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2012年09月27日

今年もイロイロありました!第64回プライムタイム・エミー賞

遡ること数週間、改編期の真っ只中にあるアメリカンTVシリーズを一挙にフィーチャーして参りましたが、いよいよ今週は「真打ち」の登場。去る23日、LAダウンタウンに位置するエンターテインメント複合施設L.A.ライブ内NOKIAシアターにおいて、第64回プライムタイム・エミー賞が開催されました。完璧なメイクアップと豪華ドレスをまとったスター達を泣かせた30度越えの炎天下で行われたアメリカンTVの総決算では、満場一致のリピートあり、かなり意外な番狂わせありと、てんこ盛りの内容となっています。


 輝く天使のエミー像の行方は?
 Photo by Renee Silverman
  on Flickr
昨年度に続いてノキア・シアターを会場に行われたEmmys 2012のメイン司会には、本年度の放映チャンネルとなった
ABC局にて冠トークショーを持つジミー・キンメルを投入。
気になる数字を見てみると、日曜のNFLゲーム特番とガッツリ重なったにもかかわらず、前年度より80万人ほどアップとなる約1320万の視聴数を獲得しています。オンエア3時間を超える長丁場では、例年「予想しやすい」と言われるエミー賞たるべく受賞結果も多数ありながら、TVマニアもびっくりの「大穴」も。
1年に1度の祭典が幕を降ろした今、話題となっているトピック
3点に絞ってご紹介していきましょう。







 シリーズ開始からコメディ部門作品賞を1度も外していない
 「モダン・ファミリー」のキャスト。
 中央は、現在「TV女優番付」のトップに君臨する
 ソフィア・ヴェルガラ。
 Photo by WEBN-TV on Flickr
☆とにかく強い!「モダン・ファミリー」コメディ部門にて圧勝
2009年よりスタートしたコメディ・シリーズ「モダン・ファミリー (ABC / 邦題)」は、本年度で3年連続となる作品賞を獲得。また脇を固める助演男優・女優賞においても、エリック・ストーンストリートとジュリー・ボーウェンが揃って2年連続でエミー像を持ち帰っています。今年こそは、彼らの盟友であるジェシー・タイラー・ファーガソンとソフィア・ヴェルガラが獲るか?との前評判もあり、受賞スピーチでは両名ともに同時ノミネートしていた彼らを賞賛。ガチで仲が良さそうな様子を見ていると、キャストの好相性もシリーズ成功の秘訣であると気付かされます。なお、コメディ部門における唯一のサプライズは、「ハーパー★ボーイズ (CBS)」よりジョン・クライヤーの主演男優賞獲得。確実視されていた”Louis (FX / 原題)”の脚本・監督・編集・主演を兼任するルイス・C・Kは、当部門とバラエティ部門の脚本賞ふたつに留まりました。

☆新シリーズ”Homeland”が「マッドメン」の連覇を阻止
ミニ・シリーズ”American Horror Story (FX)”とともに、本年度エミー賞の最多ノミネート数17を分け合っていた「マッドメン (AMC)」には5年連続の作品賞獲得が期待されていましたが、蓋を開けてみれば無冠!という結果に。その定位置をさらったのが、昨秋の開始からゴールデン・グローブ賞でも作品賞を持ち帰っていた”Homeland (Showtime)”でした。スパイ容疑をかけられたアフガニスタン帰還兵を描いた「オバマ大統領お気に入り」のサスペンス・ドラマは、作品賞に並んで脚本賞、そして主演男優賞(デミアン・ルイス)と主演女優賞(クレア・デインズ)にも輝いています。なお、昨年度は放映シーズンの都合によりノミネートを逃していた「ブレイキング・バッド (AMC)」においては、下馬評で頭ひとつリードしていた主演男優賞候補のブライアン・クラストンの受賞は叶わず。その一方、助演男優賞にノミネートされていたアーロン・ポールが返り咲き、ステージ上にて感動の男泣きをみせました。

☆期待値が高過ぎた?ジミー・キンメルがダダすべり
FOX局でオンエアされた去年のEmmysホストには、同局のヒットシリーズ「glee / グリー」よりジェーン・リンチが就任。大抜擢にも無難な進行をみせていた彼女でしたが、やはりホストにはコメディアン!ということで、今年はABC局きってのトークショー”Jimmy Kimmel Live!”のジミー・キンメルに期待が寄せられていました。しかし、そのハードルがあまりに高かったのか、いきなりオープニング・スキットから女優陣に押されまくり。シワ伸ばしの整形ボトックス注入に失敗して、彼女達が殴って元通りにする…というオチでしたが、キャシー・ベイツやゾーイ・デシャネルらコメディエンヌはもとより、HBO局の新ドラマ”Girls”にて制作・脚本・主演を務める才媛レナ・ダナムの「禁じ手」とも言える「全裸のホールケーキ食い」に持って行かれてしまいました。その他、自らのご両親を客席から退場させてみたり、視聴率アップを狙ってトレイシー・モーガンに気絶したフリをさせてみたりと、いろいろと試みるもイマイチな結果に。通常のトークが秀逸なだけに、もったいないという印象でした。

Emmys 2012 オープニング・スキットの映像は、こちら

第64回プライムタイム・エミー賞 主要部門受賞結果
<ドラマ部門>
作品賞: “Homeland (Showtime)”
主演女優賞: クレア・デインズ(“Homeland”)
主演男優賞: デミアン・ルイス(“Homeland”)
助演女優賞: マギー・スミス(「ダウントン・アビー (PBS)」)
助演男優賞: アーロン・ポール(「ブレイキング・バッド (AMC)」)

<コメディ部門>
作品賞:「モダン・ファミリー (ABC)」
主演女優賞: ジュリア・ルイス=ドレイファス(”Veep (HBO)”)
主演男優賞: ジョン・クライヤー(「ハーパー★ボーイズ (CBS)」)
助演女優賞: ジュリー・ボーウェン(「モダン・ファミリー」)
助演男優賞: エリック・ストーンストリート(「モダン・ファミリー」)

<ミニ・シリーズ/TVムービー部門>
作品賞:「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女 (HBO)」
主演女優賞: ジュリアン・ムーア(「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女」)
主演男優賞: ケヴィン・コスナー(”Hatfields & McCoys (History)”)
助演女優賞: ジェシカ・ラング(”American Horror Story (FX)”)
助演男優賞: トム・ベレンジャー(”Hatfields & McCoys”)

<リアリティ部門>
作品賞:「アメージング・レース (CBS)」
ホスト賞: トム・バージェロン(”Dancing with the Stars (ABC)”)

これから年末にかけては、充実のTVラインナップはもちろん、各映画スタジオが手塩に掛けた「大本命」の年末大型ムービーが続々と公開されていくエンタメファン待望のシーズン。年明けの賞レースに向けて、さまざまな関連ニュースを逐一お届けして参りますので、どうぞご期待ください。




TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:52 | トラックバック

2012年09月20日

米2大オーディション番組「夢の」ガチンコ対決!その勝者は?

2012年秋のアメリカンTV改編シーズンも佳境に入り、ドラマ/コメディおよびリアリティ番組の新旧シリーズがエンタメ業界を盛り上げている今日この頃。つい先週には、アメリカ国内にて人気を二分しているシンガー発掘オーディション番組の「同日オンエア対決」が実現、TVファンを沸かせたところです。熾烈を極めたバトルの行方やいかに?両シリーズの見どころとともに、白熱の視聴率争いをレポートしていきましょう。


 ”The Voice” 第3シーズンの巨大ビルボード。
 左からレヴィーン、グリーン、アギレラ、シェルトン。
遡ること9月の第3週、まず先陣を切ってプレミア放送を迎えたのが、今やNBC局の冠番組のひとつにまで成長した”The Voice (原題)”。クリスティーナ・アギレラ、アダム・レヴィーン (マルーン5)、シーロー・グリーン、ブレイク・シェルトンらコーチ4名によるスター発掘シリーズは、いよいよ今期で第3シーズン目を迎えました。月曜から水曜までの3日間に渡り、それぞれ120分・60分・60分の尺で放映されたプレミアは、連日の時間帯視聴率にてトップを記録。初日の10日には、最多1228万人の視聴数を集めています。本年度のNFL頂上決戦=スーパーボウルの後番組として放映された第2シーズン・プレミアと比較すると37%ものダウンを喫していますが、翌週の月・火曜の2夜連続放送ではそれぞれ1300万人越えと、プレミア初日を上回る視聴率を獲得。セレブリティ・シンガー4名が「巧みな話術」によって自らのメンバー16名を招集、賞金10万ドルとレーベル・デビューをかけてしのぎを削りあうリアル&エモーショナルなガチンコ・バトルは、着実に新たなファンを 増やしているようです。さらに今週に入ってからは、アギレラとグリーンが来春放映予定の第4シーズンを休養することが確定。それぞれアルバム発表とツアー、そして音楽ならびに自身の生い立ちをベースにしたTVコメディの制作が理由に挙げられており、代役にはセクシー歌姫として人気の高いシャキーラとR&Bシンガーの実力派アッシャーが決定しました。第5シーズンでのカムバックを誓っている両者ですが、これを受けて今後より一層の「伸び」にも期待できそうです。


 今期”The X Factor”のサンフランシスコ・オーディション
 における風景。 
 Photo by rocor on Flickr
そんな強豪”The Voice”に対してFOX局が打ち出した大型リアリティ・シリーズこそが、シンガー・オーディション番組”The X Factor”。米版「アイドル」フランチャイズをヒットさせた第一人者、サイモン・コーウェルが再びイギリス本国より持ち込んだ当シリーズも、早いもので第2シーズン目を数えています。なお、ご当地UK版”The X Factor (ITV)”の第7シーズン出演がきっかけでデビューを果たした5人組ボーイズバンド「ワン・ダイレクション」は、現在アメリカおよび日本国内でも飛ぶ鳥を落とす勢い。先に行われたケーブル局MTV主催のMTV Video Music Awardsにおいては、新人賞を獲得するなどノリに乗っています。それに続けとアメリカでも盛り上がりを見せていた米版”The X Factor”のプレミアは、先週水・木曜の2夜連続で放映。初日である12日が”The Voice”のプレミア最終日とガッツリ重なったことで、第1シーズンから23%ダウンとなるおよそ873万人の視聴数にとどまり、ライバル・シリーズに200万人以上もの差をつけられてしまいました。辛酸をなめる恰好となったサイモンは、”The Voice”制作陣がプレミアを以前の2時間ずつ/2夜から3分割にしてぶつけてきた事実にかなりご立腹であった模様。第1シリーズのジャッジに迎え入れていたポーラ・アブドゥル(”American Idol (FOX)の元審査員)とニコール・シャージンガー(プッシーキャット・ドールズ)らをあっさりと切り、自らとL.A.リード(エピック・レコードCEO)のコンビに、あのブリトニー・スピアーズと若手人気歌手デミ・ロヴァートを加える策を打った氏。「最強ジャッジ陣」を自負していただけに、今回の敗北にはかなりのダメージを受けたのでは?優勝者に与えられるレーベル契約は500万ドル相当!と類を見ないほどの破格、これからの巻き返しに期待したいところです。

今週末に予定されているプライムタイム・エミー賞においては、リアリティ・シリーズのコンペティション部門を含む4つのノミネートを果たした”The Voice”に対して、”The X Factor”は皆無。なお”American Idol”を見てみると、照明などの技術カテゴリーにおいて3部門の候補入りとなっています。来年の1月より審査員チームを新装、古株のランディ・ジャクソンだけを残してマライア・キャリー、キース・アーバン、ニッキー・ミナージュの投入が決定したばかりの”American Idol”シリーズと同じフォーマットを持つ”The X Factor”。ひどい音痴さんや自作ソングを引っさげた個性派など、多種多様な出演者をフィーチャーした演出が垣間みられる当シリーズに対して、片や”The Voice”では応募ビデオによる事前審査をくぐり抜けた精鋭達のみがオーディションに参加、どちらもコーチ陣をうならせてしまう実力派ばかりによるバトルが続いています。同じ「一般参加型オーディション・シリーズ」といえど似て非なる内容に、今後はどのような視聴率合戦が繰り広げられていくのでしょうか?




TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 21:53 | トラックバック

2012年09月13日

続・2012年秋の新番組!大物キャストが光るドラマシリーズ8選

この秋「採れたてホヤホヤ」の新作シットコムをご紹介した先週に引き続き、いよいよ今週は気になるドラマシリーズを大特集。各局がしのぎを削り合うインストールメントの数々には、アメリカンTVおよび映画界で馴染みの深い顔ぶれがズラリと勢揃いしています。


 ABC局の大作ドラマ「Last Resort」のビルボード。
 アメリカ本国からの核ミサイル発射指示を拒否する
 というプロットにして、タグラインは「抵抗する名誉」。
今月23日の開催まであと2週間を切った、第64回プライムタイム・エミー賞。この「TVの一大祭典」における大々的な扱いにも見られるように、アメリカのTV業界の看板となるのはやはりドラマシリーズと言えるでしょう。さかのぼれば日本における海外ドラマ人気の先駆け的存在、ここアメリカにおいても社会現象を巻き起こした「ツイン・ピークス (ABC / 邦題)」や「ビバリーヒルズ高校・青春白書 (FOX)」、医療系ドラマというジャンルを確立した「ER緊急救命室 (NBC)」「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学 (ABC)」、
そして映画並みの迫力とストーリー展開がファンの心をガッチリと掴んだ「LOST (ABC)」に「24 -TWENTY FOUR- (FOX)」などなど、挙げ始めたら何時間でも続きそうなライブラリーを誇っています。そんなアメリカンTV界における数々の傑作ドラマにまたひとつ名を連ねるべく、各ネットワーク発の新シリーズが続々とスタートを切るところ。アメリカンTVの改編期である今月から10月にかけてのこの時期は、どの家庭においてもTVがフル回転、熾烈なチャンネル争いが繰り広げることは確実です。

★NBC
“Revolution (原題)” <初回放送9/17>
もはや電気の恩恵なしには生きられない現代に突如訪れた大停電によって、世界が混沌を迎えてから15年。世の中は、産業革命以前の状態にあった…。このダイナミックなSF物語の製作総指揮には「LOST」のJ・J・エイブラムス、そして脚本は「スーパーナチュラル (CW)」のエリック・クリプキが就任。突如父親を殺された少女を軸に、大停電の真相を暴くべく立ち上がったグループ は、映画やTVで活躍するジャンカルロ・エスポジートら名優が脇を固めています。レトロな弓矢などが登場する「ハンガー・ゲーム (2012)」っぽい雰囲気は、ちょっとしたヒットの予感。

“Chicago Fire” <初回放送10/10>
ロン・ハワード監督の「バックドラフト (1991)」を彷彿させる消防士達を描いたストーリーは、「マイアミ・バイス (NBC)」や「ロー&オーダー (NBC)」といった犯罪ドラマをお得意とするディック・ウルフらによる制作。あのレディ・ガガの彼氏とウワサの若手俳優テイラー・キニーをメインに迎え、綺麗どころが勢ぞろいした「女性の目に優しい」1本。「セックス・アンド・ザ・シティ (HBO)」シリーズのスティーヴ役でお馴染みのデヴィッド・エイゲンバーグも出演します。見どころは、イケメン消防士が何度シャツを脱ぐのか…いや、ヒーロー達の日常だそう。

★ABC
“Last Resort” <初回放送9/27>
ティム・ロス主演の犯罪ドラマ「ライ・トゥー・ミー 嘘は真実を語る (FOX)」の脚本家であるショーン・ライアンがペンを執った最新作は、海底500フィートで任務を遂行する潜水艦チームを中心に繰り広げられる壮大なアクション・スリラー。本作パイロット版(=初回放送)を視聴した批評家によれば、先月中に自らの命を絶ったトニー・スコット監督の遺作であり、現在日本全国にて絶賛公開中の「デンジャラス・ラン」でも主演を務めているデンゼル・ワシントンの代表作のひとつ「クリムゾン・タイド (1995)」と、ショーン・コネリーとニコラス・ケイジが競演したマイケル・ベイ監督作品「ザ・ロック (1996)」を足して2で割ったような一大スペクタクルとのことです。

“666 Park Avenue” <初回放送9/30>
つい先週末、前出の「デンジャラス・ラン」にて新米CIAに扮したライアン・レイノルズとの電撃入籍で話題をさらったブレイク・ライヴリー主演のヒット作「ゴシップガール (CW)」のスタイリッシュさと、エヴァ・ロンゴリアのブレイクのきっかけとなった「デスパ」こと「デスパレートな妻たち (ABC)」のエグさを兼ね備えるという新シリーズ。NYはアッパー・イースト・サイドにやって来た美男美女カップルが、ひょんなことから管理人を務めることになるアパートが舞台となる超自然スリラーです。建物のオーナー夫妻には「LOST」のロック役が渋かったテリー・オクィン、そして歌手活動に加えて数々の映画や先の「デスパ」や「アグリー・ベティ (ABC)」などへの出演が続くヴァネッサ・ウィリアムスが豪華共演を果たしています。

“Nashville” <初回放送10/10>
スポーツドラマ「フライデー・ナイト・ライツ (NBC)」主演によってエミー賞にもノミネートされた実力派女優コニー・ブリットンが、四十路に突入した落ち目カントリー・シンガーに扮する1本。タイトルにもある「カントリーの聖地」ナッシュヴィルを舞台に、音楽業界の浮き沈みといった悲喜こもごもが描かれていくそうです。絶大な人気を誇るテイラー・スウィフトのような「若手実力派シンガー」という立ち位置には、「HEROES (NBC)」のヘイデン・パネッティーアを投入。

★CBS
“Elementary” <初回放送9/25>
今日のニューヨークに、あの名探偵の代名詞が?誰もが知っている「シャーロック・ホームズ」シリーズが、現代版にリニューアルされてTVスクリーンに登場です。ドラッグないしアルコール常用のリハビリ患者でありながらNYPDのコンサルタントを務めるホームズを演じるのは、アンジェリーナ・ジョリーの最初の夫であった英国俳優ジョニー・リー・ミラー。そして、ジョンならぬジョアン・ワトソンとして、ホームズがシラフでいる為の見張り役および相棒に「キル・ビル (2003)」や「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル (2003)」などで活躍するルーシー・リューが抜擢されました。

★CW
“Emily Owens, M.D.” <初回放送10/16>
「ゴシップガール」「ヴァンパイア・ダイアリーズ」「新ビバリーヒルズ青春白書」といった若者向けシリーズを多く抱えているCW局の最新作は、人気ジャンルである医療系のドラマ。総合病院にインターンとして勤務、仕事に恋愛にと奮闘する主人公を演じるのは、メリル・ストリープの娘である女優マミー・ガマーです。名前だけでピンと来る方は少ないと思いますが、顔を見ればストリープと瓜二つの目鼻立ち。本作にて、親子共演が実現する日もそう遠くはないかも?

★FOX
“The Mob Doctor” <初回放送9/17>
日夜オペ室にてメスを握る女性外科医は、実はシカゴ・マフィアとの深い繋がりが…。どんな突拍子もないストーリーライン?と思いきや、名声ある医師とゴッドファーザーというふたつの顔を持つ実在の男性に迫ったノンフィクション作品”Il Dottore”を脚色、「CSI: 科学捜査班 (CBS)」シリーズの製作陣によってドラマ化された意欲作となっています。マフィアのドンを演じるのは、数々の映画やTVシリーズで名脇役として存在感をみせるウィリアム・フォーサイス。

過去最高視聴数を叩き出したロンドンオリンピックの中継が響いたのか、2012年度夏の興収が前年比3%ダウンと報じられたばかりの米映画業界。多くのTV&ムービースターが出演するこの秋のシットコムならびにドラマシリーズによって、ぜひとも巻き返しをはかって欲しいものです。またこの他にも、各ネットワークでは新しいリアリティ・シリーズが続々とお目見えしている真っ只中。今後も「アメリカンTV通」を目指すべく、最新ニュースを逐一ご紹介していきますので、くれぐれもお見逃しなく。




TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 14:04 | トラックバック

2012年09月06日

コメディの当たり年!2012年秋スタートのシットコム6選

アメリカのTV業界において、欠かすことの出来ない人気ジャンルといえば「シットコム」と呼ばれるシチュエーション・コメディ。いよいよスタート目前の2012年・秋の改編期において、各局ネットワークが満を持して送り出すシリーズが早くも話題を呼んでいます。


 CBS局「Partners」のビルボード。
 気になるタグラインは「4人の友達。
 3組のカップル。」
アメドラのシットコム最高傑作と呼ばれる「フレンズ (NBC / 邦題)」や「となりのサインフェルド (NBC)」、そして近年の賞レース常連となっている「30 ROCK (NBC)」や「The Office (NBC)」(ともに今期で放送終了予定)、さらには「モダン・ファミリー (ABC)」「ママと恋に落ちるまで (CBS)」「ビッグバンセオリー / ギークなボクらの恋愛法則 (CBS)」などに至るまで、数え出したらキリが無いシチュエーション・コメディの名作たち。サクッと30分間に凝縮された1話完結のストーリー、そして観客による笑い声が
収録された独特のフォーマットは、アメリカ人のDNAに浸透していると言っても過言ではありません。そこで今回は、シリーズ開始を前にしてすでにクチコミで評判となっている新作シットコムを先取り&厳選してご紹介。次世代のエミー賞候補となるか否か、今後に期待したいシリーズが続々とデビューを飾ります。

★NBC
“The New Normal (原題)” <初回放送9/11>
数々のヒット・シットコムを抱えるNBC局における最注目作品は、大人気ミュージカル・シリーズ「glee / グリー (FOX)」制作者のひとりであるライアン・マーフィーが手掛けた最新作。「新しい標準」と題されたコメディ・ドラマは、代理母を探すゲイカップルとそれに立候補するシングルマザーが描かれるのだとか。この画期的なプロットは、すでに保守派キリスト教団体であるアメリカン・ファミリー・アソシエーションによるボイコット活動の標的となり、また違った視点からも注目を浴びています

“Go On” <初回放送9/11>
前出の「フレンズ」終了から早8年、チャンドラー役で人気を博したマシュー・ペリーが同作のプロデューサー兼脚本家であったスコット・シルベリとタッグを組んだ1本。妻に先立たれた「男やもめ」が、アクの強いメンバーが揃うグループ・セラピーを通じて立ち直っていくというストーリー。セラピスト役には、トニー賞受賞のミュージカル女優として知られるローラ・ベナンティがキャストされています。最愛のパートナーを失った悲しみがどのように「笑い」へと昇華されるのか、興味深いところ。

★FOX
“The Mindy Project” <初回放送9/25>
これまた前出の「The Office」において、当初はいちライターとしてシリーズに参加、のちに女優としても番組出演を果たすこととなったミンディ・カリングが、制作と主演を務めるシングルカメラ・シットコム。キャリアに恵まれたビジネスウーマンが、白馬の王子様との出逢いを求めて奮闘する内容となっています。ノリとしては「ブリジット・ジョーンズの日記 (2001)」のような雰囲気をイメージすれば、しっくりくる感じでしょうか。

“Ben and Kate” <初回放送9/25>
コメディアンとして活躍しながら「ファミリー・ツリー (2011)」の共同脚本家としてアカデミー賞も獲得しているナット・ファクソンが、タイトル名のベンに扮したコミカルなドラマ。いかんせん冴えないベンの憎めないオタクっぽさと、同居することになるシングルマザーの妹ケイト(メラニー・グリフィスの娘である女優兼モデルのダコタ・ジョンソン)とその娘マディとの掛け合いが、とにかく傑作だと評判になっています。

★CBS
“Partners” <初回放送9/24>
エミー賞獲得の人気シットコム「ふたりは友達?ウィル&グレイス (NBC)」の制作パートナーによる注目の最新作は、またもゲイ男性と「ノンケ」つまりストレート男性との共同生活をフィーチャーした物語。日本でもヒットしたコメディ・ドラマ「アグリー・ベティ (ABC)」にてマーク役を好演したマイケル・ユーリー扮するルイ、そして「アダムス・ファミリー 2 (1993)」など子役時代から活躍を続けるデヴィッド・クラムホルツによるBromance(=恋にも似た男同士の深い友情)は「腐女子」のみならず楽しみなシリーズです。

★ABC
“The Neighbors” <初回放送9/26>
こちらはちょっとした「番外編」。ニュージャージー州の郊外に引っ越して来たファミリーを迎え入れたご近所さんは、人間の仮面を被ったエイリアンだった!?何とも奇想天外なプロットは、映画「ラブ・アゲイン (2011)」などの脚本家で知られるダン・フォーゲルマンによるもので、あまりの奇抜さに別の意味で話題沸騰中。緑の爬虫類系といったエイリアンのベタなイメージそのまま、涙の代わりに耳からスライムを垂れ流すエイリアン達に、思わず苦笑がこぼれること必至です。

名作シチュエーション・コメディの製作陣による選りすぐりのインストールメントが多数、人気俳優らによる競演も楽しみな今秋の新作シットコムいろいろ。本国での人気が出ればたちまち日本にも輸出されていく昨今、この中から何本が海を渡ることになるのでしょうか?また、時期を同じくしてスタートを切るドラマ・シリーズについても、近日中に回を改めてご紹介していきますので、そちらもどうぞご期待ください。




TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 19:25 | トラックバック