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『デス・レース』より ~レースカーについて~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
前回に引き続き、今回も11/29(土)公開の
アクション超大作『デス・レース』から。
 
狂気のデザイン——レースカーについて
 
 アンダーソンとオースタベリーはこの作業を始めるに当たって、二人のコンセプト・イラストレーターに依頼した。「まず、レース中の闘いのさなかでも、すぐに判別できるような、それぞれが異なったシルエットを持つ車」であり、「それから、幅広い年齢層にアピールする車」ということである。
 これらの車の工業デザインは、犯罪者たちが組み立てたゆえに、向こう見ずで、常軌を逸した美的センスから生まれている。そして、どの役者も、ナパーム弾、亜酸化窒素タンク、射出座席が装備されたそれぞれの車が大好きだった。エイムズとして運転するステイサムの車は、ザ・モンスターとして知られる装飾過剰の2006年型フォード・マスタングGTだが、3/4インチ鋼のトゥームストーン・テール、毎分3000発を発射する2丁のミニガンを装備しており、彼は鼻高々で、「マスタングといえば、アメリカを代表する大排気量スポーツカーだ。その写真を見るだけでどんな男でもぐっとくるのに、こいつのボディに隠された性能ときたら…」という。

 マシンガン・ジョー役のギブソンが運転するのは、武装して、装甲プレートで防御した2004年型ダッジ・ラム1500 Quad Cab 4WD だ。彼のピックアップトラックは武装ヘリコプターから奪ったバルカン機関砲を搭載しているので、他のどの車よりスピードが遅いが、どれよりも重い。「まったく巨大な金属の塊だし、それも道理さ。おれはムショきっての乱暴者だから、いちばん大きな車に乗ってるってわけだ。」とタイリース・ギブソンは笑う。
 
レースカーの製造
 
 レースカーは約8週間を掛けてのコンセプト・設計の後、モントリオールの製作所で車の組み立てとセットアップに取りかかった。特殊効果の責任者ジェイソン・ハンセンと、撮影用車両メカニックのブライアン・ウェルズとそのスタッフたちが、30台以上のベースカーの外装を剥がし、撮影用に改造しはじめた。「はじめに、ABS、エアバッグなど、余分な装備をぜんぶ外して金属の塊にしてから、ロールケージや、レーシングシートを取り付けていくんだ。次に、特殊効果チームに交代して、彼らが車体の製作をすることになる」
 
 これら機械の塊を撮影用車両にするためには同時にコンピュータによるハイテクな処理も行わなければならない。「手持ちの3Dスキャナ(アンディ・スキャンという名前で知られている)で、この車そのものをスキャンするんだ。様々なボディ上の付加物は、最初この3Dモデリングデータ上で配置される。3台の光学カメラと3カ所のレーザー光を使って、スキャンする表面のあらゆる点をカバーできるので非常に正確な作業が可能だ。重さは3ポンドで、コクピット内でもどこでもスキャンできるんだ。」と特殊効果デザイナーのジャン・マーチン・デスマレー。
 その後、メカニックや車体製作者たちが一台について約6週間の作業時間をかけて、すべてのレースカーを製造する。多くの装備は重量を考慮して作られるが、ダッジラムなどはそれでもサスペンションを換装する必要に迫られた。「荷重1500ポンドから、1トンの後輪二重車軸へ取り替えた。そして、装甲、マシンガン、過重な銃架などなど、ほぼ2500ポンドの重量をトラックの荷台に載せた。後部の砲だけで約800ポンドもあるからね。」
 撮影では合計34台の車両を使用した。その中には6台のマスタング、5台のダッジ・ラム、4台のポルシェ、3台のジャガー、3台のBMW、それに各車各様の3台のビュイックが含まれる。11台の主要レースカーと、いくつかのエキストラ・カーを描写することになった。

 そして他を圧して騒々しいのは、ヘネシーのザ・ドレッドノートだろう。この刑務所長が単純に破壊と視聴率アップのために製作を命じた怪物を兵器係責任者チャールズ・テイラーが語る。 
「車の前面には機関車のような排障器がついていて、ボンネット上にM3高速.50口径マシンガン2台が載っている。スリーパーキャブの中には、M134ミニガン2台、屋根には前部に.50口径マシンガンと、真ん中にも.50口径マシンガンを装備している。車体の下面には火炎放射器。後部には76ミリ砲を備えた戦車砲塔にはPKMマシンガンを搭載。この怪物がライトを点灯し、すべての砲を発射し、火炎放射器を使うと、たまげるなんてもんじゃない。その装備は兵器庫をまるまる載せたようなもの、走る地獄だね」
 
“エンジン付きのグラディエーター”さながらのド迫力で、
スクリーンの中を暴れまわるモンスターカーを要チェックです!!


【デス・レース公式サイト】

11/29(土)、有楽座ほか全国ロードショー
※本作はPG-12指定です
(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
 

2008年11月17日 14:30

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