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『パイレーツ・ロック』~海上での撮影~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督最新作
『パイレーツ・ロック』から。
 
海上での撮影

満足のいく脚本に仕上がったものの、カーティス監督は映像化という大きな壁にぶち当たることになる。「脚本家は好きなように書き、哀れな監督がそれを引き受けることになる。そこに脚本家と監督の間に深い溝ができるんだ。でも、これは最高に製作が楽しい映画だったよ。だって、本物の船で出帆して、実際の空の下で撮影したんだからね。ちょっとした村みたいに、撮影スタッフと俳優ら140人もの人々が5週間、毎日港から海に出たんだ。スコットランドから借りてきた古いオンボロの船の上で、とにかく撮りまくったよ」

“ラジオ・ロック”での生活に備えるため、監督は実際に撮影する船の上で暮らす「ブート・キャンプ」ならぬ、「ボート・キャンプ」の状況にみんなを送りこんだ。スタッフとキャストは小さな船室に寝泊まりして、1日中リハーサルを行った。夜は酒を飲んで、ダーツやテーブル・サッカーを楽しみ、映画で描かれるような結束を固めた。
 
DJとしてのリアリティを持たせるために、キャストはロンドンの模擬ラジオ・スタジオで訓練を重ねた。彼らは元海賊ラジオ局のDJジョニー・ウォーカーやDJクリス・エヴァンスに会い、様々なDJ スタイルを学んだ。リス・エヴァンスはこう語る。「あれは素晴らしかったよ。この経験なしには1 日2時間、2,500万人に向けて、DJが自分だけの番組を放送しているんだと実感するパワーを理解できなかっただろうね」

クランクインは2008 年3 月3 日、撮影は14週間に及んだ。そのうち5週間はドーセット州のポートランド港で行われ、ティモール・チャレンジャー号という船の上で撮影された。
船の内部の撮影はロンドン郊外のスタジオ、シェパートンとパインウッド内に作られたセットでも行われた。海の動きを再現するために、水力式のジンバル(羅針盤などを水平に保つためのつり装置)の上にセットを組み立てた。狭い廊下と小さな部屋を再現して撮影するのは大変だったが、カーティス監督と撮影監督のダニー・コーエン、ティルデスリーは、閉所に閉じ込められた登場人物たちの巨大なエゴからコミカルな感じを引き出すことができると信じた。

例えば、デイヴが奥手なカールの初体験を応援しようとトイレで慌しく会話するシーンについて、監督は振り返る。「本物の船室のトイレらしくするためには、絶対に小さくなければならなかった。おかげで撮影は本当に大変だったよ。だって、中に入る1人がニック・フロストだからね。その時、はじめて僕らは気付いた。ところで、カメラマンと音響係はどこに入るんだ?って。そこで小さな壁を1枚取り払ったけれど、それでもやっぱり窮屈だったよ」

閉ざされたセットから離れて海に出て撮影するのは、俳優たちにとってはいいリフレッシュに
なったとか。セットや音楽に溢れる60年代の雰囲気をどうぞお楽しみに!

【パイレーツ・ロック 公式サイト】

10/24(土)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ・みゆき座ほか全国ロードショー
(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2009年10月20日 18:22

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