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アクター達の饗宴!第17回Screen Actors Guild Awards

1月最後の日曜日、LAはシュライン・エクスポジション・ホールを会場に行なわれたSAGアワード/米映画俳優組合賞。SAG (Screen Actors Guild/米映画俳優組合) 会員の「俳優達による俳優達の為の」セレモニーでは、本年度もTV・映画史に残ること必至の輝かしいパフォーマンスの数々が讃えられています。それではさっそく「同志」が選んだ2010年度の顔ぶれをご紹介していきましょう。


  本年度SAGアワードのバナー。
例年、賞レースの目玉とされるアカデミー賞を前に行なわれるSAGアワードは、米映画俳優組合 (SAG: Screen Actors Guild)が主催するTV&映画の年間セレモニー。昨年に引き続き、People誌とともに当アワードを協賛するケーブル局TNTが全国放映権を獲得しており、豪華アクター陣が集う式典の様子が2時間に渡って届けられました。同組合に属する俳優達の投票で受賞者/作品が決まるとあって、数あるアワードの中でも唯一「By & For アクターズ」の授賞式として人気が高く、各部門を覗いてみても「監督賞」や「脚本賞」などの非演技カテゴリーは皆無。焦点はとことんアクティングのみに絞られており、またその年の作品賞に当たる「アンサンブルキャスト賞」は、該当作品における主要キャスト全員に贈られることになっています。


第17回米映画俳優組合賞/SAG Awards 全受賞リスト

<映画部門>
主演男優賞: コリン・ファース「英国王のスピーチ」
主演女優賞: ナタリー・ポートマン「ブラック・スワン」
助演男優賞: クリスチャン・ベイル「ザ・ファイター」
助演女優賞: メリッサ・レオ「ザ・ファイター」
アンサンブルキャスト賞: 「英国王のスピーチ」
スタントアンサンブル賞: 「インセプション」

<TV部門>
ドラマ部門主演男優賞: スティーヴ・ブシェミ “Boardwalk Empire (HBO)”
ドラマ部門主演女優賞: ジュリアナ・マルグリーズ「グッド・ワイフ (CBS)」
ドラマ部門アンサンブルキャスト賞: “Boardwalk Empire (HBO)”
コメディ部門主演男優賞: アレック・ボールドウィン「30 Rock (NBC)」
コメディ部門主演女優賞: ベティ・ホワイト “Hot in Cleveland (TV Land)”
コメディ部門アンサンブルキャスト賞: 「モダン・ファミリー (ABC)」
TV映画/ミニシリーズ主演男優賞: アル・パチーノ “You Don’t Know Jack (HBO)”
TV映画/ミニシリーズ主演女優賞: クレア・デインズ “Temple Grandin (HBO)”
スタントアンサンブル賞: 「トゥルー・ブラッド (HBO)」

・生涯功労賞: アーネスト・ボーグナイン


映画部門のアンサンブルとコリン・ファースが主演男優賞をさらった「英国王のスピーチ」は、今月27日に開催予定のアカデミー賞において最多12部門にノミネートされたばかり。先々週に行なわれたPGAアワード (米制作者組合賞)と先週のDGAアワード (米監督組合賞)でもそれぞれの最優秀賞に輝いており、これまで本命視されていた「ソーシャル・ネットワーク」よりも頭ひとつ分の優勢となっています。そしてお腹にベイビーちゃんを宿した主演女優賞獲得のナタリー・ポートマン、クリスチャン・ベイルとメリッサ・レオの「サポーティング・コンビ」も、堂々の賞レース連覇を達成。ベイルが劇中で演じたディッキー・エクランドご本人の登場もあり、毎度スピーチにて観客をヒヤヒヤさせているベイルが興奮気味に繰り出した言葉「あなたの生き方に感謝します」には、盛り上がった会場が更に沸くこととなりました。


  SAG会報誌「Screen Actor」表紙を飾った
  アーネスト・ボーグナイン。昨年の「RED/
  レッド」が164本目の映画出演作品に。
  
そして一方のTV部門では、同シリーズにて2連覇のジュリアナ・マルグリーズと5連覇!を達成したアレック・ボールドウィンを除き、全てのカテゴリーが初受賞という快挙に。先のゴールデン・グローブ賞に続き、ドラマ部門では“Boardwalk Empire”が「マッドメン (AMC)」を、コメディ部門においては「モダン・ファミリー」が「glee/グリー 踊る♪合唱部!? (FOX) 」の連覇を阻止する結果になっています。また昨年のライフ・アチーブメント受賞者のベティ・ホワイトは、自身が最も驚いた様子でありながら、満場のスタンディング・オベーションに包まれて主演女優賞を獲得。89歳にして初めて手にしたアクター像の「下部」に触れて”Oooh!!”と呟くなど、茶目っ気たっぷりの笑顔がとってもチャーミングでした。さらに本年度の生涯功労賞に選ばれたアーネスト・ボーグナインに至っては、さらに上をいく御年94歳!という頼もしさ。いつにも増して若々しく映ったプレゼンターのモーガン・フリーマンからマスク型のトロフィーを受け取ると、壇上の彼に熱い視線を注ぐ「後輩達」に向け、プロとして常に最善を尽くすようにと激励しました。

組合系アワードの中で唯一全国にケーブル放送されるSAGアワード人気の所以は、やはり「Aリスト」に名を連ねるスター達の来場。ゆったりとディナーテーブルを囲み、ド派手なパフォーマンスもなければホストさえ立てられていませんが、本年度も見応え十分のセレモニーが幕を降ろしています。昨年の演技4部門の受賞者全員はそのままアカデミー賞も獲得しており、SAGアワードは本年度のオスカー像の行方を占う恰好の材料となっています。昨年に続いてオスカーでもリピートと相成るのでしょうか?


TEXT BY アベマリコ

2011年02月03日 16:56

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