マラキは酒浸りで暮らしは貧しく、アンジェラはそんな夫を罵る日々。やがて一家は次々と子供を亡くし、結局故郷のアイルランドに戻ることに。しかし、アンジェラの実家のある街リムリックも決して一家を優しく迎えてはくれなかった…。

発売元:角川書店
発・販:アスミック
販売協力:パイオニアLDC
\4,700(税抜)
『ゴスフォード・パーク』(01)

 アカデミー脚本賞など、数々の映画賞を受賞したロバート・アルトマン監督作。1932年11月イギリス郊外。ウィリアム・マッコードル卿(マイケル・ガンボン)とシルヴィア夫人(クリスティン・スコット=トーマス)がゴスフォード・パークという邸宅でパーティが催された。貴賓が優雅に来場する“上の階”とは対照的に、メイドや従者たちは大忙し。そんな“下の階”では虚飾に満ちたご主人たちのゴシップが乱れ飛ぶ。2日目の晩餐の席、客の一人であるアメリカ人映画プロデューサーが、この貴賓たちをネタにした最新作の構想を披露する。それはカントリー・ハウスを舞台にした殺人事件。そしてその夜、実際にウィリアム卿が邸内で殺される事件が発生…! エミリーはハウスメイドのエルシー役で出演。

\3,800(税抜)
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(株)
販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


『レッド・ドラゴン DTSプレミアム・エディション』(02)
 トマス・ハリス原作の“ハンニバル・レクター3部作”の1作目にあたるサイコ・スリラー。FBI捜査官ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、レクター博士を苦闘の末に捕らえたが、精神的疲労が激しく現役を引退、家族とフロリダで静かに暮らしていた。ある日、元上司のジャック・クロフォード(ハーヴェイ・カイテル)が訪れ最近起きた2家族の惨殺事件の捜査協力を請う。一度は断るが、殺された家族の状況を知るうち捜査に加わるようになる。しかし犯人像を割り出せないウィルは、やむなく拘禁中のレクターのもとへ意見を聞きに出向くが…。

\3,980(税抜)
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(株)
販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


■今後の新作は? エミリーの新境地に迫ります!

 エミリーの新作は、若手監督の中でも群を抜く演出力で評判のポール・トーマス・アンダーソン監督作品『パンチドランク・ラブ』。とってもキュートなラブ・ストーリーです。内容をちょっぴり紹介してしまいましょう。
 バリー・イーガン(アダム・サンドラー)はLA北部、サン・フェルナンド・バレーの倉庫街で、相棒のランス(ルイス・ガスマン)と、トイレの詰まりを取るための吸盤棒をホテル向けに販売しています。ある日、見ず知らずの女性、レナ・リナード(エミリー)がやってきて「8時に修理屋さんが開いたら車を修理に出して欲しい」と頼みます。彼女はバリーの姉が見せてくれたイーガン家の家族写真を見て、バリーに一目ぼれしたのです。食品会社のマイレージ宣伝の応募要綱のスキをつき、プリンを大量買いして一生無料で飛行機旅行を企てる、かんしゃく持ちの変わった男と、離婚歴のあるキャリア・ウーマン。果たしてふたりの恋のゆくえは…?
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 エミリーはこの作品のことをこんな風に語っています。「自分自身に違和感をもっているバリーはある日、ありのままの自分を受け入れてくれるリナと出会い、恋に落ちる。そして、彼はちょっぴり成長して、男らしくなるのよ。これはバリーにとっての旅で、リナは光のような存在ね。トンネルの向こうにある光なの。この作品は複雑だけど、とてもピュアなラブ・ストーリー。スウィートできらきらしていて、そう、マジックよ! どのシーンを取っても、歌にできそうなくらい」
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 映画界では遅咲きの彼女がここまでこれたのも、若い頃から舞台で培った演技力があるから。実在した人物や、純愛を貫こうする妻、盲目の女性など、高度な演技力を必要とする人物を次々と演じてきました。これからも実力派女優として、多くの作品で活躍し、画面に緊張感を与えていくはず。今後の彼女の出演作に注目していきましょう!
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