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デジャヴの連続?第61回プライムタイム・エミー賞

去る日曜日、残暑厳しいロサンゼルスはノキア・シアターにて行なわれた第61回プライムタイム・エミー賞。炎天下のレッドカーペットには、今日のアメリカンTVを彩るホットな俳優達が大集合しました。各受賞者や式典の模様など、2009年度のエミー・アワードを振り返ります。



       ノキア・シアター前の巨大スクリーンより
      Photo by AndrewGorden on Flicker

米テレビ芸術科学アカデミー (ATAS: Academy of Television Arts and Science)は、アメリカテレビ界の一大祭典。音楽のグラミー賞、舞台のトニー賞に並び、「TVのアカデミー賞」として知られています。先週には本式典に先駆け、技術部門のクリエイティブ・アーツ・エミー賞が発表されました。今年のセレモニー司会に抜擢されたニール・パトリック・ハリスは、コメディ・ドラマ”How I Met Your Mother (CBS/原題)”に出演中で子役時代より活躍している人気俳優。オープニングのレビューでは見事な歌唱力を披露しており、アクターとしてのみならずエンターテイナーの顔も覗かせるホストっぷりが好評だったようです。


3時間に渡るセレモニーは、同ドラマを抱えるCBSにて全米放映。各賞発表以外の主なステージとして、婚約から一転して破局を迎えた”Dancing with the Stars (ABC)”出演ダンサーのマクシム・チャマーコフスキーとカリーナ・スミアノフの元カップルらによるパフォーマンスと、追悼モンタージュをバックに”I Will Remember You”をしっとりと歌ったサラ・マクラクランのみでしたが、先週の話題をさらった「新カニエ語録@MTV VMA」がしばしばネタにされるなど、笑いの要素もふんだんに盛り込まれた式典となっています。もちろん、今や様々なセレモニーの常連プレゼンターとなった英国俳優リッキー・ジャーヴェイスも登場。元祖”The Office (英: BBC / 米: NBC)”の主役として米版メインのスティーヴ・カレルをいじる「お約束」も忘れずに、シニカルな笑いを誘っておりました。




      こちらが黄金に輝くエミー像の現物

2009年度は、各受賞者/作品の発表はコメディ・リアリティー・TV映画&ミニシリーズ・バラエティ&音楽/ドラマの5ジャンル毎に変更。そのうち、主要となるドラマ/コメディ作品賞がトリを飾る順番でアナウンスされています。今年はNBCの”30 Rock”が史上最多の22部門に、それを追うAMCの「マッドメン (邦題)」が16部門にノミネート。結果、前者は3年連続、後者は2年連続での作品賞獲得となりました。また、ドラマ部門主演女優賞のグレン・クローズ (“Damages (FX)”)、AMC局の”Breaking Bad”よりブライアン・クランストンが同主演男優賞にそれぞれ2年連続で輝くなど、一瞬デジャヴかと思わされる受賞が続いています。



その一方、他の部門では見ていてエキサイティングな番狂わせが目白押し。”30 Rock”の主演女優/製作を務めるティナ・フェイを破ってコメディ部門主演女優賞を持ち帰ったトニ・コレット (“United States of Tara (Showtime)”)、同助演女優賞に選ばれた”Pushing Daisies (ABC)”のクリスティン・チェノウェス、「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ (CBS)」のジョン・クライヤー (コメディ部門助演男優賞)、人気シリーズ「24 (FOX)」よりドラマ部門助演女優賞を獲得したチェリー・ジョーンズらは、それぞれ初のエミー賞となっています。また、”30 Rock”メインのアレック・ボールドウィンは作品賞と同様に3年連続でコメディ部門主演男優賞を納得のゲット。そして、来年いよいよ最終シーズンを迎える「LOST (ABC)」のマイケル・エマーソンは、本作初の同助演男優賞を持ち帰り、2つめのエミー・トロフィーを数えています。


その他、現在大人気のリアリティー部門では「サバイバー (CBS)」司会のジェフ・プロブストが、ハイディ・クルム (“Project Runway (現Lifetime)”)やトム・バージェロン (“Dancing with the Stars (ABC)”)らを抑えて最優秀ホスト賞をこれまた2年連続で受賞。同カテゴリーでは、同じくCBS局のゲーム形式シリーズ「アメージング・レース」がコンペティション作品賞に、プログラム賞には様々なアディクション=常用のリハビリを行なうシリアスなリアリティ番組”Intervention (A&E)”が選ばれています。


セレモニーの最中に司会のハリスらが「TVの衰退」をジョークにするなど、インターネットの脅威にさらされつつあるアメリカン・テレビ業界。けれども、こうしてエミー賞を見ていると、華やかなスター達による競演&好演や秀逸なシリーズの数々など、改めてテレビの面白さを再確認できたような気がします。これからも、新番組を含めて気になる作品/番組をどんどんご紹介していきますので、お楽しみに。以下のプライムタイム・エミー賞のウェブサイトからは、全受賞リスト他をご覧いただけます。


【61st Primetime Emmy Awards公式HP】




TEXT BY アベマリコ


2009年09月24日 15:33

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