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いよいよファイナル 英国版「The Apprentice」

女性ふたりの一騎打ちファイナル

 シリーズ2作目になる「The Apprentice」 http://www.bbc.co.uk/apprentice/ もそろそろファイナル。個性派ぞろいだった昨年度版に比べると、出演者が全体的にパワーダウンしている感は否めないが、相変わらず、人気のあるリアリティショーである。
 今年は女性ふたりをファイナリストに残す展開となった。両親を早く亡くし、15歳のときから兄弟の面倒を見てきたというミシェルと、育ちはよさそうだけど、とにかくアグレッシブなルースの一騎打ち。
 個人的には、ユダヤ人実業家で自身もカウンシル育ち(生活保護者用の政府住宅)のサー・アランが好きな“苦労人タイプ”のミシェルが本命のような気もするが、クラスに一人はいる性格が悪くて無意味に気が強いルースも捨てがたい。友達には絶対になりたくないけれど…。
 ところで、今回の「The Apprentice」では、サー・アランの「人選がおかしいんじゃないの」という疑問が視聴者から多く寄せられたらしい。私自身も、何度か「そいつじゃなくて、こっちを落とせよ!」と突っこみたくなった場面もたびたび。応援していたティアン(ベトナム人)の“ビジネスでは常に前進ばかりする必要はない。いったん、何歩か下がってそれからまた進んでもいいんだ”というような発言に、「そんなのは負けだ!」とすげなくアランが言ったときには、「そんなこと言ってて、あんたの会社、大丈夫なのと思ったほどである。

強力なアメリカ版リアリティショー

 さて、この「The Apprentice」を始め、アメリカでヒットしたものをイギリスでリメイクしたTV番組というのは、いくつかある。反対に、生活環境の違う夫婦の奥さんを2週間だけ交換する『ワイフ・スワップ』や素行の悪い子供をしつけなおす『スーパー・ナニー』、スター発掘オーディションの『アメリカン・アイドル(英版はポップ・アイドル)』のように英→アメリカでリメイク、という図式も多い。
 これらのリメイク版もこちらで放映される機会は多いのだが、番組の構成は同じでも、英・米では・・・何かが圧倒的に違うのが、おもしろい。
 特に『ワイフ・スワップ』の場合は、アメリカの奥様の毒舌、正しいのは常に自分で、相手を徹底的に批判する態度には、唖然とさせられる。イギリス版でも、夫婦の見解の違いで言い争いが起こったり、時には番組が中座したりすることもあるが、まだ「相手の話を聞くフリ」があるだけ、マシなような気もする。「The Apprentice」を始め、どのアメリカ版リアリティショーにも言えることだが、出てくる人出てくる人みんなが、「これってやらせだよね?」と思わずにいられないくらい、強烈なのもイギリスとは対照的。これぞ、お国柄ということなのだろうが、見ていて安心感のあるイギリス版は、やはりパンチに欠けるような気もしなくはない。

 ウワサによれば、英国風を売りにして成功した米のカリスマ主婦、マーサ・スチュワート(逮捕歴有)の「The Apprentice」も、近々イギリスで公開されるらしい。かなり恐ろしい番組になりそうだが、怖いもの見たさ、でついついチャンネルに手を伸ばしてしまいそうだ。

TEXT BY シラヤナギリカ

2006年05月11日 13:33

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