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『ロビン・フッド』~中世の生活と城を再現~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、まるで12世紀のイングランドにタイムスリップしたような風景に目を見張る
12/10(金)公開の『ロビン・フッド』から。

中世の生活と城を再現

 リドリー・スコット監督と長年コンビを組んでいるプロダクション・デザイナーのアーサー・マックスは、中世イングランドの村の生活に加え、壮大な城郭もできるだけ正確に再現するという大仕事を請け負った。リサーチのため、彼とスコットは博物館や図書館で資料の山に当たり、ほぼ中世の面影を残しているピレネー山脈の村々にまで足を伸ばした。さらに2人は、ピーター・ブリューゲル父子の絵画も参考にした。映画の背景と時代は違っているが、悲惨な困窮生活の雰囲気をよく感じさせてくれたからだ。

 こうした調査を元に、マックスたちは、サリー州ギルドフォード近隣のハンプトン・エステートにノッティンガムの村のセットを建設した。オークの古木となだらかな野原に彩られたその土地は、松林や小川、湿原にも恵まれ、スコットに撮影アングルの選択肢をふんだんに与えたが、そこにマックスはノッティンガムの村全体を築いた。彼らが建築した50以上の建物は、ほとんどが藁ぶき屋根と丸太と網代編みを使った粘土の構築物だった。それらの建物は、穀物倉庫や居酒屋、納屋、教会としてまず村の広場の周りに建てられ、それから大小様々な家々や掘立小屋が周辺に広がるように建てられた。ディテールにこだわる美術チームは水車の粉ひき場を作り、果樹園に木を植えて何カ月もかけて育てた。

 ボーン・ウッズの森は、バーンズデイルやヨーク、ピーターバラといった北方の村々の代役をつとめると同時に、冒頭でイングランド軍が攻めるフランスの城の建設地にもなった。「その城は、シャールース城があった地域の実際のフランスの城に基づいている」と語るマックスは、伝統的な足場と石膏を使って城を建設。当時のイングランド城を手本に石積み工事を行い、その構造物が風圧に耐えるだけでなく、地盤となる丘の中腹を崩壊させないように神経をつかった。

 その他、サリー州ではヴァージニア・ウォーターにロンドン塔のロイヤル・ドックを建設し、ロビンがアリエノールの元へ獅子心王リチャード1世の王冠を届ける場面を撮影したが、その他のロンドン塔やロンドンのセットはシェパートン・スタジオに建設された。

 ロンドン塔の屋内は、シェパートンのサウンド・ステージに建てられたが、そのセットは、イギリスに現存する城を調査した際、スコットやマックスたちが目にした各部屋の配置や形を参考に作られた。

 さらにシェパートンには、マリアンとウォルター・ロクスリーが住むペパー・ハロウの屋内も作られた。美術チームは、シュロップシャー州で見学した13世紀の荘園領主館を参考に、このセットをゼロから作り上げ、それをオックスフォード・ファームというサリー近辺の領主館の外観と組み合わせた。そして全体をひとつにまとめるために、既存の建物の他に、納屋をいくつかと防衛用の門、数棟の掘立小屋、2台目の水車を追加してペパー・ハロウを完成させた。

美術スタッフの綿密な調査と現存している中世の建築物を参考に再現された、
見事なセットにもぜひご注目ください。


【ロビン・フッド 公式サイト】

12/10(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー!

(c) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年12月03日 13:21

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