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クリスマス・シーズンは「ラジオの時間」

まさに「師走」とは良く言ったもの、あっという間に12月も半ばに入り、来週末にはいよいよクリスマスがやって来ます。イルミネーションとともに、数々のクリスマス・ソングが街中を彩るこの季節。お馴染みのナンバーを求めて、多くの人々がお気に入りのラジオ局にチューン・インしている模様です。


  この季節になると、クリスマス・ソングが
  ヘビーローテーションに。
  Photo by BobOne80 on Flickr
「放送フォーマットがクリスマス仕様になると、聴取率がみるみる倍増する。」このシンプルなホリディ・シーズン限定のセオリーは、アメリカのラジオ界における定説のひとつ。通常のプログラムで選曲されたラインナップからクリスマス・ソング特集にスイッチすると、どの局もおよそ2倍の聴取率へと跳ね上がるとされています。これは、アメリカ国内で広告収入ワーストを記録した2008年度でさえも立証されており、前年の同時期と比べて8%アップの好成績を獲得。今や向かうところ敵なしの「戦略」として、このシーズンの各局は待ってましたとばかりにクリスマス・ソングを投入しています。


日本でのラジオの立ち位置はテレビほど一般的ではなく、お気に入りのタレントがパーソナリティを務める番組だけ聴く…といった方々も多いはず。また、iPodを代表とする携帯型デジタル音楽プレイヤーやスマートフォンなどの台頭により、移動中にラジオを聞く人々は軒並み減少傾向にあるとも伝えられています。その一方、アメリカ人は今なおラジオがお好き。全国的に見ても、通勤・通学などの交通手段は圧倒的に車が多く、おのずとお気に入りのチャンネルをカーステレオにセット、時間帯によって聴き分けている人々が多数派のようです。こうした背景から、より多くのリスナーがチューン・インするこの季節は、スポンサーにとっても稼ぎ時。11月末の感謝祭直後のビッグ・セール(=ブラック・フライデー&サイバー・マンデー)の宣伝時期が過ぎると、クリスマス商戦に的を絞った大々的なラジオCMキャンペーンが打たれます。各局におけるコマーシャル数に変更は無い為、1スポットの広告レートが上がり、スポンサーによるパッケージを組むラジオ局も続出。各局にとってもスポンサーにとっても、クリスマス・シーズンはまさにWin-Win(=両者がオイシイ)状態となっています。

番組内容や音楽のジャンルごとに様々なステーションを誇る米各都市のラジオ局において、ポップス、R&B、カントリー、コンテンポラリー、オールディーズを扱う主要チャンネルの大多数は、クリスマス・モードに完全シフト。通常、自局のプログラム・セレクションの変更には一切コストがかからない為、ヒップホップ系やハードロックなど、このセオリーにはあまり当てはまらなそうな局でさえ、ホリディ・セレクションが放送されているようです。以下は、多数のチャンネルを誇る米3大ラジオ局CBS Radioが集計したベスト・クリスマス・ソングTOP5。どの曲も、まさにクリスマスを彷彿とさせてくれるラインナップです。

1. “Happy Xmas (War Is Over)” ジョン・レノン
2. “It’s the Most Wonderful Time of the Year” アンディ・ウィリアムス
3. “Jingle Bell Rock” ボビー・ヘルムス
4. “A Holly Jolly Christmas” バール・アイヴス
5. “All I Want for Christmas” マライア・キャリー

インターネットの発展により、今日では世界各国のラジオを楽しめるサイトやアプリケーションも目白押し。アメリカはもちろんのこと、各国のラジオ・ステーションを楽しむことが出来ます。残り少ないホリディ・シーズン、耳で味わってみるのもまた一興かもしれません。


TEXT BY アベマリコ

2011年12月15日 19:19

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