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今シーズンNo. 1デビューのTVシリーズ「The Voice」: ファン待望のフィナーレ!

アメリカの「誕生日」を祝う7月4日のIndependence Day=独立記念日を目前にして、いよいよ最終回を迎えたシンガー発掘シリーズ「The Voice (NBC)」。10週に渡るガチバトルを経て、栄えある初代チャンプが誕生しています。


  Picture: シーズン1のポスターは、
  コーチ4名による”Voice”のV!
去る6月28・29日、2夜に渡るド派手なフィナーレを飾った「The Voice」。オランダ発のリアリティ・シリーズ「The Voice of Holland (RTL4)」のフランチャイズとして制作された本シリーズは、今期より開始した番組のうち、最も高い視聴率を獲得している、言わば「期待の新人」。およそ5ヶ月という極短の準備期間と、ネットワーク系のリアリティ番組では最低予算と目される「削減しまくり」のコスト環境のもと、フタを開けてみればNBC始まって以来の最高視聴率リアリティショーとしてデビューを飾ることとなりました。
多極の看板番組「Dancing with the Stars (ABC/芸能人社交ダンス番組)」と「glee / 踊る♪合唱部!? (FOX/ミュージカルドラマシリーズ) 」の数字を2週連続で上回るなど、その快進撃は近年不調とされていたNBCを盛り上げる恰好の材料に。この勢いに乗って視聴者奪回の巻き返しを図りたいところです。

「The Voice」はその名のとおり、アメリカを代表する「声色」を発掘するリアリティ・シリーズ。ポップス界の若手実力派クリスティーナ・アギレラ、R&B/ポップス/Hip-Hopシンガー兼プロデューサーと多才なシーロー・グリーン、ロック・バンドMaroon 5のリードボーカルを務めるアダム・レヴィーン、カントリー界に今なお残るカウボーイと名高いブレイク・シェルトンら4名のコーチを迎え、ブラインド・オーディション/バトル・フェイズ/ライヴ・パフォーマンスショーといった3段階を経て、各コーチが満を持して投入したファイナリスト4名が、フィナーレにて凌ぎを削る形となります。
本作の見どころは、ユニークなコーチ達の人柄や圧巻のパフォーマンスはもちろんのこと、そんな彼らによって性別や容姿などを見ることなく歌声だけでスカウトされた人材それぞれ8名・計32名が、チームごとにパフォーマンスを競い合っていく点。途中経過では、視聴者の電話/携帯テキスト/オンラインによる投票だけでなく、コーチ自身が脱落者の選択を迫られるなど、手に汗握るシーンが目白押しとなりました。

そして、唯一無二のファースト・シーズンにおける「The Voice」の称号、賞金10万ドル、そしてレコードレーベルUniversal Republicとの契約を手にしたのは、ソウルフルな歌声の持ち主ハビエル・コロン(チーム・レヴィーン)。2002年よりCapitol Recordsとのディールが決まっていたものの、2006年に突然の契約解除宣告を受けたという彼は、次点に着いた個性派シンガーのディア・フランプトン(チーム・シェルトン)による猛追を2%差の投票数で交わし、見事に優勝を決めています。

また、その他のファイナリストとして会場を沸かせたのは、魂炸裂の女性ロックンローラーとして人気を博したビバリー・マクラレン(チーム・アギレラ)と、その個性的なハスキーボイスが優勝者コロンの幼い娘達までとりこにしたというヴィッキー・マルティネス(チーム・グリーン)。なお、彼女達は自らがゲイであることを公にしており、LGBT(Lesbian・レズビアン / Gay・ゲイ / Bisexual・バイセクシュアル / Transgender・トランスジェンダーから成る頭文語)コミュニティやゲイ啓蒙活動団体GLAAD(Gay & Lesbian Alliance Against Defamation)からの応援も受け、またファイナルの2日前となる先月26日にはニューヨーク州での同性婚州法が成立したことも相まって、そのリベラルな番組内容が好評価を受けているようです。
長寿人気オーディション番組「American Idol (FOX)」第8シーズン準優勝者アダム・ランバートのように、シリーズ終了後までカミングアウトを待たされたとされる例などもあり、オープンに見えてもまだまだ保守的なアメリカにおいて、当番組は新たな礎のひとつとなったと言えるでしょう。

アメリカが選んだ「初代Voice」ハビエル・コロンのオリジナル曲のタイトルは文字通り、一針一針を紡ぐように音楽業界を歩いて来た彼にピッタリな「Stitch by Stitch」。また、今月27日のロサンゼルス公演を皮切りに、ファイナリスト8名による全国ツアーを実施する予定となっています。
前出の「American Idol」や「glee / 踊る♪合唱部!?」など、TVシリーズが活躍の場をライブステージへと移している昨今、こちらもチケットのソールドアウト必至となりそうです。

そして、コーチ4名全員が契約続行を決めている第2シーズンは、NBC局が独占放送権を持つ来年2月5日放送予定のスーパーボウル直後の後番組として大復活する計画とのこと。局を挙げての一大インストールメントに、これまで以上のナンバーが期待できそうです。


TEXT BY アベマリコ

2011年07月07日 11:02

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