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『フロスト×ニクソン』~舞台から映画へ~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は3/28(土)公開の『フロスト×ニクソン』から。
 
舞台から映画へ

 ピーター・モーガン作の「フロスト×ニクソン」は、2006年8月10日、マイケル・グランデージの演出によりロンドンのドンマー・ウェアハウスで開幕。その映画化への道のりは、ロン・ハワードとブライアン・グレイザーがこの芝居を観るためにウェスト・エンドへ足を運んだときに始まった。「2人とも即座にぴんと来たみたいだった」と、モーガンは証言する。「興味がどんどん湧いてきて、これが映画になると確信していたようだ」

 舞台を観たハワードが感銘を受けたのは、「2人だけで闘われる強烈な闘争を扱った心理性格劇」という点だった。 素材の素晴らしさに興奮して、ハワードは言う。「このインタビューは、世界中の何千万人が見たわけだけが、この出来事の本当のドラマは、2人の男の間のダイナミズムにある。それは知力を尽くした戦闘であり、どちらも職業的な人生を賭けて闘い、しかもどちらかいっぽうしか勝って立ち去ることができない。とどのつまりは、ニクソンの言い逃れの技術が勝つか、フロストの人に喋らせる能力が勝つかの勝負だ」

 当初、モーガンは、この舞台を決して映画に翻案できないと信じていた。「僕は、絶対に脚色できないように最善を尽くして戯曲を書いたんだ。舞台の上で生きることを運命づけられるように、非常に演劇的だと思えるようなものを書いたし、それが僕の望みだった」
 しかし、ハワードたちの説得によって映画の脚色を自身で手掛けることにしたモーガンは、
戯曲を書いたときよりも広範囲な調査を行うことになった。

「これまで僕は、一度も西海岸に行ったことがなかったんだ」と、モーガン。
「すべての物事が始まった場所――カリフォルニア州オレンジ郡に、実は行ったことがなかった。ニクソン博物館にも、ニクソン記念図書館にも、サンクレメンテにもね。あのヘリコプターさえ見たことがなかったし、彼の元で働いた人たちにも会ったことがなかった。これらの場所には、映画を作ると決まってからロンと一緒に行ったんだが、それはエキサイティングな体験だったよ」

 こうして出来上がったのが、かつてモーガンが不可能だと思っていた映画脚本だった。
「ピーター・モーガンが最初は戯曲の形で、今度は脚本の形で僕たちに与えてくれたものは、とても豊かで立体的な作品だ」とハワード。「とても面白くて、抜け目がない。さらに根底には、サスペンスと緊張感が満ちている」

2007年8月、『フロスト×ニクソン』の撮影は、ロンドンからニューヨークにムーブ・オーバーした
舞台公演の終幕の5日後に、クランク・インした。

映像化不可能といわれていた舞台版を見事スクリーンで再現し、
舞台では描ききれない物語の背景を加えたことで最高のエンターテイメント作品となった
映画『フロスト×ニクソン』。

2人の男の骨太なトークバトルをぜひ劇場でお楽しみください!

【フロスト×ニクソン 公式サイト】

3/28(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
(c)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2009年03月26日 10:26

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