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　FILE11：アメリカ発『恋に落ちたジョージ・ルーカス』

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　言わずと知れた世紀の超大作『スター・ウォーズ』シリーズ。この作品のパロディ映画、結構数多く作られていますよね。最近では『親指スター・ウォーズ』('99)なんて可愛らしい映画も公開されてスマッシュ・ヒットを放ちました。

　世代を問わず、観客を魅了する『スター・ウォーズ』。作品の出来もさることながら、キャラクターの造形も非常によく作られていて、どんな時代にも通用するSF映画の金字塔となっています。

　さて、この『スター・ウォーズ』を監督したのは誰でしょう？　そう！　みなさん良くご存知、このコーナーのタイトルにもなっているジョージ・ルーカスですね。現在『Star Wars：Episode II Attack of the Clones』(02)を製作中のルーカス監督ですが、彼にも悩み多き習作時代がありました。その一コマをフィルムに写し取ったパロディ作品が、『恋に落ちたジョージ・ルーカス』なのです。

■モデルになったジョージ・ルーカス本人が賛辞の手紙を贈った珠玉のSF青春コメディー！

　この作品は若きルーカス青年が大学時代に経験した様々な事柄を通して、面白おかしく、そしてちょっぴりほろ苦いショート・ストーリー。もちろん、『スター・ウォーズ』好きにはたまらないパロディが盛りだくさん！　いったいどんな風にパロディが詰め込まれているのでしょうか？　

　ヒゲとメガネがトレードマークの主人公ルーカス青年の周りにいるのは、ぜん息持ちの大男や東洋哲学を説く教授など奇妙な人々ばかり…。これってもしかしてダース・ヴェイダーに、ルーク・スカイウォーカーの導師ヨーダ？　脚本執筆に苦しむルーカス青年を励ます憧れの女子学生の髪型はなんとレイア姫！　キャンパスにはほかにも、C－3POやR2－D2、チューバッカ、ジャバ・ザ・ハットなどの人気のキャラクターが勢揃い。『スター・ウォーズ』だけでなく、ルーカス作品の『アメリカン・グフィティ』('73)や『ハワード・ザ・ダック暗黒魔王の陰謀』('86)のパロディーをも詰めこんだ、映画ファンにとっては文字通り夢のような青春コメディーの傑作！

　各地の映画祭でも話題を呼んで、アメリカではビデオも異例のトップ・セールスを記録、“映画史上最もチャーミングな短篇映画！”と絶賛。“USベスト・コメディー・アーツ・フェスティバル”や“フロリダ・フィルム・フェスティバル”で審査員賞、観客賞などを受賞。1999年10月、アメリカのショート・フィルム配信サイトで紹介され、スティーヴン・スピルバーグ監督経由でその存在を知ったジョージ・ルーカスは、無名の新人監督ジョー・ナスバウムに、なんとサイン付きの賛辞の手紙を贈りました。本作はルーカス作品を愛する“スター・ウォーズ・チルドレン”の小さな聖書なのです。

■STORY

　1967年。南カリフォルニア大学(USC)の学生寮で、タイプライターを前に途方にくれている青年がいた。彼の名はジョージ・ルーカス(マーティン・ハインズ)。課題の脚本が完成しないと卒業できないというのに、筆はいっこうに進まない。「昔々、ある銀河系で…」という書き出しだけで何度も何度も行き詰まり、部屋のクズカゴは丸めたタイプ用紙の山。ひと癖もふた癖もある悪友たちは彼の焦りなどどこ吹く風。ルーカス青年の悩みは尽きることがない。

　そんなある日、彼は学生運動のリーダーである美しい女子学生のマリオン(リサ・シャクブ)に出会う。「自分の心のなかにあるものを、そのまま表現すればいいのよ」そんな彼女の助言に勇気づけられて、ルーカスは脚本の完成をめざす…。

■DATA　　『恋におちたジョージ・ルーカス』(01)


『恋におちたジョージ・ルーカス』ビデオ (C) Joseph Levy and Joe Nussbaum	『恋におちたジョージ・ルーカス』DVD (C) Joseph Levy and Joe Nussbaum

『恋におちたジョージ・ルーカス』(01)
原題：Grorge Lucas in Love
製作：ジョセフ・レヴィー
監督：ジョー・ナスバウム
脚本：ジョー・ナスバウム＆ティモシー・ダウリング
出演：マーティン・ハインズ、リサ・シャクブほか

2001年／アメリカ映画／カラー

発売元：ポニーキャニオン
発売日：2001年11月７日(水)
ビデオ：価格：￥1,980(税抜／PCVP-13039)　トータル：38分(本編９分)
DVD：価格：￥1,980(税抜／PCBP-50467)　本編９分＋映像特典20分

＜DVD特典および仕様＞
DVD特典：本編９分＋映像特典20分／４：３(ビスタサイズ)／片面１層
DVD仕様詳細：映像特典(20分)／メイキング(10分)／解説つきバージョン(９分)／シークレット・ボーナス(１分)／音声：①オリジナル(英語)　ドルビーステレオ　②日本語吹替　ドルビーステレオ　③スタッフコメンタリー(英語)　ドルビーステレオ／字幕：①日本語　②日本語吹替用　③コメンタリー用日本語

■『スター・ウォーズ』世代の申し子、ジョー・ナスバウム監督

　監督および脚本を手掛けたジョー・ナスバウムは、1973年生まれで、南カリフォルニア大学のTV映画学科を卒業しています。ということは…そう、ルーカス監督の後輩にあたるのです！　『恋におちたジョージ・ルーカス』は、ただのパロディー・フィルムではありません。普遍的な青春のヒトコマをみずみずしいタッチでとらえた本作はハリウッドの注目を集めました。ショートフィルムから長編作品へと飛躍する映画監督たちは大勢います。もちろんルーカス監督もそのひとり。忙しい監督業の傍らわざわざ新人監督に手紙を書いたなんて、きっと親近感が湧いたのでしょうね(手紙は額に入れて飾ってあるそうです)。

　ナスバウム監督は現在、『コクーン』('85)や『アポロ13』('95)などのロン・ハワード監督製作のもと、長篇作品第１作に取り組んでいるとのこと。明日のハリウッドでの躍進が期待できる俊才の登場です。

■『恋におちたジョージ・ルーカス』はどのように作られ、どうやって広まったのか？

　ジョー・レヴィーとナスバウム監督が２日間で撮り終えてしまったこの小さな作品は、1999年10月、アメリカのショート・フィルム配信サイトで紹介され、あっという間に評判が拡がりました。始めの３週間で何と15万回もストリーミングされ、ビデオを作るとたちまちベストセラーに。その売れ行きはルーカス監督の作品も越えてしまったくらいなのです。

　映画仲間のボランティアを集めて一気に撮ったとのことですが、２万5,000ドル(約260万円)の制作費はナスバウムのおばあちゃんがほとんど出してくれたそう。彼らもまさかこんなに売れるとは思っていなかったようですが、これはひとえに『スター・ウォーズ』のファンを火付け役として、ネットでの口コミ効果のおかげではないかと言われています。『スター・ウォーズ』を観たことがある人なら、「ああ、コレね！」というような可愛らしいパロディがいっぱい！　ついつい人に教えてしまいたくなるのもうなずけます。短いながらも中身のぎゅっと詰まった作品なのです。

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