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年代別: 映画ファンとテクノロジーの関係は?

我々の生活に、インターネットや携帯電話などのデジタル・メディアがガッツリと浸透している今日。先頃、そうしたITガジェットと各世代の映画ファンの行動に迫ったリサーチが発表されました。年代別に分けられたこの結果、読者の皆さんにも当てはまりますか?



    近年アメリカで人気のタッチパネル携帯

この度、マーケティング会社Stradella Road が発表したリサーチは、実際に映画館を訪れていたティーンエイジャーから50歳以上のランダムな老若男女計3582名にアンケートを募ったもの。うち43%は現地のシアターにて、残りはオンラインや電話によって結果が集計されており、Google / Yahoo / Microsoft / AOLといった大手IT企業も今回のリサーチに協賛しています。焦点は観客達が常日頃どのようにITガジェットを利用しているのか、その使用頻度や内容などなど。年代が違えば利用目的もガラリと異なり、それぞれの層がいかに映画の情報収集を行なっているかが明らかになっています。結果を見てみると、どの世代もかなりの割合でインターネットや携帯電話に頼っている様子。これまでTVコマーシャルや新聞広告から新作映画情報を収集していたところ、現在ではSNSのTwitterやFacebook、YouTube特設チャンネルやスタジオ独自のHPブログに自らアクセスしている人々が多く見受けられました。


まず最年少枠となるティーンにとっては「ソーシャル・ネットワーキング」が全て。最もSNSの利用頻度が高く、携帯電話のテキストメッセージの送信回数もズバ抜けて多くなっています。そんな「友達と繋がっていたい」彼らは、映画を観に行く際にも90%近くが3人以上のグループで出掛けているとのこと。逆に一般的なサーチエンジンの利用頻度は最も低くなっており、大人数を映画館に運び込んでくれる彼らに対する映画PR戦略は、積極的なSNSへの参加や携帯電話へのメッセージ送信が有効と見られています。


年齢層が18歳から29歳に上がると、ITガジェットの利用方法は更に多様化。最も積極的にオンラインでサーチをかけ、情報収集に余念が無い世代のようです。SNSの利用度は高いながら、ティーンが頻繁に行なうチャットの回数は激減。興味のあるコンテンツのみにアクセスしながら、Rotten TomatoesやMetacriticといった有名映画批評サイトで新作をマメにチェックする傾向にあるようです。彼らにとってのデジタル・メディアは、コミュニケーションツールというよりも情報収集がキーポイントといったところでしょうか。ちなみにこの世代の多くは、カップルや少人数で映画館に出掛けている模様です。



どのマーケティング戦略でも「最も自由に使えるお金がありながら、費やす暇が無い世代」とされる30代は、やはり映画館に行く時間もなかなか取れない様子。また、デジタル・メディアに慣れ親しんだ年齢層ではありますが、SNSやビデオストリーミングにアクセスする機会は少なくなってくるようです。また彼らが家庭を持ち始めると、そういったコミュニケーションの機会は更に激減。しかし、ブロードバンド・インターネットや多機能携帯電話、DVRなどの所有率/利用頻度が最も高い為、バナー広告などでの地道なマーケティング活動が有効な年齢枠と見られています。


デジタル・メディアに触れる機会がありながら、新聞/雑誌/TVなどのよりオールドファッションな媒体を好む40代は、今回のリサーチにおける「推移世代」だそう。インターネットを利用する傍ら、若干新しいテクノロジーに消極的な彼らは、SNSなどのアカウントを持ちながら、最もアクセスや更新の頻度が低い世代との結果が出ています。また、多くが我が子を最優先する傾向にあり、映画に関しても子供達が好む新作を中心に鑑賞している人々が多い模様。よって、キッズにアピールするPRを行なえば、40代を取り込むことが出来るとの見方がされていました。


キッズが手を離れ始める50代は、20代のようにカップルや少人数で映画を楽しむ「リターン層」だそう。しかし、彼らの子供達と違ってデジタル・メディアにはあまり精通しておらず、97%があくまでインターネットは情報収集のツールと見なしているようです。よって、ビデオストリーミングやSNS、ブログなどへの参加にも消極的。どの年齢層よりも、新聞やテレビなどの媒体を好み、多く利用する世代だそうです。


今回のリサーチは、あくまでアメリカ国内の集計結果。同じ世代でも国別でバラつきがあるかと思いますが、皆さんは各年齢層と似た傾向にありましたでしょうか?全体的に、14%が新聞広告から新作映画情報を得ている一方で、44%もの観客がインターネットでチェックしているとか。eigafan.com Fromハリウッドでも、新作映画情報や最新ハリウッドニュースを続々とご紹介していきますので、今後もお楽しみに!




TEXT BY アベマリコ


2009年10月08日 10:19

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