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あのハプニングから復活: The 27th MTV Video Music Awards

昨年の「カニエ事件」から早1年、今年もこの一大イベントの季節が到来。先の日曜日に行なわれたMTV Video Music Awardsは、去年の出来事も相まって例年以上の盛り上がりを見せることとなりました。コメントが期待されていたカニエ本人はもちろん、次々と奇抜なお色直しを見せたレディ・ガガの一挙手一投足まで、今年のVMAsをまるごとお伝えしていきます。


  計8部門をさらった今年の主役はレディ・ガガ 
    Photo by NaomiLir on Flickr

音楽専門チャンネルとしてスタート以来、今や多数のヒット・シリーズを抱えるMTVが毎年主催しているVMAsことMTV Video Music Awards。その年に発売され最も人気のあったミュージック・ビデオを讃えるセレモニーとして、その豪華なゲストや充実のパフォーマンスから人気が高くなっています。昨年のNYCでの開催から数年ぶりにLAはNokiaシアターに舞台を移した2010年度、実に16年以来となる女性司会に大抜擢されたのは、自身の冠番組”Chelsea Lately (E!/原題)”を持つチェルシー・ハンドラー。お騒がせセレブリティ達を片っ端から一刀両断する辛口トークで著名なTVパーソナリティです。この日、イベント関連には欠かせないパリス・ヒルトンが欠席したのも、どうやら先日のコカイン所持逮捕をネタにされるのを恐れてとのこと。そんなハンドラーはオープニング・クリップにて今をときめくリンジー・ローハンと共演、一連の刑務所やリハビリ入りまでの騒ぎを自虐ネタにしたローハンには爆笑と拍手が起こりましたが、その後もハイテンションでFワードや下ネタを繰り広げたハンドラーには、終了後に方々から「品がない」と普段とは逆の立場となって辛口コメントを頂戴してしまったと報じられています。

オールドスクールな出で立ちでオープニング・アクトに登場したのは、最新ナンバー「Not Afraid」が好調、事前に8つのノミネートを受けていたエミネム。歌姫リアーナとのデュエットを終えると、ツアー準備の為にNYへと飛び立ってしまいましたが、しっかり2つの宇宙飛行士型トロフィーを獲得しています。またデビュー以来、母娘2世代からの人気を博しているジャスティン・ビーバーが、Nokiaプラザ前にて大勢のファンに囲まれながらヒット曲「Baby」と「Somebody to Love」を熱唱すると、更にはドラムの腕前までも披露。そんな彼が師匠と仰ぐアッシャーに至っては、ステージ狭しと「DJ Got Us Falling in Love Again」と「OMG」のメドレーをMJ顔負けのダンスとともに熱唱しています。その他にも昨年の「被害者」であり、ステージ・セットのテレビにあの日の映像を流したテイラー・スウィフトを始めとして、メアリー・J. ブライジやドレイク、B.o.Bやリンキン・パークら新旧の人気アーティスト達が、PVに勝るとも劣らないステージで観客を魅了。例年を凌ぐ勢いで、充実のパフォーマンスが続々と披露されました。そしてトリに登場は、昨年スウィフトの女性アーティスト・ビデオ受賞スピーチ時に乱入し、ビヨンセを推す…という非常識極まりない行動でヒンシュクを買ったカニエ・ウェスト。2時間放送の最後まで引っ張った割にはこれといったコメントもなく、ステージ終了時にはカニエ・コールとブーイングが入り乱れる事態となっておりました。

そして今回の主役となったのは、エミネムを凌ぐ最多13部門にノミネートを果たしていたレディ・ガガ。エレン・デジェネレスより女性アーティスト・ビデオ賞を受け取った際にはピーコックのようなヘッド・アクセサリーを合わせたゴールド基調のドレス、人気ミュージカル・ドラマ”Glee (FOX)”のキャストよりポップ・ビデオ賞を授与された時にはカラス並みのブラックドレス、そして御年64歳!にしてシースルーのボディ・スーツにビキニといったガガに並ぶ強烈なコスチュームで登場のシェールにアナウンスされた年間ビデオ賞では、全身にも頭にも真っ赤な「生肉」を模したドレスで、シルバーに輝くムーンマン・トロフィーを受け取っておりました。昨年の新人アーティスト賞に引き続き、この最も栄誉あるアワードを獲得したガガは、舞台にてニューアルバムのタイトル「Born This Way」を発表。すでに左の太腿には、このメッセージとユニコーンを模したタトゥーが入っているのだとか。いつも我々を驚かせてくれる彼女には、ピッタリのフレーズと言えます。

第27回MTV Video Music Awards: 主要部門受賞リスト
年間ビデオ賞: レディ・ガガ “Bad Romance”
男性アーティスト・ビデオ賞: エミネム “Not Afraid”
女性アーティスト・ビデオ賞: レディ・ガガ “Bad Romance”
新人アーティスト賞: ジャスティン・ビーバー “Baby”
ポップ・ビデオ賞: レディ・ガガ “Bad Romance”
ロック・ビデオ賞: サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ “Kings and Queen”
ヒップホップ・ビデオ賞: エミネム “Not Afraid”


カニエとスウィフトのニアミス見たさか、はたまたガガ&シェールという新旧ディーバのコラボ見たさであったのか、本年度VMAsの視聴率は平均1140万人と、昨年比27%アップを記録。これは遡ること8年前、MJことマイケル・ジャクソンが出演した2002年以来のベストとなりました。音楽業界にも不況が叫ばれる中、以前はTV画面ではなかなかお目にかかれなかったアーティストが登場してくれるのは、ファンにとっては転じて嬉しいボーナスといったところ。今後も、彼らの幅広い活躍が期待したいと思います。



TEXT BY アベマリコ

2010年09月16日 10:33

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