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TV界は中間期に突入: アメリカン・ドラマの新シリーズ

秋頃がメイン改編期とされるアメリカのTV業界では、現在「ミッドシーズン」真っ只中。特に今時分からこの先1ヶ月は、新シリーズが続々とお披露目されます。そこで今回は、これまでの各局の動向を交えながら、この春のラインナップをご紹介。近年日本でも人気を集めているアメリカン・ドラマの数々、注目作品を先物買いしちゃいましょう。


 ティム・ロスの渋さが評判の”Lie to Me”





ちょうど1年前、アメリカのテレビ業界は稀に見る「氷河期」に突入。昨年2月まで続いたWGAストライキの影響をモロに受けて、全体的な視聴率は下降の一途を辿っていました。その頃に比べると、今日の成績は各局ともに上々。中でも、年始から3月まで最も視聴率を稼いだCBSは、昨年同時期から30%のアップをみせています。








一方気になるのは、社会現象を巻き起こしたアイドル発掘番組”American Idol (原題)”を抱えるFOXの低迷ぶり。他局にとって脅威だった当番組は今年1月に第8シーズンが始まりましたが、ここに来て数字を落としています。

昨秋のメイン改編期にスタートした新シリーズは、各局どこも苦戦気味。唯一、CBSの犯罪ドラマ”The Mentalist”が固定ファンを獲得していますが、イギリスBBCヒット作のリメイク”Life on Mars (ABC)”、クリスチャン・スレーターの主演が話題を呼んだサスペンス”My Own Worst Enemy (NBC)”などは、イマイチ波に乗り切れていない様子です。

映画スターのティム・ロスが行動学の権威に扮する”Lie to Me (FOX)”は、このミッドシーズンにスタートを切ったシリーズの中ではかなり健闘中。今月9日に始まったばかりの推理ドラマ”Castle (ABC)”も、同日同局にて第8シーズンに突入した「芸能人社交ダンスバトル」”Dancing with the Stars”の後番組だったことも手伝ってか、相応の視聴率を獲得しています。


一方、前評判の高かった”Kings (NBC)”と、FOX局のSFドラマ”Dollhouse”の初回放送は、やや苦しい出だしになったようです。


 初回2時間放送は
 視聴者600万人に終わった”Kings”

そして今週よりスタートするのは、ABCのシットコム”Better Off Ted”。同局はウェブ・シリーズのスピンオフ作品”In the Motherhood”や、ラブコメ”Cupid”を月末に控えるほか、4月の”Surviving Suburbia”とコメディ・ドラマで勝負をかける模様です。ABC局は日本でも放映中の「アグリー・ベティ」や「サマンサ Who?」など、近年はコメディ作品で当てています。

サスペンスやコメディが多く並ぶ中で、異彩を放つのがCBSのホラー/ミステリー作”Harper’s Island”。こちらは、4月9日からの放送が待たれています。第2の「LOST (ABC / 邦題 )」となるでしょうか。

9月前後のメイン改編期に各局がぶつけてくる自信作が、そのシーズンの最終話 (シーズン・フィナーレ)を迎えることになるミッドシーズン。よって、この時期に充てられるドラマはパッとしないのでは?と思われがちですが、実はさまざまなヒット作が生まれているのです。

「ER緊急救命室 (NBC)」に並ぶ医療系ドラマの地位を確立した「グレイズ・アナトミー (ABC)」も、ミッドシーズンに開始された1本。更には、リッキー・ジャーヴェイスのBBC版をスティーヴ・カレル主演でリメイクされたコメディ”The Office (NBC)”や、パトリシア・アークエットが主演を務める「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア (NBC)」なども、この時期に放送開始となった人気作品です。また、ともにアメリカが誇る長寿アニメ「ザ・シンプソンズ (FOX)」と”King of the Hill (FOX)”なども、ミッドシーズン・リプレイスメントとして送り込まれた作品例。

ヒットドラマの休憩中ないし大コケ作品の後釜として差し替えられるものが多いのは事実ですが、この時期に「良いお仕事」をしてくれるシリーズも決して少なくありません。

一気にご紹介して来ましたが、実際はこれでもほんの一部。ケーブル局の新作ドラマやリアリティー番組などを合わせると、とても紙面が足りません。近日中に、更なる新シリーズの数々をご紹介したいと思いますのでお見逃しなく。今年のミッドシーズンも、我が家のテレビとDVRがフル稼働しそうな予感です。



TEXT BY アベマリコ


2009年03月19日 10:40

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