FILE12:日本発『6週間 プライヴェートモーメント』
2001年12月1日(土)より新宿東映パラス3にて、待望のロードショー!
97年に原田眞人監督作品『バウンス ko GALS』という作品が公開されて、当時話題になったのをご存知の方も多いのではないでしょうか。時代は“コギャル”全盛期。この作品はラリー・クラーク監督の『KIDS』('95)に触発された、ある演技学校の主宰者の企画から始まりました。彼が東京のストリートキッズの映画を作れないかと原田監督に持ちかけたことから、この作品の誕生となったのです。そしてその演技学校に無名の役者のタマゴたちの中から、たくさんのスターを生み出しました。その学校の名前は“アクターズクリニック”。NYのネイバーフッド・プレイハウスの演技理論を学んだ俳優、塩屋俊が開設したスクールです。
その後、スクールで起こったある出来事をもとにして作られた作品が『6週間 プライヴェートモーメント』です。塩屋俊自身が自らメガホンをとり、今やトップ・アイドルのひとりである新山千春や島田達樹ほか、スクールの受講生たちを出演させて完成しました。

撮影はベテランの阪本善尚が手掛け、“イージー・リグ”という模擬ステディカムを使ってドキュメンタリー・タッチで綴られていきます。また、音楽には Dragon Ash の「陽はまたのぼりくりかえす」、「Under Teen Age's Song」などが効果的に使われており、作品に奥行きを与えています。


■諦めないで走りつづけて…。日米合作映画のための“6週間”のオーディション

“アクターズクリニック”に通う、俳優をめざす若者たち。彼らはそれぞれに違った個性と未来を抱えています。演じるという仕事に人生を賭けたいと願う彼らの日常は、もしかしたら今どきすごくピュアで、発見に溢れているのではないでしょうか。監督は、彼らからたくさんのエピソードをもらって映画のストーリー作りを始めたと言います。
オーディションを受ける30名を初めとして、出演者のほとんどは“アクターズクリニック”の受講生。日頃レッスンで行なっているカリキュラムがそのままスクリーンに映し出されます。劇中では、自身の実生活を折り込んでエクササイズする姿がリアルに描き出されます。さっそくカップルになる者もいれば、演技を越えて殴り合いになってしまう者もいます。週を追うごとに人数が減り、その静かで熾烈な戦いの中で、彼らのレッスンとストーリーがオーバーラップしていくのです。この現実を目の当たりにしたした塩屋監督が、映画の全責任を負うことだけでなく、映画を越えて若者たちの人生に深くかかわることにも挑戦しています。


■STORY

日米合作映画の主演を選ぶオーディション。数度の審査を経て、人気アイドルの結城あきら(新山千春)、売れない俳優沢田隼也(島田達樹)、芸能界に憧れる女子高生小椋美緒(井上碧)、街でドラッグを売っている髙木哲郎(大塚朝之)、役に恵まれない女優森下なつ希(多崎オリエ)ら、30名の若者がオーディション・スタジオに集まり“6週間”をかけたオーディションが始まった。演技トレーニングを通して選抜を行い、毎週人数がしぼられて6週目に男女各1名が選ばれるのだ。与えられた課題は「プライヴェートモーメント」。
自分の大切な人のために何かを作り、仕上げの2分間をスタジオで行う。「こんなことやったからって芝居うまくなるのかよ?」「自分にとって大切な人って?」そんな迷いと焦りの中で、自分と向き合うことを強いられる参加者たち。演じるとは、それだけ自分をさらけ出す“タフな仕事”なのだと気づき始める。あきらめたら落ちるだけだ。全員がライバルであり、同じ試練に挑む仲間たち。そんな中、オーディションを揺るがすスキャンダルが発覚し、事態は思わぬ方向へと発展して行く。果たして、最終的にオーディションでは誰が選ばれるのか?最後に起こった驚くべき出来事とは?


■STAFF&CAST

エグゼクティブプロデューサー:飯田久彦(ビクターエンタテインメント)、鈴木正勝(ホリプロ)ブプロデューサー:佐藤直行(ビクターエンタテインメント)、岡田和則(日本映画新社)キャスティングプロデューサー:小杉征莊(リク・コーポレーション)脚本:木更明子、矢城潤一、塩屋俊監督:塩屋 俊音楽:Dragon Ash、神津裕之撮影監督:阪本善尚美術:伊藤章雄照明:関輝久録音:鶴巻仁音響効果:柴崎憲治装飾:尾関龍生編集:阿部:浩英スクリプター:中田秀子助監督:中西健二製作担当:市村智保製作:ビクターエンタテインメント/ホリプロ企画:アクターズクリニック/ホリプロ出演:新山千春、島田達樹、向井智紀、井上 碧、大塚朝之、多崎オリエ、小堺一機、塩屋俊、下條正巳
日本映画/カラー/ビスタサイズ/102分
配給・宣伝:アースライズ
■公式サイト>http://www.pat.hi-ho.ne.jp/willdo/


■NYの名門“ネイバーフッド・プレイハウス”で学んだ塩屋監督

塩屋監督は20年以上ものキャリアを持つ演技のベテラン。慶応大学在学中の'77~'80年に、メソッド演技の殿堂として知られるサンフォードマイズナー主宰の「ネイバーフッド・プレイハウス」の理論に基づいた演技レッスンを受けます。同校はロバート・デュバル、ダイアン・キートン、キム・ベイシンガーなどを輩出しています。

以後、テレビ、映画作品等への出演を重ね、特に海外作品出演の経験に多大な影響をもたらしてきました。90年には、オーストラリア映画『アンボンで何が裁かれたか』に出演して、AFI賞(オーストラリアのアカデミー賞)の助演男優賞に日本人で初めてノミネート。また、92年にはユニヴァーサル映画『ミスター・ベースボール』に出演もしています。94年に“塩屋俊アクターズクリニック”を設立し、98年には初プロデュース映画『いちげんさん』を製作します。現在は、俳優業もしつつ、“アクターズクリニック”や、ホリプロスカウトキャラバン最終候補者への演技指導や審査員を務めてもいる多才な俳優、そして演技指導者です。


■ニッポンのアイドル!

ここでは“ニッポンの正統派アイドル”として知られる新山千春の魅力に迫ってみたいと思います。彼女は1981年1月14日生まれ。出身は青森県です。芸能界入りしたきっかけは、44,000人近い応募の中から第20回ホリプロタレントスカウトキャラバンで特別賞を受賞したことから。映画デビューは『お日柄もよくご愁傷さま』('96)。もちろん彼女は“アクターズクリニック”の受講生でした。その後、映画『友子の場合』('96年)、『義務と演技』('98・TV)『アナザヘヴン eclipse』(00・TV)やバラエティ番組に出演したり、ビデオや写真集も出していたりと、様々に活躍しています。

映画公開最新作は『6週間 プライヴェートモーメント』のほか、『ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃』(01)にも主演しており、こちらも見逃せません。
■ホリプロ エンターテインメントサイト“SQUARE”>http://www.horipro.co.jp/square.html


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