FILE22:日本人映像作家によるNY発『ECHOES』
 9月14日(土)ユーロスペースにてレイトショー

ニューヨーク、イースト・ヴィレッジ。
肩にチェーンをかけて、自転車で街を漂流していたレスリー。
仲間といても、いつもひとりぼっちだった。


■イントロダクション

 NYの若者たちの孤独を描いた作品が、日本人映像作家によって誕生した。『echoes』は、現在NYで生活する舩橋淳監督が仲間を集め、雑誌でキャストを募集したインディーズ作品である。写真家でもあるエリック・ヴァン・デン・ブルーのカメラが、詩情豊かな情景を美しいモノクロの映像で捉える。そしてダムタイプの音楽家として知られる山中透と、デイヴィッド・ウルマンのサウンドトラックが、人々の孤独を切なく音で表している。
 触れ合っても、言葉を交わしても消えることのない“距離”を静かに捉え、そこに通い合う“微かな響き=echoes”を聞き取ろうとする映像作家、舩橋淳による印象的な一編である。この作品は、2001年東京国際映画祭ニッポン・シネマ・ナウ部門ほか、多くの映画祭に正式招待されている。


■ストーリー

多くの若者が住むイースト・ヴィレッジに暮らすレスリー(エデン・ラウントゥリー)は、空虚な関係を渡り歩き、相手の男の財布から金を抜き取ったりしながら、気ままな毎日を過ごしていた。ある夜のパーティーで、レスリーはバーカウンターの隣に立った女性のバッグを盗む。翌朝、パーティーで声をかけてきた男と一夜を過ごした彼女は、盗んだバッグの中からある写真を見つける。そこには幼い頃の自分と両親、そして何故か母親と同じ服を着た、見知らぬ少女が写っているのだった。
取り乱したレスリーは、新しい仕事のためにNYを離れようとしているイタリア系移民のルカ(ジョー・マリーノ)とマルコ(パオロ・パグリアコロ)の車に便乗し、旅に出る。目的に着いてみると、仕事があるのはルカだけといわれ、仕方なくマルコとレスリーはドライブを続ける。レスリーが向った先は、彼女が育った家だった。そして6年ぶりに母親と再会したレスリーは、求める真実を知ることができるのか・・・。


■スタッフ&キャスト

<スタッフ>

監督・プロデューサー・脚本/ 舩橋淳
撮影監督/エリック・ヴァン・デン・ブルー
製作統括/キャスティングディレクター アリサ・ジョー・ブラック 
楽曲提供/山中 透 TORU YAMANAKA
オリジナル・ミュージック/デイヴィッド・ウルマン
<キャスト>

エデン・ラウントゥリー 
パオロ・パグリアコロ
アリソン・ライト
ボビー・ソベル 
ジョー・マリーノ
トラヴィス・J・メイノルフ
エドワード・ウィンロ
エリザベス・ヴァレリオ


■舩橋淳監督プロフィール

1974年大阪生まれ。東京大学教養学部表象文化論科卒。ニューヨーク、スクール・オブ・ビジュアルアーツ大学映画学部にて映画製作を学び、数本の短編映画を作る。中でも、It Happens (1998), Talkie & Silence (1999)は、カナダ、アメリカの数々の国際映画祭に招待を受けた。自主製作で完成させた初の長編映画「echoes エコーズ」は、アメリカ人社会をユニークな視点で見つめ直した作品として、アメリカ、ヨーロッパの映画祭でも注目を集めた。現在、ニューヨークを舞台とした次回作を執筆中。


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