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2匹目のドジョウ狙い?ヒット・シリーズの真似っこ新番組

近年スタートしたリアリティ・シリーズのうち、トップクラスの人気を保っているシンガー発掘番組”The Voice” 。他局だろうが何だろうが、ヒット作にはもれなく便乗するのがお決まりの アメリカンTV界、早くもパクリ…もとい、極めて「酷似」した新シリーズがお目見えしています。


 左からニック・ジョナス、デミ・ロヴァート、
 この度の”The Choice”出演予定のジョー・ジョナス、ケヴィン・ジョナス。
 かつてのティーン・アイドル代表が、TVでデート相手探しをすることになるとは…。
 Photo by nick step on Flickr
2011年の全米デビューから
早1年、今年5月初めに第2シーズンがフィナーレを迎えたばかりの”The Voice (NBC / 原題)”。本コラムでも度々お伝えしているとおり、数ある老舗リアリティ・ショーが軒並みナンバーを落とす中、どっしりとした安定感をみせていました。その勢いは、同時期にオンエアされていた「元祖」国民的シンガー発掘シリーズ、”American Idol (FOX)”のシーズン11に追いつけ追い越せの視聴率を叩き出すほど。コーチを務めるクリスティーナ・アギレラ、シーロー・グリーン、アダム・レヴィーン (マルーン5)、ブレイク・シェルトンらによる爆笑トークや白熱バトルも相まって、シーズンを重ねるごとにファンを増やしている状態です。

そんな”The Voice”とほぼ入れ違いに、5月24日よりスタートを切ったのがABC局の新リアリティ・ショー”Duets”。まさにタイトルそのまんま、大御所シンガーとのデュエット・デビューを賭けたコンペティション番組には、第1回「アメリカン・アイドル」覇者のケリー・クラークソン、グラミー受賞シンガー・ソングライターのジョン・レジェンド、R&B歌手ならびにプロデューサーとしても知られるロビン・シック、そしてカントリー・デュオ「シュガーランド」のメンバーであるジェニファー・ネトルズといった、幅広い音楽ジャンルにおけるビッグ・スター達が「メンター(=指導者)」として名乗りを上げています。当シリーズのキャッチコピーは、すがすがしいまでに”The Voice”を意識した、”Be More Than Just A Voice! (=ただのヴォイス以上になれ!)”。スター4名が自ら「未来のデュオ相手」を選ぶべくオーディションを行い、視聴者の投票で脱落者が決まるといったフォーマットまでそっくり、各2名ずつ合計8名がたった1組のデュオ・デビューを目指してしのぎを削ることになります。当シリーズの売りは、毎週繰り広げられるスターと候補生によるライブ・デュエット。前出の”The Voice”コーチや「アメリカン・アイドル」のジャッジ (ジェニファー・ロペス、スティーヴン・タイラー、ランディ・ジャクソン)らのような相性や華やかさにはまだまだ及びませんが、やはりプロフェッショナルなパフォーマンスは圧巻です。

その一方、”The Voice”を真正面からいさぎよくコピーしているのが、FOX局にて6月7日にプレミア放送を迎えたばかりの”The Choice”。思いっきり文字感や韻まで揃えている当シリーズは、”Duets”のような音楽シリーズかと思いきや、アメリカ人が大好き&多数のシリーズを誇るお見合い番組でありながら、これまでなかなかお目にかかれなかった「芸能人とのデート権」がもらえる内容となっています。それでは、タイトル以外のどこが「真似っこ」なのか?それはズバリ、セレブリティ達が座る「特注アームチェア」。パートナーなしの「シングル」を自称する芸能人4名が座る回転式のアームチェアは、”The Voice”で使われているものと瓜二つなのです。ステージに背を向けて座ったセレブは、ステージに登場する一般デート希望者が発する声色ならびに観客のリアクションだけで、その人となりを「想像」。 デートしてもOKと踏む=手元のボタンを押すことでチェア本体が回転、ステージに立つ人物とご対面を果たす…といった、”The Voice”と全く同じフォーマットを取り入れています。なお、記念すべき第1回目の芸能人ゲストには、ラッパーのマスター・Pの息子であるロミオ、元スキープレイヤー兼NFL選手のジェレミー・ブルーム、俳優ジェイソン・クック、MTVのリアリティ番組”Jersey Shore”出身のDJポーリー・Dら男性陣。そして今後は、カーダシアン一家の末っ子ロブ、ティーンのアイドルとして人気を博したジョナス・ブラザーズのジョー、そして女性版エピソードには、ボムシェル・ボディで知られるカーメン・エレクトラ、オーストラリア出身モデルのソフィー・モンクなどが出演を控えているそうです。

”Duets”は670万人、”The Choice”は420万人と、それぞれプレミア放送ではまずまずの視聴数を獲得。このままシーズンを重ねていくのか、はたまたアメリカTV界のベスト・シーズンとされる秋を目前にした「隙間シリーズ」で終わるのか?ふたつの”The Voice”派生シリーズの行方、そっと見守っていきたいと思います。




TEXT BY アベマリコ

2012年06月14日 11:38

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