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アカデミー賞直前!2010年度オスカー・ガイド

去る日曜日、熱戦が続いたバンクーバー冬季五輪が惜しまれながらの閉幕。そしてちょうど1週間後となる3月7日には、いよいよ映画の一大祭典アカデミー賞が開催されます。”You’ve Never Seen Oscar Like This”をキャッチコピーに行なわれる本年度のオスカー。「未だかつてない」セレモニーを前に、様々な角度から82nd Academy Awardsに迫ってみたいと思います。

1927年に創設、映画芸術科学アカデミー (AMPAS: Academy of Motion Picture Arts and Sciences) が主催するアカデミー賞は、今年で82回目。本年度は昨年より6本少ない274作品が候補作となっており、ノミネート数では「アバター (邦題)」と「ハート・ロッカー」がトップの9部門をシェア、続いて「イングロリアス・バスターズ」が8部門候補で追いかけています。

ハリウッドはコダック・シアターにて行なわれる授賞式の模様はABC局で全国放送される米国を含め、世界200カ国以上にてライブ中継。全長150メートルにも及ぶレッドカーペットを歩く候補者のうち、今年は誰がオスカーを持ち帰ることになるのでしょうか。ちなみにこのオスカー像、全長は34センチ、重さは3.8キロ強もあるのだとか。これまでの受賞者達が頭上に掲げる姿をたびたび目にしてきましたが、意外にもズッシリしているようです。


  本年度のアカデミー賞ポスター。
  ヒット作「恋するベーカリー」からスティーヴ・マーティン&
  アレック・ボールドウィンがダブルホストで登場。
本年度のセレモニー司会は、現在日本で絶賛公開中の「恋するベーカリー」よりスティーヴ・マーティンとアレック・ボールドウィンの豪華Wキャスト。爆笑の連続が期待される名コンビに並んで、プレゼンターにはスティーヴ・カレル、ティナ・フェイ、ベン・スティラー、サシャ・バロン・コーエンなどコメディアン達の名前が並びます。
更には昨年のオスカー受賞者であるケイト・ウィンスレット、ペネロペ・クルズやショーン・ペン、歴代受賞者のシャーリーズ・セロンとキャシー・ベイツ、これまでノミネートを果たしたロバート・ダウニー・Jr.、クイーン・ラティファ、ジョン・トラヴォルタ、サミュエル・L・ジャクソンらも登場の予定。また、若者に絶大な人気を誇るザック・エフロン、マイリー・サイラス、クリステン・スチュワートやテイラー・ロートナーもリストに挙がっています。

昨年は歴代ワースト3に食い込む3690万人の視聴率で苦汁を嘗めたオスカーですが、今年はグラミー賞やゴールデングローブ賞の前年比アップに続く高視聴率が見込まれている模様。よって本年度のオスカー・セレモニーでのCM料は、昨年より10万ドルほど上がった140万~150万ドルで取り引きされ、すでに完売しているようです。


コダック・シアターが位置するハリウッド大通り×ハイランド通りは、
1週間程前から通行止めに。
そして気になるのは、やっぱりオスカー像の行方。作品賞ではゴールデングローブ賞を獲得した「アバター」、米製作者協会賞・米監督組合賞・英国アカデミー受賞の「ハート・ロッカー」がフロント・ランナーと目されていながら、ここに来てちょっとしたスキャンダルが勃発しました。
つい先日「ハート・ロッカー」の共同制作者であるニコラス・シャルティエが、2月19日前後にアカデミー会員達に同作への投票を促すEメールを送っていたことが発覚。特定の作品を直接メンバーにプッシュする行為はアカデミーの規定違反と見なされており、本人から謝罪のメールが再送される事態となりました。
今週2日に締め切られた投票までどれだけの影響を及ぼしたのかが今後の焦点となりそうですが、関係者にとっては思いがけない「痛恨のミス」となり得るかも。
その一方では、本件と重なるように「イングロリアス・バスターズ」を推す批評家やファン達が激増しているとか。米映画俳優組合賞にて堂々のアンサンブルを獲得している同作は、地元紙Los Angeles Timesなどでもクエンティン・タランティーノ監督の演出手腕と脚本の秀逸さが取り上げられており、主力作品として再度注目を浴びています。


  コダック・シアター左手のチャイニーズ・シアターまで、
  オスカー準備の為に封鎖中。
俳優部門においては、まず助演男優賞のクリストフ・ヴァルツ (「イングロリアス・バスターズ)、同女優賞のモニーク(「プレシャス」)が受賞を確実視されている2名。観る者の脳裏に焼き付く迫真の名演技は、他者の追随を許さない「殿堂入り」と言えそうです。更には今回でアカデミー賞5度目のノミネートとなったジェフ・ブリッジス (“Crazy Heart (原題)”)も、各賞レースで主演男優賞を総ナメにしており、還暦にしてのオスカー初受賞に期待が寄せられています。

そして残る主演女優賞は、最も「どんでん返し」が期待出来る部門との声が続出。ゴールデングローブ賞を獲得しているメリル・ストリープ (「ジュリー&ジュリア」)とSAGアワード受賞のサンドラ・ブロックは、BFCA主催のクリティックス・チョイス・アワードで同部門をタイ受賞しており、これまでは両者の一騎打ちと見られていました。しかし先日行なわれたNAACP主催のイメージ・アワードにおいては「プレシャス」で主演を務めた新人女優ガボレイ・シディベにトロフィーを譲っており、英国アカデミー賞獲得のキャリー・マリガン (「17歳の肖像」)と並んで「ダークホース視」されているところ。混戦となりそうな予感いっぱいの主演女優カテゴリーは、本年度の俳優部門の中でも特に面白くなりそうです。

今週日曜日と、すぐそこまで迫っている第82回アカデミー賞。各部門はもちろんのこと、受賞式典でのゴージャスな舞台装飾やパフォーマンスも楽しみです。来週の今頃には、全ての結果が出揃っているハズ。内容盛りだくさんでお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください!

TEXT BY アベマリコ

2010年03月04日 16:51

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