« Pray for Japan: 海外スター達から寄せられる日本への祈り | メイン

東日本大震災を受けたハリウッドの反応

発生から引き続き、アメリカでもブレイキング・ニュースで常時伝えられている東日本大震災とその余波。大打撃を受ける日本映画界はもとより、ハリウッドのエンターテインメント業界や各映画スタジオサイドにも、様々な影響が及ぼされています。


  世界各国から上がっているJAPANリリーフの声。
  Photo by Dominic’s pics from Flickr
日本史上最大とされるM9.0を記録した大地震とそれに起因した原発事故は、被災地ならびに首都圏にまでも大きな被害をもたらしていますが、それに伴って日本国内の映画ビジネスにも多大なる影響を与えています。まず地震発生から3日後には、現在アメリカ国内で高い集客率を収めている「アジャストメント」と同じく、マット・デイモンが主演を務める「ヒアアフター」の上映中止が決定。2004年に起こったスマトラ沖地震での津波の再現映像を考慮して、自粛措置をとるかたちとなっています。また、同じく今月末に公開予定であった中国作品「唐山大地震 ―想い続けた32年―」も、タイトルになっている76年の唐山大地震をリアリスティックに描写していることから、上映延期を断行。その間、「ヒアアフター」のクリント・イーストウッド監督は、すでに米国内にて発売中の同タイトルDVDおよびブルーレイディスクの収益の一部を、日本赤十字社を通して東北地方の被災地へ寄付する旨を発表しており、その額はおよそ1万ドルにも及ぶ見通しとなっています。そして「唐山大地震 ―想い続けた32年―」のフォン・シャオガン監督も、ご自身で同被災地への50万元の寄付をするとの声明を出されました。

その他、全米ではすでに封切られている「世界侵略:ロサンゼルス決戦」、アンソニー・ホプキンス主演の「ザ・ライト ―エクソシストの真実―」といった、一見して震災とは無関係と取れる内容のタイトルも、大量破壊などの過激な内容や映像から、公開そのもののキャンセルや延期が相次いでいます。そして、ここハリウッドでも地震発生後からの週末Box Officeは奮わず、昨年度の同時期に比べると世界的に60%の落ち込みとなりました。

日本の映画市場は全世界総興行収入の約10%を占めると言われており、2010年度の国内収益はおよそ25億ドルと、ハリウッドへの影響力は絶大。日頃、他の国々と比べてかなり多くのハリウッド・スターが続々と来日しているのも、人口比率に対して大きなマーケットが見込めるという理由から成っています。したがって、余震を警戒しての安全措置や計画停電の結果として、全体より約16%の日本国内の劇場が休業もしくは間引き営業をやむなくされている現状に、在米スタジオ関係者らも対応に追われている模様。スレート(予定表) にある年間ラインナップをまるでパズルのように組み替えるのは、遡ること2009年に発生した豚インフルエンザなどの緊急事態を過去に経験しているベテランにしても至難の業だとか。1本でも上映日に動きがあると、年内いっぱいから翌年度までの全作品の日程変更を余儀なくされてしまうといった懸念も上がっているようです。

冷え込みが未だ続く被災地で避難生活をされている方々、そして原発事故周辺の危険地域にて作業や救援活動を行なっている隊員の皆さんを思うと、なかなか娯楽と見なされがちな映画を鑑賞する気が起きないという声も多数聞こえてきます。けれども、敢えてこんな時こそ長い目で見て、不況や苦境に強いとされるエンターテインメント界を盛り上げ活性化させていくことが、震災を免れた我々が出来ることのひとつなのではないでしょうか。From ハリウッドではこれからも、今だからこそ「心の潤い」となってくれるような作品をご紹介していきたいと思います。


TEXT BY アベマリコ

2011年03月24日 13:09

この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/2537

 
東宝東和株式会社