FILE30:フィリピン発『母と娘』
 2003年4月12日(土)、新宿武蔵野館2・3・4にて独占ロードショー!!

 歳月が引き裂いた母と子の絆を、再びつなぐことはできるのか…。フィリピンで大ヒットを記録、すべての興行記録を塗り替えた国民映画『母と娘』、いよいよ日本公開!
 フィリピンの歌手、フレディ・アギラーの「ANAK」(アナック)は70年代末に世界的なヒットとなり、日本でも加藤登紀子と杉田二郎がカバー、今も彼らの代表曲に名を連ねている。この名曲を映画化するというプロジェクトが20年を経て立ち上がる。

完成したこの『母と娘』(原題:ANAK)は、あらゆる記録を塗り替えるフィリピン映画史上最大のヒットを記録、まさに「国民映画」となった。
 家族のために自身を犠牲にしてきた母。反抗する娘に真正面から向き合い、家族の絆を再生する姿に、人々は涙と喝采を贈った。人間の真の強さと母親の愛の尊さを描いたこの映画は、フレディ・アギラーの「ANAK」同様、広く人々の心を打ち続けることだろう。
 主演のヴィルマ・サントスは、70年代末からトップ女優の座につき、あらゆる演技賞を手中にしてきたフィリピンを代表する大女優(1953年生)。現在はマニラ近郊のリポ市の市長であり、上院議員を夫に持つ。

 監督のロリー・B・キントスは本作が7本目の映画。この映画は、実際に子どもをフィリピンに残して働く多くの海外労働者にリサーチし、実話で構成したという。テレビ出身で、現在も連続ドラマの演出を手がけている。なお、フィリピン映画の本格的日本公開は、『ホセ・リサール』(マリルー・ディアス=アバヤ監督)に次いで2作目となる。


■ストーリー
子を想う母の愛は、時として子供には届かない…。
 香港で家政婦として働くジョシー(ヴィルマ・サントス)には3人の子供がいた。長女のカーラ(クラウディン・バレット)、長男のマイケル(バロン・ゲイスラー)、そして次女のダダイ(シェイラ・モー・アルヴェロ)。彼らはジョシーの支えであり、彼女のすべてだった。

 貧しさから抜け出すため、何度も香港への出稼ぎを繰り返し、これで最後にしようと渡った香港で6年の月日が過ぎ、夫の死にも戻ることが出来なかったジョシーにようやく帰国の日が訪れる。優しい性格のマイケルや幼いダダイとは異なり、長女のカーラは家族を置き去りにして異国で働いていた母を憎んでいた。しかし彼女が事故死した夫の葬儀に帰れなかったのには、ある理由があったのだ。母と娘の葛藤は、真の理解へと結実するのだろうか…?


■スタッフ&キャスト

○ スタッフ
監督 ロリー・B・キントス Rory B. Quintos
脚本 リッキー・リー Ricky Lee レイモンド・リー Raymond Lee
撮影 ジョー・バタック Joe Batac
音楽 ジェシー・ラサテン jessie Lasaten
録音 ラモン・レイエス Ramon Reyes
編集 ジョージ・ジャーレゴ George Jarlego
美術 ヌエル・ナヴァル Nuel Naval
製作 スター・シネマ・プロダクション

主題歌 シャロン・クネータ Sharon Cuneta
主題歌作詞作曲 フレディ・アギラー title song written by Freddie Aguilar

配給 オフィスサンマルサン、ツイン
共同提供 キネマ旬報社

○ キャスト
ジョシー:ヴィルマ・サントス Vilma Santos
カーラ:クラウディン・バレット Claudine Barretto
マイケル:バロン・ゲイスラー Baron Geisler
ダダイ:シェイラ・モー・アルヴェロ Sheila Mae Alvero
ルディ(父):ジョエル・トーレ Joel Torre
リン:エイミー・オーストリア Amy Austria
メルシー:チェリー・パイ・ピカチェ Cherrie Pie Picache
ブライアン:レアンドロ・ムエオス Leandro Mueoz

ロリー・B・キントス Rory B. Quintos
フレディ・アギラー Freddie Aguilar
ヴィルマ・サントス Vilma Santos
クラウディン・バレット Claudine Barretto


■DATA

原題:ANAK
2000年
フィリピン映画
タガログ語
カラー
ドルビー
120分
35mm/6巻
ビスタ(1.66)
■日本版公式サイト> http://www.twin2.co.jp/anak/index.html


■映画大国フィリピン

 フィリピンはインドに次ぐ映画大国といわれ、90年代からは減少傾向が続くが、それでも年間100本以上が作られており、映画は大衆娯楽の王様で有り続けている。

 マニラには現在約200の映画館があり、フィリピン全体では約1,000館といわれている。入場料金は100円程度。ショッピング・モール内にあるシネマ・コンプレックスでは、ハリウッド映画とフィリピン映画がほぼ半々の割合で上映されているという。作品傾向は伝統的にアクション映画が多いが、現在ではより多様な作品が作られるようになっており、特に本作のロリー・B・キントス監督のような女性監督の活躍も著しい。

 中でも2001年に第12回福岡アジア文化賞を受賞したマリルー・ディアス=アバヤ監督は、アジアフォーカス福岡映画祭の常連監督として新作は必ず上映され、『ホセ・リサール』は劇場公開されるなど、日本でもよく知られた存在。国民的英雄の生涯を描いた『ホセ・リサール』は、『母と娘』に抜かれるまではフィリピン史上最大のヒット作となった。

 アメリカ、イギリスに次いで世界で3番目に英語を話す人口が多い国フィリピンでも、人々は自国のタガログ語映画を愛し続けているのだ。


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