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意外な人物にいじめの過去!セレブリティ達が声を上げた特別TVシリーズ

ここアメリカでは、夏休み明けの学生達が新学期を迎える8月から9月頃までを”Back to School”シーズンと呼びます。そんな時節の真っ只中、今月14日に放映された特別番組
“E! Investigates: Bullying: Celebs Speak out (原題)”では、各界のセレブリティが自らのいじめ体験を告白。この時期に憂鬱な気分を抱えているいじめられっ子たちをインスパイアするべく、力強いメッセージを送っています。


 栄光と挫折を味わったマイク・タイソン。
 イスラム教徒に回心してベジタリアンに
 なった現在は、俳優としても活躍中。
 Photo by birzer on Flickr
 
ケーブル局E! におけるドキュメンタリー・シリーズ“E! Investigates”の最新エピソードとして放映された”Bullying: Celebs Speak out”では、60分に渡って6名のセレブリティにインタビューを敢行。ジャーナリストのローラ・リンがホストを務め、1対1で彼らの過去に迫りました。今回の特別シリーズに
登場したのは、クロエ・カーダシアン、ミシェル・トラクテンバーグ、マイク・タイソン、ジリアン・マイケルズ、ランス・バス、そしてビル・クリントン(登場順)。今日の彼らのサクセスからは想像もつかないようなエピソードや、いかに苦悩を乗り越えたかといった貴重な体験談の数々、抜粋ではありますがひとつずつご紹
介していきましょう。

●クロエ・カーダシアン(リアリティ・タレント)
「いつも醜い妹と呼ばれてきた。」

今や飛ぶ鳥を落とす勢い、2007年にスタートしたリアリティ・シリーズ”Keeping Up with the Kardashians (E!)”やその
スピンオフによって、一躍「カーダシアン帝国」を築いたファミリーの3女クロエ。明るい肌や髪色に大柄な体格と、長女コートニーや次女キムとは異なる外見から、常にいじめの対象だったと振り返りました。級友や教師からもしばしば姉2人と比較され、成人してからも太めであることを揶揄され続けてきましたが、持ち前の頭の回転の良さから発想を転換。NBA選手の夫ラマー・オドムとの出逢いを始めとして、いかに自分が幸せであるかを認識することで、他人によるネガティブなコメントには耳を貸さなくなったそうです。

●ミシェル・トラクテンバーグ(女優)
「私は、常に周囲からのいじめの対象だった。

3歳から芸能界入り、ヒットドラマ「バフィー ~恋する十字架~ (邦題 / The WB・UPN) 」や「ゴシップガール (CW)」への出演で一躍ヤング・ハリウッドスターの地位を築いたミシェルは、周囲の嫉妬からいじめの標的に。階段から突き飛ばされて肋骨を骨折、卒業パーティではおよそ150名もの同級生に囲まれて一斉に物を投げ付けられたりと、想像を絶する嫌がらせを受けて来ました。レッドカーペットに立つ幼い彼女の写真はどれも、アザやすり傷を隠す為に長袖やタイツを履いたものばかり。母親のサポートで乗り越えることが出来たと語る彼女は、現在いじめ撲滅運動の活動家としても幅広く活躍しています。

●マイク・タイソン(元プロ・ボクサー)
「皆がいじめるから、学校には行きたくなかった。」

史上最年少で世界ヘビー級チャンピオンに輝きながらも、婦女暴行やドラッグ所持といった波乱の人生を歩んできたタイソンは、その見た目からはまず想像できないほどのいじめられっ子だったそう。NYはブルックリンのスラム街に生まれ、肥満児であった為にひどい暴力を受けて不登校となり、鳩と遊ぶことだけが楽しみであったと振り返っています。そしてある日、可愛がっていた鳩を級友に殺され、怒りのあまりに相手を殴り倒したことがターニングポイントに。その後、一目置かれるようになったものの、鑑別所に入れられるまでに荒れた時期もありました。しかし、そこでモハメド・アリに憧れてボクシングを始め、王者の座を勝ち取るまでに至ります。なお、インタビューでは彼の自宅を訪れ、今もたくさんの鳩が飼われている様子が紹介されました。

●ジリアン・マイケルズ(フィットネス・トレーナー)
「同級生に取り囲まれ、一斉に物を投げ付けられた。」

ダイエット・リアリティシリーズ”The Biggest Loser (NBC)”などへの出演で、パーソナル・トレーナーの第一人者となったジリアンですが、ティーンエイジャーの頃はぽっちゃりとしてニキビが多く、歯列矯正器具を着けている為に内向的だったとのこと。自分と同様におとなしい友人と昼食を取っている最中、同級生から物を投げつけられたり、当時まだ自分自身も定かではなかったセクシュアリティについて「レズビアン」となじられ、一時は自傷行為からセラピーに通うまでに追いつめられたといいます。しかしのちに格闘技に目覚めたことで、肉体・精神ともに強さと自身を育むことに成功。現在は、今年に入ってハイチから迎え入れた養子とパートナーであるハイディさんの息子とともに、はつらつとした日々を送っています。

●ランス・バス(歌手・タレント)
「子供の頃、僕はいじめっ子だった。」

ボーイズ・グループ「イン・シンク」のメンバーとして、ティーンエイジャーを熱狂させたランスは、幼い頃から自身がゲイであることを自覚。しかし、ミシシッピ州の片田舎で育った彼は、自らがいじめの対象になることを極端に恐れ、周囲のおとなしい男の子をゲイとからかっていたと明かしました。アイドルになってからも他のメンバーにさえ事実を隠し続け、時には女性と付き合っている振りをしたことも。そして2006年にカミングアウトしてからは、性的嗜好によっていじめを受けている子供達をフィーチャーしたドキュメンタリー映画の制作に携わっているそうです。

●ビル・クリントン(元米国大統領)
「洋服がダサかったから、そしてフットボールをしなかったから、私は冷やかされていた。」

第42代アメリカ大統領を務めたクリントンの幼少期は、養父の家庭内暴力に悩まされるなど複雑であり、背が高く太めな体型ながら吹奏楽部に所属していたために、同級生からは「デブのバンドオタク」といじめられていたと言います。自身の体験より、自虐的になってしまうことに理解を示しながらも、自己破壊をすることはいじめっ子の言葉を肯定するのと同じであると語ったクリントン。ネルソン・マンデラとの対談時に、氏が投獄中に「誰も私の心は奪えない」と悟ったとの逸話を引き合いに出し、現在いじめを受けている子供達とその家族に向けて「立ち上がる勇気」を説きました。

アメリカ国内において、いじめから不登校となっている児童数は現在16万人以上にのぼると言われています。日本では先月中、滋賀大津いじめ事件が明るみとなり大々的に報道されましたが、当地アメリカでも多くの若者たちがいじめを理由に尊い命を断っているのが現状です。それぞれの個性によって今日の地位を築いたセレブリティ達の過去に迫り、ユニークであることを肯定した”Bullying: Celebs Speak out”。彼らは一様に、いじめがなければ今日の自分はいなかったであろうと回顧しています。より多くの悩める若者たちに、6名からのメッセージが届くことを願って止みません。




TEXT BY アベマリコ

2012年08月23日 15:39

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