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『チェンジリング』より~市役所の地下室から掘り出されたクリスティン・コリンズの物語~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は2/20(金)公開の『チェンジリング』から。
 
市役所の地下室から掘り出されたクリスティン・コリンズの物語

 『チェンジリング』の企画は、数年前、ジャーナリスト出身の脚本家J・マイケル・ストラジンスキーの元に1本の電話がかかってきたところから始まった。
「ある日、市庁舎にいる情報源から電話があって、もうすぐ古い記録を焼却する予定だが、灰になる前に僕が目を通しておいたほうがいい資料があると言うんだ」と、ストラジンスキーは振り返る。
「そこで市庁舎に駆けつけたところ、クリスティン・コリンズ事件の市議会福祉聴聞会の記録があった。証言を読み始めて、僕は思ったね、『こんなことが実際に起こったはずがない。何かの間違いに違いない』と。その資料は火にくべられるまでに、僕を十分虜にしてしまった」

 詳細を調べるにつれ、ますますこの事件に心をつかまれたストラジンスキーは、約1年の歳月を調査に費やし、息子の失踪にまつわる答えを見つけ出そうとしてクリスティンがたどった7年間の複雑に入り組んだ旅を詳しく掘り下げた。その過程で浮かび上がってきたのは、児童誘拐殺人鬼ゴードン・ノースコットの邪悪な犯罪の詳細(失踪中のウォルター・コリンズの殺人について何度も肯定と否定を繰り返した)と、当時のロサンゼルス当局が示した強固な権力と暴力の姿だった。
 
 クリスティンは、息子に何が起こったのかを知ることなく1935年に亡くなったが、彼女が残した遺産がどれほど大きなものだったかについて、ストラジンスキーは説明する。
「すべての核心にあるのは、実際に起きたことを見極めたいというクリスティン・コリンズの欲求だ。彼女は、どんな仕打ちを誰から受けようとも決してあきらめなかった。自分の息子に何が起こったのかを見出すための探索を、最後まで投げ出さなかった。その粘り強さのおかげで、他の人間なら挫折してしまうような難関を突破し、さらにまだ闘うことを止めなかった。そうやって州の法律制度全体を揺り動かしたんだ。そのことに、僕は敬意を表したいと思った」

 さらにストラジンスキーは、脚本を書いた意図について、こう先を続ける。
「意図はとても単純だ。僕は、クリスティン・コリンズが成し遂げた業績を讃えたかった。僕の仕事は、できるかぎり誠実にストーリーを語り、彼女の闘いを讃え、彼女が決して信念を失わず、息子を捜し続けた姿を描くことだった。なんといっても、『私の息子はどこ?』という彼女の簡単な疑問が、ロサンゼルス市の機構全体を打ち壊したのだからね」

捨てられるはずだった衝撃的な事件の記録。
クリント・イーストウッド監督や脚本家J・マイケル・ストラジンスキーによって
描かれるクリスティン・コリンズの戦いにぜひご注目ください。

【チェンジリング 公式サイト】

2/20(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
(c) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.  
※本作はPG-12指定です

2009年02月18日 20:17

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