『消されたヘッドライン』~ドキュメンタリー界の至宝、ケヴィン・マクドナルド監督の参加~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は5/22(金)公開の『消されたヘッドライン』から。
■ドキュメンタリー界の至宝、ケヴィン・マクドナルド監督の参加
プロデューサーたちは、通常とは毛色の違う強烈な監督に白羽の矢を立てた。アカデミー賞を受賞(BAFTA〈英国アカデミー賞〉も2度受賞)しているスコットランド人のドキュメンタリー監督ケヴィン・マクドナルド。彼は、大ヒットとなった『ラストキング・オブ・スコットランド』が公開されるまで、映画の世界ではほとんど知られていなかった人物だ。
『ラストキング・オブ・スコットランド』では主演のフォレスト・ウィテカーにアカデミー賞主演男優賞をもたらし、幅広く絶賛された。しかし、マクドナルドは、それ以前にミュンヘン・オリンピックでのテロを描いた力作『ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実』の監督としてアカデミー賞ドキュメンタリー賞を受賞し、ジャーナリズム界では揺るぎない地位を得ていた。
彼はミック・ジャガーやハワード・ホークスのようなロック界あるいは映画界のスターであったり、あるいはイディ・アミンやクラウス・バルビーのような大量虐殺者であったり、その対象が何者であるかに関係なく、偶像視される人物の知られざる側面をあらわにするのを得意としていた。現代のジャーナリズムを描き出す本作には、まさにうってつけの男だった。
「私が『ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~』をテレビで見た時、これは文句無しにおもしろいと思った。」マクドナルドが当時を思い出して語る。
「6時間のシリーズを2時間の作品にするなんて、はたして私にできるのだろうか?正直、最初は疑問に思った。」
マクドナルドは、オリジナルのテレビ・シリーズの内容をただ単に撮り直すような仕事には興味がなかった。「試行錯誤したけど、結果的にはむしろ徹底的に変えた。テレビシリーズを見た人は見方を完全に変える必要があるだろうし、それこそがこっちの狙いなんだ」という。「特にこの劇場版『消されたヘッドライン』の脚本が目を引いたのは、紙媒体のジャーナリズムの衰退をテーマとして見ている点だった。」
監督の手によって、サスペンスとしてだけでなく、
現代のジャーナリズムのあり方にも鋭く踏み込んだ、
緊張感溢れる作品に仕上がった本作。
ドラマ版との違いも探しつつ、お楽しみください!
5/22(金)、 TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
カルやデラ、キャメロンが同僚たちと勤務する『ワシントン・グローブ』社のごみごみした記者室と印刷室が、カリフォルニア州カルバーシティ、カルバースタジオ内に再現された。それは製作者たちも初めて見るような実に緻密なセットだった。
彼は製作過程をこう語る。「リアリティを追求した。アドバイザーからはいつも『記者室はもっと乱雑にしないと』と注文をつけてたな。」本物の新聞記者がアドバイザー そのアドバイザーというのが、ワシントン・ポスト紙の政治部を担当する”本物の”敏腕編集者、R・B・ブレンナーだった。監督はいう。
スティーヴ・ロペスから映画化権を獲得したプロデューサーのラス・クラスノフとゲイリー・フォスターは、脚本をスザンナ・グラントに依頼した。連載コラムを読んだグラントは
一方で、グラントは話のリアリティを実感するために、ロペスとナサニエルの二人とかなりの時間を一緒に過ごした。ロサンゼルスのダウンタウンにあるディズニー・ホールをぶらついたり、楽譜の買い出しツアーに出かけたりして、何日も過ごしたのだ。「二人とも素晴らしい男性だし、二人と一緒の時間を過ごせてとても光栄だった」とグラントは振り返る。